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異世界灯台守の日々 (連載版)  作者: くりゅ~ぐ
第1章 ある灯台守の日々

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第73話 人身御供


ハァー


思わずため息が漏れた


風呂は良い、凄く良い、全てを綺麗にしてくれる。


今入っている風呂は、俺専用の風呂だ、

身体はクリーンを掛ければ完璧に綺麗になる。


だがそれとこれとは又、別問題だ。


熱い風呂に入ると、心が洗われる様な気分になる、正に極楽気分だ、至高の時間だよ。


生活魔法を使えば、湯は直ぐに貯まるし、

風呂掃除だって魔法で一瞬にして掃除が終わる。


生活魔法は本当に便利だ、これも、もしかして転生チートってやつ何だろうかな?


生活魔法があれば食うに困らない、ましてや俺ほど使えれば尚更だ。


うーん‥‥


風呂屋の経営と言うのも良いな。


何より元手が要らないと言うのも良い、仕入れの費用が0何だ、初期費用が多少は掛かってもその後の仕入れ費用がタダであれば、あっと言う間に投資した金は回収出来る。


自画自賛だが、俺は本当に潰しが効く、官吏を辞めても将来の心配何て欠片も無いな。


将来の心配も、金の心配も全く無いと言うのは、心に余裕が持てる、ありがたい事だよ。


アーー 気持ち良い、風呂の気持ちよさは格別だ。


思わずおっさんみたいな声が出る、まぁこの世界では、俺の年齢からしたら十分おっさんと言われる歳だ。


幾ら見た目が若かろうと、世間ではそう思われる、気持ちは若いままだがそう思ってる時点で既におっさんな訳だが・・・


しかし転生してから三十年近く経ったか‥‥


時の流れが同じなら、前世の親しかった皆は良い歳になってるんだろうな。


祖父母は既に他界してるだろう、両親はどうかな?


まだギリギリ生きてるとは思うが‥‥


親より先に逝く何て、親不孝な事をしたな‥‥


しかも前世じゃ一人っ子だったから尚更だな。


母は特に悲しんで居るだろうな、俺の事を溺愛してたから悲しみで呆けただろう。


父はどうだろう?

参ったな、参ったなって言って静かに泣いただろうな。


祖父母も道場の皆にも、俺は別れを告げる事無く逝った可能性が高い。


その辺りの記憶が定かでは無いから、いまいち分からんのがなぁ‥‥


であればこそだ、今世での家族や周りの大事な人達を大切にしなきゃいけない。


何時別れが来るか分からないんだから・・・





夜風が気持ち良い、風が良い感じに吹いている。


乾燥魔法を掛ければ一発で乾くが、風呂上がりはこうして自然に任せて湯冷ましする。


その方が気持ち良いからだ、まぁ後でクリーンと乾燥を掛けるんだが、魔法で乾かすと風呂上がりの気持ち良さが、気分的に台無しになるような気がするんだ。


まぁあくまで気分の問題なんだがな。



ん? あれは‥‥


「おい、ブライアン何してんだ?」


「ん? 守長か‥‥ 気分転換に外の空気を吸いに来たんだ、守長はどうしたんだ?」


「俺は風呂上がりに涼みがてら夜風にあたりに来たんだ、気分転換か? 俺はてっきり女衆の風呂を覗きに来たのかと思ったわ」


「何でだよ! そんな事しねーよ! 大体そんな事したら女衆にぶっ殺されちまうよ」


「まぁそうだな、女衆全員に袋叩きにされてしまうな、見付かればな、大事な事だからもう一回言う、見付かればな」


「だからやらねーよ! 守長は俺の事何だと思ってるんだよ‥‥」


脳筋ヤカラだな、後は軽く酒癖悪いかな。


俺がそれを言うと


「ひでーなぁ‥‥」


何て少しシュンとしながら呟きやがった。


そんな、しおらしい態度をされると俺が悪いみたいじゃないか、俺は事実しか言ってないのに‥‥


「おいブライアン、今年の祭は酒は程々にしとけよ、めんどくせーからもう絡んで来るなよ」


「分かってるよ、少なくとも守長には絡まないし、ケンカ吹っ掛ける様な事はしない、もう懲りた」


その言い方だと、俺以外には絡んでケンカ吹っ掛けると聞こえるんだが?


まぁ多少はしゃいで、テンション上がってケンカする分には良いが、去年みたいに止めに入った奴にまでケンカ吹っ掛けるのは止めて欲しいな。


俺が居た位置的に仕方無く止めに入ったが、何故か全員俺にケンカ吹っ掛けて来やがったからなぁ‥‥


まぁ全員一発で沈めたが、何故ケンカし始めて居た奴等は俺に絡んで来たんだ?


その事をブライアンに聞くと

「まぁ酔ってたし、守長が若く見えたから反発心があったと思う、それに嫉妬心っての? それもあったかな」


「俺は最初に歳も言っただろ‥‥ てか嫉妬心があって俺に絡んで来たのかよ?」


「守長は見た目が若く見えるから、歳もハッタリだと思ったんだ、それに男前で金も持ってるみたいだったし、帝都育ちでその帝都から来るってまぁ嫉妬だな」


「お前男前って‥‥ はっ! まさか! お前、俺に惚れてたのか? そんで気を引きたくてあんな事を‥‥」


「何でだよ! 俺はそっちの気は無いからな、止めてくれよ、人に聞かれたら誤解されるだろ!」


あらあら、慌てちゃってまぁ‥‥


「おいブライアン、今は多様性の時代だぞ、そう言うのは個人の自由だし、人に迷惑掛けなければ別に良いと思うけどな、まぁ俺はその気は無いがな」


「マジかよ‥‥ 帝都じゃ色々進んだ考えなんだな‥‥ 」


まぁ実際はそんな事は無いんだけどな、前世と違いこの世界では異端扱いだ。


こればっかりは、時代が進み、時が解決するまでは変わらないだろう。


中々に難しい問題だ、多様性が市民権を得るのは、この世界ではまだまだ先の、遥か未来の話しだ。



「しかし、そんな下らん嫉妬で絡まれたらたまらんな、まぁ良い、今年も俺に絡む奴が居たらきっちり分からせてやるがな」


「・・・」


困った様な、何とも言えない微妙な顔すんなよ、こいつは去年 俺に分からされたからだろうけど、アレからは従順になったんだ、俺は素直な子は好きだぞ。


「とりあえず又、絡んで来るアホが居たら見せしめに吊るすがな、色々と漏らして立場が無くなっても良いなら、俺は挑戦を受けようではないか、どうだねブライアン君」


「勘弁してくれよ‥‥ 俺は守長に絡む何てアホな事はもうしねーよ、他の奴は知らんけど‥‥

それより何で守長は直ぐに縛るんだ?」


「手っ取り早いし、慣れてるから楽なんだよ、ついでに猿轡噛ませば静かにもなるだろ」


「・・・」


だから何で困った様な顔をするんだ?


言いたい事があれば言えば良いのに。


「何だ? もしかして縛って欲しいのか? お前も変態だったか‥‥」


「なぁ‥‥ 俺を何だと思ってるんだよ‥‥ もう去年の事は反省してるから勘弁してくれよ‥‥ なぁ守長、今、も って言ったけど縛られて喜ぶ奴が他に誰か居るのか?」


「・・・」


どうしよう‥‥


居るんですけど‥‥


奴の名前を言うのは危険だよな、封印に綻びが見える今、奴にヒントに繋がる事を知られるのは不味い。


ジル、君は縛られて喜ぶ変態さんだよ、ついでに、雑に扱われると喜ぶ被虐趣味があるんだよ、何て奴の耳に入ると、あの夜の事を思い出す可能性がある。


駄目だ、それは避けなければならない。


あの変態を目覚めさせてはいけない。


封印を解いてはならない。


大変な事になってしまう、主に俺の精神がな、そして心の平穏が乱されてしまう。


そうだ、あの変態はこの世界に放つべきでは無い。


「なぁ、守長まさかマジで居るのか? 黙るってそう言う事だよな?」


「気のせいだ、そんな変態はこの村には居ない、うん、居ないな、それともお前はこの村にそんな変態が居るとおもって居るのか? お前はハルータの村民を疑うのか? なぁ、村民に縛られて喜ぶ変態が居る何て思って居るのか?」


「そ そうか、そうだよな、そんな変態はこの村には居ないよな」


そうだ、そんな変態は居ない。


居るはずが無いんだ、縛られ、罵られ喜び、恍惚とした表情をした被虐趣味の奴は居ない。


居るのはケツのデカい貧乳むっつりスケベだけだ。


最悪、ブライアンに押し付けてしまおう・・・


うん、それが良い。


二人はお似合いだ、多分な。











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