第97話 彷徨うドロワーズ
「天音・・・」
「あの守長、何か言いましたか?」
いかんな‥‥
口に出てしまった様だ。
「ジゼルが可愛いなと言ったんだよ」
「もう‥‥ からかわないで下さい‥‥」
「そんな事無いぞ、ジゼルは本当に可愛いからな、てかジゼルは何て聞こえたんだ?」
「もう‥‥ 恥ずかしいです‥‥ 私はその‥‥ アムネェと聞こえました‥‥」
うーん‥‥
ジゼルの奴、又々顔が真っ赤になったな。
だがなぁ、ジゼルが可愛いと言うのは嘘でもお世辞でも無い、紛れもない事実だ。
本当、アレとは大違いだよ。
しかしなぁ、アムネェか‥‥
日本語で俺はどうやら呟いたらしいな。
天音の名前は発音がアムネェに聞こえるんだな、
前世で外人が発音するのに似てるかも知れない。
「俺はアマネって言ったんだがジゼルにはそう聞こえたんだな」
「えっえっえっ? ア アマネですか? えっ?」
「どうしたジゼル?」
「えっいや‥‥ それって下着‥‥ か からかわないで下さい守長 し 下着じゃないですか!」
いやまぁそうなんだが‥‥
本当ジゼルは直ぐ照れるよな、何かこう男の庇護欲と言うか僅かな嗜虐心と言うか、男心を擽る絶妙なバランスを持って居る。
アマンダとは又別のベクトルで男を引き寄せる魅力がある。
ジゼルがもう少し歳を取れば更に男を引き寄せるだろう。
まぁ、今でも十分引き寄せてるがな。
「ジゼルはアマネを知ってるのか?」
「・・・」
「知らない?」
「その‥‥ 知ってます‥‥」
「そんな恥ずかしがる事でも無いと思うんだけどなぁ‥‥ 下着だからジゼルからしたら恥ずかしいか?」
本当コイツは恥じらいと言うか、女の子らしいと言うか、奥ゆかしさがあるよなぁ‥‥
淑女の鏡と言っても過言では無いな。
「はい‥‥ 恥ずかしいです‥‥ その‥‥ 守長もアマネを知ってるんですよね? 帝都では余りそう言う事を気にしないんですね?」
「そうだな、俺位の歳だとあんま気にしないかな? それに帝都と言わず帝国全土でアレがどんな物かは割と知られてるし」
「まぁそれは‥‥ 村でも結婚する時に友達達が贈ったりしてますから、守長? 歳を取るとあまりそう言う事って恥ずかしく無くなるんでしょうか?」
「それは人によるな、だが歳取ると気にしないって言うよりその様な事に対して鈍くなってはいくな」
うん、恥じらいだとかもそうだし、しょーもないプライドとかも割と気にしないと言うかどうでも良くなってはくるな。
とは言え、歳取ってもしょーもないプライドに囚われてる奴も結構居るが‥‥
「てかジゼル、アレは俺が開発して家の実家の商会と俺が持ってる店で販売している商品だぞ、俺が持って居る店は実家では無く妹達に任せて利益から上がりを得てるがな、俺が持ってる権益の一つだな」
「えーー そうなんですか? からかってるんじゃ無いんですか?」
「いや、本当だよ、俺が開発して売り出したんだ、もう二十年以上前の話だ」
「本当なんですね‥‥」
うん、あれからもう二十年以上経った、
莫大な利益を上げてくれたし、何より妹達に店を譲る事も出来た。
利益から俺は四割得て居るが妹達は大喜びだった。
俺が持ってた店舗はかなり大きく、両隣も買い上げたからかなり敷地が広い。
妹達が結婚した時に結婚祝いとして譲ったが、
両隣は片側だけ店舗として使用し、もう片側は使用ておらず、元々の場所と片側で販売して居た。
そして結婚した今、使って無かった元店舗も店として開けて居る。
俺が利益から上がりを得て居るのはあくまで、
下着の分だけだ、新しく開いた店舗の分は一切、銅貨一枚貰っては居ない。
下着部門に関しては、未だに新しいデザインや、新規販売する様な下着も俺がアイデアを出したり、実際にデザインしてるからな。
それに俺が造り出し、生産や流通、販売網、コネ、
全て俺が整え、確立させた物だ。
今のこの新たな下着の流れも俺が作ったし、
新たな下着、紐パンを始め帝国に無かったモノを造りだしたんだ。
それこそ実家や妹達は売るだけで利益が入って来る、利益の四割は実家や妹達にしたら、四割もでは無く、四割しか利益を得て無いと思って居る、自分達には六割も利益があると思って居る。
下着系だけで無く他の商品や、それこそ利権も委託して居るのだ、そこからの上がりは利益の四割を俺、六割を実家や妹達と決めて居る。
分配率は一律だ、物事に細かく決めてたらややこしいからそうして居る。
利益から俺が四割得て居ても不満に等、実家も妹達も一切思っておらず寧ろ感謝されて居る。
それに俺が開発した物の全てで俺は利益を得て居る訳では無い。
実家や妹達に完全に譲った物も結構あるしな。
例えば水飴がそうだ、正確に言えば姉に譲った。
それと姉に譲った物の中で一番は実家の後継ぎとしての地位であろう。
俺自身は他にも新しい商売のアイデアはあるし、何なら魔法を使って商売は幾らでも出来る、と言うより俺無しでは出来無い商売だ。
実際どうとでもなるんだよなぁ、対応5の最中アマンダと色々話をしたが、その時にどうとでもなるし、実際なると言ったがハッタリでも何でも無く只の事実でしかない。
だからこそだろうな、いざとなれば官吏を辞めても将来の心配が一切無いからこそ、ある程度気楽にやって居られるのは。
うん、てかそれ以前に官吏、それも元特級官吏であるならば潰しは幾らでも効く。
生活の心配が無いからこそ、将来の心配が無いから、だから気楽で居られる。
世間ではそれを良いご身分って言うんだがな。
しかしジゼルも紐パンを知ってるって、
本当帝国では普及したと思うわ。
てかこの村でも結婚する奴に贈るのが当たり前に、
風習と言える迄に定着したのは感慨深いな‥‥
うん、この村でも穿いてる奴が居るって事だ。
「なぁジゼル、もしかして紐パン、アマネが欲しかったりするのか?」
「えっ! わた 私まだ結婚しませんけど‥‥」
「いやいや、アレは結婚する時の贈り物って決まってる訳じゃ無いんだが‥‥ 普段用に、自分が身に付ける為に買ってる女は多いぞ」
「えっでも私まだ子供なんですけど‥‥」
「うーん‥‥ 家の姉も妹もジゼル位の歳に既に身に付けてた訳だが‥‥ 俺の姉妹曰く凄く楽らしいぞ、履き心地も良いし最高だと言ってるがなぁ」
うん、我がマイシスター達は子供の頃から紐パンだ、当然今でも紐パン愛好家である。
しかし姉妹のパンツ事情を把握して居る俺ってどうなんだろうか‥‥
端から見たらどう思われるんだろうな?
「・・・」
もうコイツは‥‥
下着の話で又顔が真っ赤になりやがった‥‥
何て言うか本当可愛いやっちゃな。
「そ そ そうなんですね? 帝都は色々進んで居るんですね・・・」
うーん‥‥
地方と都心部の違いは確かにある。
だが家の姉妹は又、特別だと思うな。
「まぁ何だ、欲しかったらプレゼントするが?」
「いえその~ 大丈夫です 流石にあれは恥ずかしいです、それに落ちそうで不安です」
「そんな事は無いぞ、かなり安定しているし落ちる事はまず無い、そりゃ紐が緩かったり、ちゃんと締めなかったら又別だがな、ドロワーズに比べたら不安に思えるかも知れないが、意外としっかりして居る」
「・・・」
ん? 更に顔が赤くなったな、しかも俯いてどうした?
「どうしたジゼル? 何か顔が赤いし俯いて居るが俺の発言に何かあったか?」
「いえ‥‥ その‥‥ 少し思い出してしまって、守長の発言のせいではありません‥‥」
「と言うと?」
「‥‥ さっきの事です、守長に見られた事を思い出しました‥‥」
「・・・」
あー アレか、うん、ドロワーズ見えたね、てかアレだな、うん、パンチラの事を思い出したと、てか俺何も言えねーじゃ無いかよ!
俺はどう答えれば良いんだ?
ありがとうございますとでも言えば良いのか?
てかジゼルが幾ら可愛いからと言って、流石にジゼル位の歳の子のパンチラ見ても何とも思わ無いんだが。
うん、見られたジゼルがどう感じるか、か‥‥
うーん‥‥
「ジゼル何だ、その‥‥ あんま気にするな、ホラ、村長も暑い日にドロワーズ一丁で外を彷徨いてたりするだろ? そんでカレンに背中叩かれてるじゃないか、その何だ、アレは男も女も穿くもんだからな、うん、てか妖精が悪い、妖精のせいだ、うん、そうだ」
「あの~ 守長、慰めようとしてくれてるのは分かるんですけど、村長と一緒にされるのはちょっと‥‥」
「いやまぁ一緒にはしてないよ、只そんだけの事と言いたいだけであってだな、流石にジゼルをアレと一緒にしては居ないさ」
「アレですか、一応村長なんだからアレと言うのは‥‥ もう、守長酷いですね」
「何言ってるジゼル、村長はアレで十分だ、それでも敬って言ってあげてるぐらいだぞ、それか自称村長と言った方が良いか? もしくは村長と思い込んでる男か、カレンの旦那の村長? と言っても良いが?」
「守長酷いですね、もう‥‥」
うん、ジゼルが笑った、ご機嫌が治った様だ、
本当、村長もたまには役に立つな。
たま~~~にだがな。
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