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異世界灯台守の日々 (連載版)  作者: くりゅ~ぐ
第1章 ある灯台守の日々

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第40話 宮廷道化師

カモメが鳴いている


嵐の夜は終わり変わらぬ風景が戻って来ている




まぁ正確に言えば完全に戻って来て無いが仕方無い


船を出しての捜索は今日からだからだ、

魚では無く 人を探しに海へと漁師達は繰り出している。


波は穏やかだ、浜には人が少なく 岩場の方へ人を割いて捜索しており。


今日は見つかるかも知れない。



「サリバン卿」


「どうされました隊長殿」


俺は、いや 俺達灯台の人員と軍人、官吏は

灯台から浜や岩場を見ている。


軍人は小物君と数人が俺と居るが、緊張しているのが分かる、少々薬が効きすぎたかな?


まぁ良いだろう やり易くなったのだから問題無い、


「海軍からも今日は人が来ると思いますが、自分が対応すれば宜しいでしょうか? それともサリバン卿が対応なされますか?」


あー まぁ対応と言うより話し合いの主導権をどっちが取るかと言う事か、


小物君は俺に気を使っているのか、まぁこの辺りはハッキリさせとかないと、混乱するからな。


「そうですね、現地責任者、この場合は私になりますが、私が対応するべきですね、如何ですか?」


「分かりました 自分は余計な口を挟まない様に致します」


ん、素直だな、まぁ小物君が対応するとなると、今度は陸海軍の主導権争いになるから 俺が対応する方が無難だな。


1つ間違うと官吏と軍人の主導権争いにもなるから

最初に決めて、まぁ確認しておくのは大事だ。


さて… 海軍側はどんな奴が来るかな?

まともとは言わんから、普通の奴が来てくれよ


もう小物君だけでお腹いっぱいだからな、

と言うよりは小物君のキャラが濃すぎてこれ以上の逸材は中々お目にかかれ無いと思う。


「守長 あれは海軍の船じゃないか」


あー 本当だ、しかし良くアレが見えたな、

ジョージのじい様は本当目が良い。


「じい様 あれは海軍灯台からの船だよな?」


「そう‥‥ じゃな、船の横の‥‥ 船体側面に、描いてある」


マジですげえな、俺も結構 目は良いが

流石にそこまで見えない。


「さて、ケレイブ・カーン 海軍灯台が先に来たが、バハラからも追加の官吏と南方諸島の共同組合から人が来る、間違い無いな」


「はい、昨晩 山頂灯台に中継して貰い、バハラと連絡を取り再確認しました、間違いありません」


大灯台とバハラ行政府との間でも、速やかに連絡を取る為の暗刻連絡器がある、ハルータから山頂灯台、そして大灯台、そこから行政府とリレー方式で連絡を取る事が出来る。


ただ一つだけ問題がある、行政府の暗刻連絡器は、

普段は使えないのだ、使えるのは非常時だけである

理由は予算だ、まぁ火を入れ 光源を灯す為の薪代もタダでは無いから分からないでもない。


とは言え、行政府の暗刻連絡器はそこまで大きな物では無いし、確かにそれなりの予算はいるだろうが、そんな目くじら立てる程の額かと言いたい。


俺がバハラに居た時も何度も進言したが結局は

非常時のみ行政府の暗刻連絡器に火を入れ灯し、

普段は使用出来ないままである。


まぁ今は非常時で使用可能となっているから

コイツは 昨日の晩に連絡、確認をしているので間違いない、そして、バハラにある南方諸島の公使館もかなり混乱してるようだ。


まぁ あの嵐に巻き込まれた船の多くが南方諸島の船だろうからな、ついでに言うと港での接触事故等が多発した為、その対応にも追われている様だ。


「エピリ語を話せる奴が来るなら、

俺の通訳者としての仕事もお役目御免だな、

まぁ奴は身体は多少衰弱しているが船に乗り、バハラ迄 行く位なら大丈夫だろうから

あんまり関係無いが‥‥

救助者が追加で来ても、お前達は南方諸島の共通語を話せる、まぁどれだけ救助出来るかと言う問題はあるがな」


「出来れば1人でも多く助かって欲しいですが・・・ こればかりは 運しだいですから」


「まぁそうだな、こちらには来て無いが、

バハラ側には来てる可能性が大きいから、そちらに期待しよう、まぁバハラから連絡要員が来たら分かるだろう」


だがあの嵐では余り期待出来ないだろうな‥‥



来たのはやはり海軍灯台からの船だった、

特に問題も目新しい情報なども無く対面はつつがなく終わった。


ただ、海軍の軍人が小物君を意味ありげな視線で見てたのが少し印象的であった。


小物君に知り合いかと聞いたら、初対面らしいが、

これは小物君の武勇伝(・・・)が広く知られているのか、それとも芸人(・・)として名を馳せてるのか、もしかして両方なのか、悩ましい所である。


しかし海軍灯台では 救助者だけでなく、遺体も発見されて無いとはな・・・


じい様達が言うには流石にそれはおかしいらしい

生死は兎も角、多少は海軍灯台辺りで見付かって居るだろうと思っていた様で、


海軍灯台辺りで1人も見付かって無い等、今まで聞いた事が無いそうだ。


「守長 こりゃ バハラか、バハラより北辺りに流されるかも知れんなぁ、それかまだ沖辺りを彷徨ってるかだと思う」


クラインのじい様の言葉に他のじい様が頷く。


「あの嵐で潮目が変わったか、思いがけない所まで流されて 未だ彷徨ってると?」


「だろうなぁ‥‥ 確かアレクの奴が 子供の頃にそんな話を年寄りから聞いたと言ってた気が・・・」


アレクサンダーのじい様は灯台で留守番だ、

まぁとは言え 聞いた所で俺達にできるだけ事等、無い訳なんだが‥‥



「そう言えば250年くらい前にこの様な嵐が多発した時に、今じい様が言ってた様な事があったな、バハラの行政府で報告書を見たが バハラやバハラから北寄り、それに沖や何かでの発見が多かった様だな、ならハルータではこれ以上は見付からないかも知れないな」


「もしかしてサリバン様は行政府の歴代の報告書を全て把握されておられるのですか?」


「ああ勿論だケレイブ・カーン、俺がバハラに赴任して居た時に全て見たからな」


俺の言葉に皆が驚いている。


まぁ 報告書だけでもどんだけあるんだって話だからな、ついでに言えば報告書だけで無く、閲覧できる書類は全て目を通したし把握もしてるつもりだ。


その事を言うと更に驚いているが、まぁ俺も前世であれば驚いただろうな。


本当、今の脳ミソは量子コンピューターかって位に出来が良いからな、我ながら恐ろしい程だ。


「課長、そう言えば私も見た事があるような気がします」


「そうなのか?ジンバル?」


ん? 課長?


「はい課長、確か見たと思います とは言えうろ覚えですが‥‥」


やっぱ課長って言ったよな。


「おい、ケレイブ・カーン お前課長だったのか?」


「はい、そうですが‥‥」


お前 何キョトンとしてんだよ、てかお前が課長って初めて聞いたぞ。


下級官吏の上、コイツの年で課長ならかなり出世は早い部類だな、やはりコイツは出来る奴だったか。


「俺は今初めて聞いたぞ、お前の役職を」


「えっ‥‥ 私まさかサリバン様に伝えてませんでしたか?」


「ああ、聞いてないし、今初めて知った」


「申し訳ありません、私、てっきりお伝えした物とばかり‥‥」


いや、聞いて無いよ、んー、もしかして・・・


「俺と隊長殿との初対面の心温まる触れ合い(・・・・・・・・)に感動して伝え忘れたのか?」


「いや‥‥ そんな‥‥ 完全に私のミスです、

申し訳ありません、サリバン様」


そんな頭を下げるなよ、人間なんだついうっかり何て事もあるさ。


「隊長殿、如何されましたか? 顔色が良くありませんが‥‥ 暑さにやられましたか?主に‥‥」


小物君の頭を見つめながら 心配してあげると

何故か汗が大量に吹き出て来た。


うん、相変わらずナイスリアクションだよ君は。


本当に素晴らしい。


俺は君が大好きだ。


「だ だ 大丈夫でありますです 自分は普段から鍛えておりますのであります、御心配ありがとうございますですハイです」


もう本当コイツは、どれだけ俺を喜ばせれば気が済むんだよ、何て愉快な奴なんだ。


マジで部下に欲しいわ、もし、帝国に宮廷道化師の制度があれば、君を推薦したいよ。


まぁ宮廷道化師は主君に面白おかしく諫言しなければならないから、面白いだけでは勤まらないんだがな、本当に残念だよ。



うん、夢の事等、あまり気にならない位に素晴らしい日々だな、そう思おう。


実際何やかんやで 毎日楽しいんだ。


退屈しない日々だよ、本当、ここでの生活はな。



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