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異世界灯台守の日々 (連載版)  作者: くりゅ~ぐ
第1章 ある灯台守の日々

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第69話 ロリババア


ケレイブ・カーンが考え込んでいる


沈黙の中、俺は酒を飲む、うん旨い。


小物君が「その手があったか」と小声で呟く。


まぁ俺の案は、本気で実行した場合、確実に犯罪発生率が減る。


反面金も手間暇も懸かる。


もう一つの案は、金も手間暇も掛からんが、反面100%確実では無い。


だがある程度の抑止力にはなる。


まぁ噂を流すだけだ、そんなに手間暇 掛かるもんでは無い、やって無駄になる事は決して無い。


「そうですね‥‥ やってみる価値はあります、問題は上層部が、裏社会の者に借りを作る事を良しとするかですね」


「逆だな、借りを作るのでは無く、奴等に借りを作らせるんだ、アイツ等も実際困って居るんだ、元手が0と言うのも良い、アイツ等がめついからな、大喜びだろうさ、人手も夜遊び交流会(・・・・・・)の各組織の下の奴等を使えばあっと言うまに終わる、言い方次第だ、それと、アイツ等も分かっている、その上で利用された振りをしてるさ」


「正直に申しますと、私には権限がありません、ただ、上司に進言は出来ます、しかしその場合、サリバン様の功績とはなりませんが・・・」


「構わない、功績なら今まで散々立ててきた」


「失礼ながら、流石としか言い様がありません」


おい!


コイツ何、真面目腐った顔して言ってくれちゃてるんだよ!


ちょっとした軽口、ほんのちょっとした冗談として言っただけなんだぞ俺は・・・


俺が何かスベったみたいだろ‥‥


「あー ケレイブ・カーン、俺はちょっとした軽口、まぁ何だ、冗談として言ったんだが‥‥」


「ですがサリバン様はそれだけの実績があります、それは事実ですので」


「・・・」


どうしょう‥‥


課長さんマジだ、お世辞とかおべっかとかで無く、マジだよ‥‥


アレ?


俺コレもしかしなくても、スベっちゃった?


確かに実績はある、結果も出した。


それは事実だ。


確か道場に居た中学生が、こんな時はヤレヤレって言うんだって言ってた気がするが。


それこそ単に痛い奴になってしまう‥‥


それか肩をすくめるか?


いやいや、それこそ痛い奴では無く、真剣(マジ)に気持ち悪い奴になってしまう。


前世で肩をすくめる奴は居たが、漏れ無く痛い奴か、気持ち悪い奴か、人間性に問題ある奴しか居なかった。


小説の表現でも、肩をすくめるって、表現だけでも気持ちが悪い、ナルシシストの痛い奴って感じたからなぁ・・・


これが普通の会話なら、おう ありがとう、で済むが、俺は冗談として言った訳だから‥‥


うん、認めよう、俺はスベった。


しかも大スベりした。


認める所は認めなくてはいけない。


そうだ、過ぎてしまった事は仕方がない。


とゆー訳で、気持ちを切り替えて行こう。


「その、何だ、顔役がもしゴネやがったら、俺の名前を出して良い、提案者は俺だとな、そんでもガタガタ抜かしやがるなら、お前らが最も喜ぶ方法でご機嫌伺いに行ってやろうか? と言えば良い」


「サリバン様は、顔役と面識がおありなのですね」


「そうだな、奴等とは面識がある」


コイツはバハラに赴任して一年程だから知らないのかな?


もしくは知ってて聞いてるのだろうか?


「あの~ サリバン様、担当者が私になるかはまだ未定です、私は局が違いますし他の者、おそらく担当官が対応すると思います」


「そうだな、だが提案者であるお前が担当、もしくは担当の一人になる可能性もあるぞ、俺の予想では担当責任者とは言わんが、担当の一人になると思うがな」


「有り得ますね‥‥ ですが私は担当部署が違いますし、元の担当官や担当部署の者に良い顔はされないでしょう」


「まぁそうだな、それは否定しない、そういうのを官吏は特に嫌うからな、縄張り意識が強いから、まぁ官吏だけの話しでも無い、どんな組織も縄張り意識は強いし、越権行為を嫌うもんだ、 そうだな、これが特級官吏なら無任所官として(くちばし)も、挟めるが‥‥」


そう考えると難しいかな?


だが今の担当官は顔役とはイマイチな関係であるなら、思いきってケレイブ・カーンを一時的でも良いから担当官にしてみるのも一つの手なんだが、どうだろう? 難しいかな?


この場合の無任所官は特定の部局に所属せず、自由裁量権が与えられていると言う意味だが、帝都、それも帝城に居る特級官吏に与えられている権限だ。


まぁ特級官吏全員に与えられて居る訳では無いんだが・・・


それに無任所官も大概は、何処かしらの部署に所属して、専従として働いてる場合が多い。


俺の同期のクソ首席である、あのロリババアも専従になって、帝国の交通網の整備部局に所属したからなぁ・・・


まぁアレは新設部署と言った方が正しいな。


そういやアイツにも手紙の返事、書かなきゃいけないな・・・


アイツは俺と違い飛ばされて激怒してたからなぁ。


俺の同期五人は、一人を除き、派閥に属してた訳では無いのに五人全員左遷されたんだ。


最も意味が分からないのが、派閥に属してた奴は勝利者側の派閥に属してたのに左遷され飛ばされた事だ。


俺達 同期五人は皆仲良く左遷され飛ばされた訳だが何故なんだ?


勝利者側の派閥に属してた奴も含めて五人共、飛ばされた。


派閥に属して無い俺達四人も、属してた奴も、しかも勝利者側の奴も何故、飛ばされたか全く意味が分からん。


まぁ俺に関しては多分だが、先帝陛下に可愛がられて居たから、それを疎まれて飛ばされたんだろうな。


簡単に言えば嫉妬だな。


俺は一生懸命、楽しくお仕事してただけなのに、酷い話しもあったもんだよ。


しかし‥‥


俺はそうだとしても、他の四人は何故なんだ?


それこそ理由も意味も分からん。


勝利者側の派閥に属してた奴も、特に何か合った訳でも無いし。


本人も理由が思い浮かばないと言ってた。


と言うか皆、理由が全く分からないと異口同音 言っていた。


俺達同期五人は、食事会と言う名の情報交換会を開いて話し合ったが、二人が激怒し、俺を含む残り三人は諦め、中々に混沌とした食事会となった。


俺達三人は、激怒し愚痴を言う二人を宥めて居たが二人が絡み始めたので、縛っちゃおうか、かなり迷った。



アイツら酒癖は悪く無かったのに、あの時は本当に酷かった。


特にロリババアは荒れまくってたなぁ・・・


まぁ気持ちは分かる。


帝国全土の街道整備の目処が付いて、実証実験も、準備も終わり、さあこれから本格的にスタートする段になってアレだからなぁ‥‥


アイツをトップに、それこそ一生かけてやる仕事だって言ってたもんなぁ。


計画、立案、実行、それをアイツが一人で全て行い、新たな部局も立ち上げ、さぁ今からって時に訳も分からず飛ばされたら、そらキレるわ。


うん、そう考えればマジギレするのも仕方無い。


とは言えあの日は酷かった。


アレ、素面でも同じようにキレてただろうな‥‥


うん、準備を全て済ませて、さぁこれからって時に横からかっさらわれたら、そらあーなるわ。


まぁ、付き合わされるこっちとしては、勘弁して欲しかったが・・・


バハラ周辺の街道整備も、実証実験の一つとして奴がやったが、完璧に成功させた。


能力はあるんだよなぁ‥‥


まぁ‥‥


ド貧乳のクソちび童顔ロリババアなんだが‥‥


ついでに口も性格も悪い。


うん、能力と人格は別だからな。




「サリバン様?」


ケレイブ・カーンが少し不安そうに声を掛けて来た。


いかんな、俺は思考の海に沈み込んで居たらしい。


「すまん考え事していた、で? どうする? 成功すれば今の現状を劇的に変えるきっかけになるが、失敗しても損は無いし、おまえの功績として、出世の為の評価として、高く評価されると思うが」


「それは‥‥ ですが功績を奪う様な事をするのは、少々気が引けます」


「気にするな、とは言えお前が気が引けると言うなら、貸し一つだ、いつか気が向いた時に返してくれれば良い、ある時払いの催促無しだ」


「・・・」


だからそんな困った顔すんなよ。


まぁ、とは言え気にするなと言っても難しいかな?


「貸しだ、貸し、ある時払いの催促無しで良いんだ、いつか気が向いた時に返してくれれば良い、実際問題として、バハラの現状は宜しくないんだ、出来る事は全てやるべきだと思うがな、どうだ?」


「そうですね‥‥ 分かりました、上に掛け合います、やります」


ん、腹括ったか、やって損は無いんだやっとけば良い、失敗しても損は無い。


後は、ムチだけで無く、飴も用意すれば更に効果が高まるな。


ついでだ、俺が教授してやろうではないか。


まぁ、酒のつまみとして丁度良いだろう。


しょせん功績なんてそんな程度の物だ・・・




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