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異世界灯台守の日々 (連載版)  作者: くりゅ~ぐ
第1章 ある灯台守の日々

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第35話 木っ端官吏と常勝将軍

いつもお読み頂きありがとうございます 見てくれてる人が居ると励みになります。

バハラから来た軍人と官吏を受け入れ


先ずはガジラの診察を行う事にした


俺は通訳として同席している


俺以外にも官吏の5人と小物君と数人の軍人


そして軍医と衛生兵が居る


何かこの部屋 急に男臭さが増したな。


さっき軍人と官吏達 全員にクリーンを掛けた、

この暑さの中、夜明けから今まで馬車や馬に乗り

バハラからここまで遥々(はるばる)やって来たんだ。

皆汗臭かったし、泥や土塊で汚れて居たからだ、

全員にクリーンを一斉に掛け、一瞬で綺麗にしたが

皆が驚いていた、自画自賛だがこれ程の清浄魔法の使い手は大陸広しと言えど俺以外居ないだろうからな、身体が汚れてると疲れが増すし

やって置かねばと思いやった訳だが、何故男臭さがあるんだ? 俺のクリーンは完璧だった。


それなのに男臭い気がするのは俺の気のせいなのだろうか?


軍医の診察は俺が見た限り特に何か問題も焦りも

無さそうだ、ガジラは見た限り一応は元気だからな、少々元気が過ぎる様な気もするが……


「特に問題は無いですな、とは言え身体自体は長い時間 海に浸かってたから衰弱はしていますが、安静にしていたらその内回復します」


「先生、一応はこの部屋が救助者の部屋になっているからこの部屋を病院兼病室にする、部屋が足りなくなったら隣の部屋も病室にしてくれ、それとここの責任者を紹介する、おいジルこっちに来てくれ」


「はいよ」


ジルの奴近くで見てたからすぐ来たな、

見ててそんなに面白いか? まぁいいや。


「ジル、この軍医の先生と衛生兵がこの部屋に詰める、宜しく頼むぞ」


「分かった、先生よろしく、あたしはジルだよ」


ジルの奴気安いなぁ…… 先生は気にしてないみたいだから良いけど。


「先生、ジルはここの責任者だがその上にこの施設を統括するマーラってのが居る、更にその上に全体を指揮する俺が居る、何か問題があったらまずジルに伝えてくれ、ジルに対処出来ない事があればマーラに、それでも対処出来ないなら俺に連絡が来るようになってるから」


「分かりました、そうします」


良し、この先生はまともそうだな、

ガジラの事も医者に任せとけば大丈夫だ、

後は医療用の意志疎通の為の言語表も作っとくか、

問診に必要な簡単な分だからそんなに手間でも無いしな、ちゃっちゃと作ってしまおう。


「ジルあんま先生に気安くし過ぎるなよ、お医者様なんだからな、敬いの気持ちを忘れるなよ」


「分かってるよ守長、私そんなに礼儀知らずじゃ無いよ、大丈夫だよ」


うーん…… ジルはアホでは無いからな、

とは言え一応はたまに見に来るか。


『なぁアンタ、俺の世話は今度は男か?』


「・・・」


『なぁ、聞こえてるんだろ?』


『うるせーな、俺の耳は今日は安息日なんだよ


コイツは・・・


もう完全に元気だろ? これで衰弱してるって

もし完全に元気になったら、どんだけうるさくなる事やら…… ちっとは大人しくしとけや。


『アンタ聞こえてるじゃないか! 何が安息日だよ』


『あー エピリから来た奴に何だか婆様連中を10人程看病に付けたくなって来たなー 何でだろ? お口閉じて静かにしないと付けたくなる病かな~? 婆様連中に子守唄を歌わせたくなる病かも知れないなぁ~ お口閉じて静かにしないと俺の病気が発症するかも知れないなぁ~』


うん、効果抜群だな、ガジラの奴お口閉じて急に静かになったぞ。


それから官吏や軍人達がガジラに質問したが、俺の方をチラチラ見ながら喋って居たのが印象的だった、こっちから質問してんのに婆さん連中をお代わりで付けたりしねーよ。



腹が減ってきたな、飯の時間だがまだ官吏や軍人と話をしなければならない。


しかし小物君借りてきた猫みたいになってるな、

俺と小物君のやり取りを他人が見たら少々やり過ぎでは? と思うだろうがアレは必要な事でもあったのだ。


あそこできっちり、小物君をキャンと言わさないと

舐められる事になる、そうすると今後がやりにくくなるからだ、そして俺が舐められると、

ハルータの村民がどんな無理難題を言われるか分かったもんじゃ無いしな。


しょうもないマウントの取り合いでも、時には必要になる事もあるんだ。


立場と言うのを分からせる事はある意味必要だし、仕方無い事でもある。


俺は特級官吏だが巡察使でもある、巡察使は軍の将軍相当の階級も保持しているから、小物君よりは、

色んな意味で立場が上なんだ、事の発端は小物君が周りを良く見ず、上から目線でイキった事するからなんだがな。



とは言え俺はコイツが嫌いじゃ無い、扱いやすいし

愉快な奴だし、使い様によっては役に立つ、

ちょっとお馬鹿だがそれだけに命令には忠実に従ってくれるだろう。


「サリバン卿はエピリ語に堪能なのですね」


「エピリ語だけじゃない、南方諸島の言語()大概分かる、それから卿はいらんぞ」


俺の返事にケイレブ・カーンが困った様な顔をしている、卿はいらんと言う事か、南方諸島の言語、読み書き会話が出来るのどちらに対してだろう? 両方かな?


「分かりました、ではサリバン様と呼ばせて頂きます、しかし南方諸島も、と言う事はそれ以外の言語もですか?」


「国交のある国や、国交は無いが帝国とやり取りのある国は大概分かるな」


ケイレブ・カーンが驚いている、帝国と国交や、一応のやり取りがある国が幾つあるんだって話しだからな、俺も前世で同じ様な事を言う奴が居たら驚く。


「特級官吏になられる方は流石ですね

我々とは…… いえ、比べる事すら烏滸がましい」


そうだな俺の場合は又特別だ、ここ迄話せる奴も、

読み書き、他国の言語に精通してる奴は特級官吏にも居ないからな、多分俺の場合は転生特典ってやつなんだと思う、とは言え神に会って転生した訳では無いがな。


しかしこのケイレブ・カーンは本当にめっけもんだ

卿はいらんと言ったら、一言で理解したな、

俺がその様な物に固執して無いのを見抜いたんだろうな。


これが帝都、それも帝城ならそんな事は言わん、

あそこでは、格式は必要だからな。


本来なら今も必要なのだが、小物君のお陰でもういちいちマウントを取る必要も無くなったんだ、

あまりやり過ぎたらコイツら下級官吏が萎縮するからな、程々にしとかねばならん。


まぁ…… 小物君はナイスキャラだから

少し遊ばせて貰うがな、意趣返しでは無く、

愉快な奴だからちょっとだけ小物君と遊びたい。


「あの~ 自分は貴方様を何とお呼びすれば宜しいでしょうか?」


おいおいコイツ、貴方様って……

これはネタ振りなのか?

いや、そうだろう、ネタ振りだな、うん。


「あー そうですね、木っ端官吏で宜しいですよ

ウエリントン卿」


「えっえっえ? いや…… それはちょっと・・・」


君なら別に良いのに~ うん、コイツになら特別に許す、まぁ言わないんだろうけど。


「ならお好きに呼んで下さい、そうですね、私的には木っ端官吏でも別に良いですよ、何と言うか、

初めて言われましたので結構新鮮でしたよ」


「いえ…… そんなお戯れを・・・ で では、サリバン卿と呼ばせて頂きます」


うん、まぁそうなるよな、しかしコイツさっきから汗かきまくりだな、自分で言っといて何だが大丈夫かコイツ? 倒れたりするなよ。


「そうですか? では私は何とお呼びすれば?

ウエリントン閣下とお呼びしても宜しいですか?」


「サリバン卿・・・ 御勘弁を・・・」


何だよ、ダメなのか? てかそんな泣きそうな

ツラすんなよ、本当コイツは逸材だな。


何だろう、一緒に居れば居る程コイツの事が好きになっていくな、てか芸人としても大成しそうだ、生まれる場所を間違えたな。


「では何とお呼びすれば宜しいですか?」


「サリバン卿のお好きにお呼び下さい!」


そう来たか、ソコは木っ端軍人とお呼び下さいならフリとしては完璧だったんだがな、

とは言えコイツの立場でそんな軽口は言えないか。



「そうですか、ではお言葉に甘えて常勝将軍とお呼びしても?」


「サリバン卿・・・」


だからそんな泣きそうなツラすんなよ、

ちょっとした戯れじゃないか。


「御気に召さないようですね、なら隊長殿ではどうでしょうか?」

「はい! その様にお呼び下さい!」


おいおい、コイツ食い気味に返事しゃがったぞ、常勝将軍カッコいいのにな、まぁそんな呼び方されたら 俺なら恥ずかしさで悶えるだろうな。


さて・・・


「隊長殿、ケイレブ・カーン、それでは今後の事を話しましょうか、それにお互い持っている情報の擦り合わせをしましょう」



飯はまだ食えそうに無いな。


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