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異世界灯台守の日々 (連載版)  作者: くりゅ~ぐ
第1章 ある灯台守の日々

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第47話 イカの完干しと品種改良


夜の帳が降りて来た


星がとても美しい


夜の闇が完全に降りれば更に美しいだろう


「守長 空なんか見上げてどうしたんだ?」


「星が美しいと思ってな」


「そうか? あーそうか‥‥ 守長は帝都育ちだもんな、俺からしたら当たり前の事だけど、守長からしたらそう見えるか」


「そうだな何時も思うよ、本当にここで見る星空は美しいとな」


前世に比べれば帝都の星空ですら美しいかったが、このハルータの星空は更に、いや、比べる事すら烏滸がましい程に美しい。


大袈裟かも知れないが美の女神が星空となり、その存在を地上に住む者達に見せつけてるかの様だ。


「それより守長、今日の夕飯何だったっけ?」


コイツは‥‥


仕方無い奴だな、まぁコイツにとっては見慣れた、当たり前にある物だからいちいち感動する様な物では無いか。


「パンに完干しイカ入りの野菜スープだよ」


「又、イカかよー まぁパンは焼き立てだから良いんだけど、肉入りとは言わないからせめて魚でも入ってたらなぁ」


「仕方無いだろ、漁に出れて無いんだから、魚は俺も食いたいよ、まぁ我慢するしかないな」


イカの完干しは前世で言うスルメだ。


日持ちするから村では保存食として結構作って居る、その為今もスープの具材に使って居るのだ。


まぁ細かく切って柔らかくなるまで水分を含ませて居るから 結構柔らかい、とは言え噛みごたえがあるから 年寄りは食べるのにちと苦戦して居るのがそこそこ居る。


なのでよけておいて、最後に時間を掛けてちまちま食べたり。


もしくはスープ自体を時間を掛けて食べたりしてるが、まぁどちらかと言うとお喋りの時間が長い気がしないでもないが・・・


「なぁ守長、パンの焼きたては良いよなぁ、普段は纏めて焼くから最終日の三日目になると どうしても硬くなるからなぁ‥‥」


「まぁ分かるが、三日目ならまだそうでも無いだろ?」


「守長、帝都とここじゃあ違うんだよ、大体帝都なら毎日焼き立てを買えるだろ?」


「そうだな、でも三日目位ならちょっと硬く、ボソボソするだけだ、まぁそりゃあ焼き立てが1番美味いがな、乾燥した地域なら一週間所か一ヶ月位たったのを食ったりしてるぞ」


この辺りは湿気があるから、焼いて三日が限度だ、白パンなら三日目となるとカビが生える事もある。


ライ麦パンも言う程日持ちしない。


アレは乾燥した地域だからこそ日持ちするんだ。


大体 ライ麦100%のパンだけで無く、ライ麦三割や五割、七割、八割に小麦粉を配合したのもあるんだ、前世で言われてた様に日持ちはしない、意外と直ぐに傷む。


ちなみに俺はライ麦一割に小麦粉九割か、ライ麦と小麦を半々位の配合やつが好きだな。


この世界で、小麦粉のみで作ったのはいわゆるバゲット、まぁ前世でフランスパンと言われてたのが良く食べられている、と言っても丸バゲット、田舎風パンなんだが、少し高級な物で

生バゲットと言うのもあるが あれがこの世界でも好きだ、前世で生フランス、もしくは、ソフトフランスパンなんだが、前世からあれは大好きだった。



前世での食パンもあるが、あれはちと物足りないと言う人間がこの世界は多い。


バゲットに慣れてると、食パンは柔らかすぎて食べごたえが無いと言う奴は結構多いんだよなぁ。


まぁ帝国は巨大だからそれ以外にも、ナンみたいな物を食べたり、塩味だけのもちもちした蒸しパンを主食にしてる地域もあったり、何と言うか 食文化は多種多様で豊かだ。


米もあるけど品種改良して無いからかイマイチなんだよなぁ‥‥


短粒米も長粒米も両方あるけど 短粒米はイマイチを通り越して不味い、前世では主食でほぼ毎日食べてたから余計に不味さが引き立つ。


長粒米もイマイチなんだが、それでも短粒米に比べたら十分以上に食える味だ。


後は多少の慣れもある、前世ではたまに食ってたが、俺は割と好きだった。


前世では、長粒米は不味い何て言ってたが、ちゃんと炊いたら美味いんだ。


炊き方を間違えるから不味くなるんであって、ちゃんと炊き、ちゃんと調理したら本当に美味い、何か食いたくなってきたな‥‥


「守長どうしたんだ、考え事か?」


「ああ、何だか米が食いたくなって来てな」


「ゲェー 米かよ、守長 本当変わってるよな、あんな不味いの食いたがる何て‥‥」


「・・・」


ちゃんと調理したら美味しいのに‥‥


この村では米を食わないんだよなぁ、どうも匂いがダメらしい。


いやまぁ確かに若干(くさ)みはある、でもそれって米本来の香りだし、俺は許容範囲な匂い何だけど、村の奴等はダメだと言う奴が多い。


やっぱ慣れなんだろうな。


とは言えだ。


「お前ライスペーパーは好きなのに何で米自体は嫌いなんだよ? アレだって原料は米だぞ」


「いやいやいや! 全く別物だろ、全く違うよ」


「そうか? 俺はそんなに違いがあるとは思えないけど」


「あるよ、ライスペーパーは嫌な匂いが一切無いし、むしろ良い香りだ」


うーん・・・


この辺りの違いが俺にはどうも分からん、だが村の奴等は皆同じ事を言う。


何でなんだろ? 俺は米の匂いがマヒしてるのかな?


慣れすぎてるのか?


「なぁ、お前水飴も好きだよな? アレも原料は米なんだぞ、まぁ米の香りは一切無いんだけど‥‥」


「本当かよ守長、いやまぁその話は前にも聞いたけど、あんな不味い物からあんな美味い物が出来るなんて未だに信じらんないよ」


「そんな事言われても本当の事だからなぁ‥‥

実家の商会の主力商品の一つで、俺が開発したんだ、間違いないし、嘘でも何でも無いぞ」


「何回聞いても米から作られる何て 未だに信じられないよ、実は俺の事を(かつ)いでるんじゃ無いのかって思っちまう」


「嘘でも担いでる訳でも無い、事実だ」


モリソン弟が『マジかよ‥‥』何て呟いている。


何で誰も信じないんだ?


加工したら別物になるなんて普通だろうに。


単に想像付か無いだけだと思うが、皆モリソン弟みたいな反応なんだよな。


地方じゃこれが常識と言うか認識だ。


そりゃ米が普及しない訳だよ、それはつまり品種改良もされないと言う事なんだよな・・・


米はただ食うだけじゃ無く 色々と加工出来るし、収穫率も麦より良い。


本当に色々使い道がある。


ただ問題は勿論ある、まぁ水資源が豊かな所で無いと稲作は難しいと言う ある意味致命的な点だ。


でもこのハルータ村は水資源は豊かだし、稲作には無茶苦茶向いてる土地何だけど、無理だろうな‥‥


うーん・・・


実家から送って貰っては居るが・・・



やっぱ来年自分で作るか?


そんな広いデカイ田んぼじゃ無くても良い。


ちよっとした、俺1人でも世話出来る程度のなら作れるはずだ、場所は‥‥


村からちょっと離れればいけるか?


だが1から作るとなると流石に大変だぞ。


田んぼ以前に 石を取り除かないといけないし、木の根起こし、抜根もしないといけない。


まぁ抜根は乾燥掛けまくって、乾燥掛け倒したらいけるか? 単に抜くより早いか‥‥


何なら今の内からやって乾燥させまくって燃やすか? それか今ある畑の一部を田んぼに作り替えるのも一つの手か‥‥


そんなに大きいのを作るつもりも無いしアリだな。


金はあるんだ、人を雇うと言うのも考えて・・・



「守長又考え事か?」


「おう、ちょっとな」


何だかスローライフ物か、農業系のシミュレーション的思考になって来てるな‥‥


とは言えなぁ‥‥


時間は有り余ってる。


やろうと思えばやれるんだ、あれだけ色々やってそれでも時間が余って居る。


俺はここに左遷されたはずなのに、何故か生き生きと生活して居る、何故だ? と思わんでも無いが、今まで仕事一辺倒だったから 時間が余ると色々やってみたくなってしまった。


まぁ結構ヒマだしな、どうせ又どこかに赴任‥‥


まぁ飛ばされるんだ、なら好きに、自由に思い付いた事をするのも良いだろう。


やる事はきっちりやっている


誰にも文句は言わせないさ


仕事に手を一切抜いては居ないんだ。



なら色々と好きに 自由に生きてみよう。


少なくともここに居る間はな。





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