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異世界灯台守の日々 (連載版)  作者: くりゅ~ぐ
第1章 ある灯台守の日々

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第42話 迎え

密度が高い


いや、男臭いと言うべきか?


俺の執務室にはバハラから連絡とガジラの引き取りに来た 軍人や官吏、南方諸島共同組合事務局から来た者達が居る。


迎えに行った後、執務室に案内し現在情報交換中だ


「ではバハラ側は 今も人が続々流れ着いていると? そんなにか?」


「はい、今の所確認出来ただけでも80名以上は‥‥ バハラの北方でも未確認ですが、かなりの人間が漂流している様です、生存者は現在3名のみです」


「沖合いの分を除いてそれか‥‥ 被害はかなりの物になるな」


「意識がハッキリして居る救助者の話では、どうも嵐が急速に膨れ上がった様で、そのせいで巻き込まれたと」


「こちらの生存者も同じ事を言っていたな、局‥‥、南方諸島局では今回の件どう見てる? 250年前に多発した天候の急変との関連性があると思うか?」


俺の問いに困った様な顔をしている、コイツは関係無いと見ているのだろう。


「先程の話ですね、私は関連性は無いと思いますが 断定は出来ません、調査を待ち、それからの判断になります、ただ‥‥ 同じ様な天候の急変で、しかも同じ様な時化の発達の仕方から考えると もしかしてとは思いますが、やはり周期的なものであるとは思えません」


「そうか、俺の考え過ぎか、暇だと色々と考える時間があるからつい下らん想像をしてしまうな、まぁ確かに周期性は無いからな であればこそタチが悪いな、突然であれば防ぎ様が無いのだから」


「はい、周期的なものであれば 防ぎ様はありますが、不定期だと防ぎ様がありません、正に今回がそうです、被害は想像も付かない程に、想像を絶する程起きています それこそ今の時点でこれですから、最終的な被害がどれ程になるやら‥‥」


だよなぁ、話を聞く限りバハラ側ではここ250年振り、いや、250年前より酷い有り様だ。



特に西方が酷いな、そう考えればガジラは本当に 運が良かった、一生分の運を使い果たしたと言っても過言では無い程に幸運だったな。


おっとそうだ、

『あー エピリ語で話した方がいいかな?』


「帝国語で問題はありません」


南方諸島協同組合の事務局から来た奴が微笑みながら返事をする、訛りの無い帝国語だ、年の頃は50前後と言った所かな。


「話も終わったし救助した奴の所に行こうか、ジョージ・ボイド、話はこれで終わりで良いな? なら救助者の所にミニュラ殿を連れて行こうと思うが」


「はい、私は現時点ではありません」


ん、ならガジラの所に連れて行くか、

しかしミニュラって・・・


いやまぁ、通じないネタ何だよな、まぁいいや。


おっと、海軍の軍人にも聞いておかねば。


「海軍側からは何かありますか?」


「はっ、我々からは特にありません」


ん、なら良し、ガジラの所に行くか。




『おいガジラ、お迎えが来たぞ、身体の調子は特に問題無いだろ?』


『えっ? もう?』


『何だ? 婆さん連中と別れるのが辛いのか?』


『何でだよ!そんな訳あるか!』


うん、もう完全に回復したと言っても過言では無いな、これなら大丈夫だ、しかしコイツ回復力が高いな、1日半で完全復活かよ。


『何だ? 婆さんハーレムにご満悦だったろ?

やはりハーレムメンバーの婆さん達との別れが辛いんだろ? 分かってるって、強がるなよ』


『そんな訳あるかよ! アンタ無茶苦茶だな』


『褒めるなよ、照れるだろ』


『・・・』


何 ガジラの奴、唖然としてんだよ

まぁコイツも何やかんやで愉快な奴だったな、

まぁもう二度と会う事は無いんだろうな。


『あー ガジラ・バルザだね、私はボイズ・ミニュラ 南方諸島共同組合事務局の者だ 君を迎えに来た、身体は大丈夫そうだね、まぁこの度は災難だったが、そうだね、気休めかも知れんが命が助かっただけでもめっけもんだ、余り気を落とさないでな』


『組合? 公使館の人間で無くて?』


『うん、私は共同組合の人間だ、今回の件で公使館もかなりバタバタしていてね、私が‥‥ いや組合に依頼があったんだ、君を迎えに行くようにと』



『まぁエピリの船も人もかなり被害を受けているからな、それで南方諸島共同組合事務局に、そして組合からミニュラ殿にお前の迎えを頼まれたんだろう、同じ国の人間の方がお前も安心だろ? それにお前は帝国語も南方諸島の共通語も話せ無いからな』


『なぁ、アンタこの人から話を聞いたのか?

やっぱ結構被害が出たのか? 俺の船‥‥

オリーブの恵みは、仲間はどうなったんだ?』


ガジラの奴、平気な顔してたが仲間の事をやっぱり気にしてたんだな‥‥ まぁそりゃそうか、当たり前の事だよな。


『残念ながら俺もそこまでは分からないんだ』



『あー、サリバン卿は、いや私もだが 被害の全容はまだ把握出来て居ないんだ、なにせあまりにも被害が大き過ぎて 今現在も被害報告が続々と 届いている有り様でね、残念ながら君の船の仲間の安否はまだ分かって居ない、と言うよりエピリ船籍、我が国の船の安否は把握出来て居ないんだよ、南方諸島からこっちに、バハラに向かった船も、北方に向かった船も、いや‥‥ 先程言ったが 被害が時間を追う事に増えていてね、全く分からないんだ』


『そうか‥‥』


『その‥‥ 気休めかもしれないが、君もこうやって無事救助されたんだ、君の仲間も救助されてバハラに居るかも知れないし、希望は捨てちゃいけないよ、今は神と聖霊に祈り無事を願おう』


『ああ‥‥ そう、だな‥‥』


随分と落ち込んでいるな、この様な時はいらん事は言わず、聞かれない限り黙っておくべきだな。


しかし想像してたより遥かに被害が大きいな、

沖の方では最終的にどれくらいの被害が出る事やら想像も付かないな。


この様な事が続けば荷代が跳ね上がる事になる、

その先にあるのは物価高か‥‥


帝国産の商品の輸出にも影響が出てくるし、利益の減少、そして物価にも経済にも影響が及ぶ。


帝国は輸出国であるが、となると当然帝国産を輸入する国は多く、帝国以外の国々にも影響するだろう。


この様な天候の急変は、船賃の高騰を招くし、バハラ周辺だけの事であっても 下手をしなくてもその影響は帝国全土に波及する。


バハラの経済力は帝国2位なのだ、そしてバハラの 力の根元は船舶輸送とありとあらゆる商品が集まり、その売買に依って成り立つ。


特に影響が大きいのは南方諸島との取引だろうな。


実際250年前は、帝国の経済にかなりの影響が出たし

南方諸島では帝国よりも更に影響を受けている。


不況の嵐が吹き荒れた南方諸島では経済が回復するまで、かなりの時間が掛かった。


それだけでは無く、人や船、特に船員の被害が大きかったし、それは南方諸島だけでなく。


勿論、帝国の人員の被害も多かった。


帝国では、250年前のあの天候の急変が多発した時に、ライフジャケットの新規開発や身元札、服にも個人の身元や個人情報が分かる物を縫い付ける等が法律として制定されたのだから。


特に帝国製のライフジャケットは、この時の教訓が大いに活かされており、更に少しづつ改良を重ねて現在の形になっているのだ。


ガジラが身に付けていたライフジャケットは、

帝国製の最新のライフジャケットで、たまたま取引のある商会から送られた物で、船に3つしか積んでなかったそうだ。


そして実際にガジラを助ける大きな要因となった訳だしな、コイツにそれを着せたベテランの船員達の判断は正しかったって訳だ。


ガジラは若く体力も合った、それも要因だし。


海に投げ出される前にきつめの酒を飲み身体を温めたのも良かった。


様々な原因、要因が重なった結果だが、

1番はやはり運、何だよなぁ‥‥


運が悪い奴は何をしても助からない、

暴論でも何でも無く 運が悪い奴は、えっ?何でそんな事で? 嘘だろ?って事で死んでしまうからな。


そう考えれば俺も運は良く無いのかも知れない


まぁ‥‥

前世での死因が分からんから何とも言えないがな。








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