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異世界灯台守の日々 (連載版)  作者: くりゅ~ぐ
第1章 ある灯台守の日々

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第54話 麗しの都とフィグ村


夜空に星が流れた


冬になれば更に星が流れ 夜空を飾る


そしてその様を流星と表現する様になるだろう



「ねえ守長、確かに盛り上がり欠けるけど、私達位の歳ならそれだけで訳ありになるんじゃないかしら?」


「あー そうだな、としてもやっぱり生活に困る事は無いから意識の問題だな、まぁ俺達の歳で駆け落ちなんてそれだけで訳ありだが、お互い15位の歳でもやっぱり訳ありになると思うぞ、訳ありだから駆け落ちなんて事をする訳だし、駆け落ちした時点で、それだけで訳ありなんだし」


「そうだよね、歳は関係無いか、駆け落ちした時点で訳ありだからしてるんだし、ねえ守長、折角だしお互い少し立ち入った話しでもしようか?」


「別に良いぞ、俺は隠す事なんて無いし、そうだな、お互いの事を知るには相手の心の中に入り込む事も時には必要だしな」


アマンダが何を聞きたがって居るか、何を聞いて欲しいかは少しだけ分かる様な気もする。


おおよその事であるが。


「んー それじゃ御言葉に甘えて‥‥ 守長は何で結婚しなかったの? 実家からお見合いの話しとかは無かったの?」


「結婚しなかったのは本当に仕事が忙しかったからだな、それ以上に仕事が楽しくって、面白かったからだ、帝城では本当に充実した日々だった、見合いは全て拒否した、実家からも、それ以外からもな」


「守長なら引く手数多だったんだろうね、そっか‥‥ 」


「見合いがダメとは言わん、少々乙女チックだが俺は自由恋愛が良いな、とは言えそんな事を言ってるから未だ独り身だ」


それに結婚しても上手い事行く自信も無かったし、そうであるならせめて心から想える相手と出会い、そうすれば何て思ってた訳だが。


やはり難しいな‥‥


何時か出逢えるんだろうか? どうなんだろう? こればっかりは巡り合わせによるからなぁ。


「守長なら何時でも出来そうなのに、ねえ守長、守長は私の旦那が帰って来るって本心から思ってくれてるし、昨日言ってたでしよ?


『帰って来ると信じる気持ちはアマンダだけの物で、他の人間が何を言おうとほっとけば良いって』


私ね守長にそう言われて嬉しかったし、救われた気持ちになったの、私が何て言われて居るか知ってるし、それでも私は信じて居るのねそれでも・・・」


「まぁ何だ、人がごちゃごちゃ言おうともアマンダが信じて居るのなら、それが正解なんだよ、

鬱陶しいだろうし、腹も立つ事もあるだろうが無視しとけば良いさ、どうせごちゃごちゃと噂話を(さえ)ずるんだ、宮廷雀と一緒だ、奴等も何言っても無駄だからな、鼻で笑ってやれば良いさ、

どうせアマンダが美人だから嫉妬して好き勝手に言ってるだけだ、美人は嫉妬されるもんだ」


「もう‥‥ 又そんな事言って‥‥

私ね分かって居るの、生きて居てもこれだけ時間が経てばもう帰って来ないって‥‥

でもひょっこり帰って来る様な気もするし、自分でも最近分からなくなって来て‥‥ 」


(うつむ)くなよアマンダ、本当 折角の美人が台無しだ。


あれから八年経った、その八年を、もうと思うか、まだと思うか、それは人それぞれだ。


アマンダにとってはまだと言う思いが今までは強かったのだろう、だが最近はもうと思う気持ちが強まって来たのかもしれない。


だからと言ってはいそうですね、と受け入れる事も納得も出来ないんだろうな。


まだ諦めが付かない、そんな所か‥‥


信じる気持ちと、現実を受け入れる気持ちの間で揺れて、何が何だかアマンダ自身も分からなくなって、どうすれば良いのか答えが分からず思い悩んで苦しんで居るのだろう。



「別に良いんだよそれで」


「と言うと?」


「法によって禁止されてる訳でも無いし村の決まりでも禁止されて無い、

アマンダがどう思おうが自由なんだ、言いたい奴には勝手に言わせとけば良い、

それと気持ちが揺れてる事自体に悩んでる様だけど、人間何だ悩みもするし、苦しみもする、


当たり前の事なんだから気持ちが揺れてる事を思い悩む必要は無い、

俺で良いなら幾らでも話を聞くし、アマンダのその気持ちにガタガタ抜かす奴が居るんのなら 俺がそいつをキャン言わしたるわい」


「もう‥‥ キャンって‥‥ 私は人妻だよ‥‥

口説いてるの? いけない事なんだよ」


「そうだな、なら駆け落ちでもするか、行き先はフィグ村にしよう」


「もう‥‥ もうもう、隣村じゃないの‥‥ 又そうやって‥‥ 本当にただの引っ越しじゃない」


「なら帝都サザビーにしよう、麗しの都、永遠の繁栄と不滅の都だ、飽きる事等は無い、大陸最大の都市なんだし、アマンダもきっと気に入るだろう、とは言え困難何か欠片も無い駆け落ちになっちまうがな」


アマンダがクスクスと笑い出した。


先程までと違い楽しそうだ。


その姿はまるで朝日が昇り、夜の闇が光により打ち消されたかの様だ。


美しいな・・・


「もう、守長ったら、何だか色々考えて思い悩んで居たのが馬鹿らしくなっちゃったわ、そうよね、悩みも何も無い人生何てそんなのある訳無いんだから‥‥ いっぱい悩む事にするわ、それでどうしょうも無くなったらその時は守長に話しをするわね」


「おう、アマンダなら大歓迎だ、何時でも来てくれ、それと駆け落ちしたくなったらその時も何時でも言って来てくれよ」


「もう‥‥ どうせフィグ村に何でしょ? なら嫌よ、違う所にしてね、それとありがとう守長、私、本当にどうしょうもなくなっちゃったら守長に話しに行くからね」


それからは 二人で笑い合って話しをした。


お互いの子供の頃の話しや村で昔合った話し等を、不思議とアマンダは旦那の話しはしなかった。


それが何を意味しているのかは俺には分からない。


いや、あえて考えない様にして居た。


何故考え無い様にしようとしていたか、その理由が何なのかが分からない。


だが二人でこうして話しをして居ると楽しかった。


女と二人でこうして話しをして居て、心から楽しいと感じたのは何時以来だろう?


もしかして前世以来かも知れない。


もしこの光景を、俺がアマンダと話して笑って居るのを見たならば、アイツは何と言うんだろう?


『テメー楽しそうだなー 浮気か? なぁ浮気なのか? 良い根性してんじゃないか、楽しそうですね~ あー嫌だ嫌だ、汚らわしいですわ、嫌ですわ、話し掛けて来ないで下さいませ、耳が妊娠してしまいますわ』


とでも言うかも知れないな。



「守長どうしたの?」


「どうもして無いよ、しいて言うならアマンダと話してて楽しいと言った所かな」


「ふふ、私も楽しいわよ 久々ねこんなに笑ったのは」


「俺もだな、久々だよこんなに笑ったのは」


アマンダとお互い顔を見合せ何故か又 二人で笑ってしまった。


何でも無い様な事でさっきからお互い笑って居るが何故なんだろう。


「ふふ、でも守長、子供の頃にしたかった事が落とし穴を作りたかったって‥‥ しかも本当にそう思って居たのよねえ? 何でなのよ」


「いやいや さっき言っただろ、帝都じゃ落とし穴を掘る場所何か無いんだって、実家の庭に掘ってもバレバレだし意味が無いじゃ無いか」


「分からないでもないけど‥‥ でも守長この村でもやっちゃダメよ、落とし穴を掘るのは禁止されてるんだから」


「ちょっと待て! 俺は聞いて無いぞそんな話」


「当たり前じゃないの、わざわざ大人に 落とし穴を掘ってはいけません何て言う訳無いじゃ無いの」


そう言うとアマンダが又笑った、ころころと楽しそうに嬉しそうに 子供の様に笑って居る。


「マジか~ そろそろ落とし穴掘ろうかと思って居たのに‥‥ アマンダ、こっそり二人で作っちゃおうか?」


「何言ってるの~ 嫌よ、この歳で子供がやる様なイタズラをして怒られるのは」


「良いじゃ無いか、バレなきゃ大丈夫だろ多分」


「ダメよ、私を巻き込まないで、大体絶対にバレるから()めといた方が良いわ」


「何だよ、俺の子供の頃からの夢が~ 一緒に村長落とそうぜ!」


「もう、何で村長なのよ、本当仕方無い人ね」


又二人で笑ってしまった。


何で村長かと言うと ちょっとしたお仕置きだ。


妻であるカレンに丸投げをした罰により 落とし穴刑だ。


それを言うと又アマンダが笑った。


「本当にもう‥‥ 言いたい事は分かるけど村長を落としたらだめよ、メッ」


「ならベンジャミンなら良いのか?」


「ダメ! 落とし穴禁止 本当にダメだよ、大体何で村長一家なのよ・・・」


「あの二人なら良いかなと思って」


「ダメだよ、メッ」


うーん・・・


アイツらなら良いかと思ったがダメか‥‥


しかし‥‥


さっきから ドラ猫(・・・)どもが居るな。


俺の憩いと潤いと幸せの時間を邪魔しようと言うのなら俺の敵だ。


お仕置きしなければならないな・・・

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