第28話 アンナお前何やった?
静寂が辺りを包んでいる
風は緩やかに頬を撫で さっきまでの暴れっぷりに疲れたかのようだ
だが静寂は後少しで破られるだろう
今は台風一過ってのが良く似合う空気と言うか
雰囲気だな。
ちょっとだけ気持ちが良いな。
これで湿気が無ければなぁ、まぁもうちょっとの辛抱か、雨が止んだだけでも良しとしょうか。
しかし静かだな、人が村長の家付近に集まっているから余計に静けさが際立つ。
いつもならこの時間はやや騒がしいからな。
おっ、ネコだ!
嵐が過ぎ去って出てきたのかな?
とは言え今日は漁に出ないから 飯にはありつけ無いんだろうなぁ・・・
まぁこの村のネコは割りと丸々とした奴も多いから、ちょっとの間 食べられ無い位なら、大丈夫と思うが……
漁を再開したら又、たっぷり魚を貰えるだろう、
ネコ達もそれまでの辛抱だな。
村長の家に近づくにつれ、少しづつ賑やかになってきた、いや喧騒と言うべきかな。
おっ天幕が設置してあるな、カレンの指示かな?
「あっ守長!スゲー 何その格好? カッコいいなー」
「本当だその服 村に去年来た時 着てたやつだ~」
この服装は子供達の評判が良いな。
「わたし 守長のおよめさ…… あっ!」
女の子が口を両手で思いっきり押さえて
何か言いかけて向こうに走り去って行ってしまった
うん、あの子…… ノーマは俺が村に赴任して来た時、
今着ている服装を見て、一目で俺を気に入って結構くっついて来てた子だ……
今はあの子は俺から距離を置いている。
まぁ理由はお察しってやつだ、
自称 村一番の美少女(当時)の仕業だ。
あわてて口押さえて走り去ってったな・・・
と言うか、何人かの女の子が ハッ! とした顔して距離を取ったが・・・
しかしアイツすげえな・・・
どんだけ恐怖を植え付けたらあんな風になるんだよ
俺まで怖くなってきたぞ・・・
まさに 恐いし怖いだな・・・
「守長 短剣だー」
うん俺は短剣じゃ無いぞ、それを言うなら
守長が短剣身に付けてるか、帯剣してるだ。
子供達が元気だ、
活気ある雰囲気に浮かれてるみたいだな、
少し年上の子供達は神妙な顔している子が多い、
6年前の救助対応に参加した子達だろうな
とは言え12.3歳位だから落ち着きもで出してきている年頃ってのもあるか。
「あれ? 守長どうしたんだ?」
次期村長のベンジャミンが アホ面さらして現れた。
うん、コイツが次期村長か……
まぁコイツの嫁もしっかりしてるからな、
傀儡2号の誕生だな。
「ああ カレ・・・ 村長に会いに来た 情報の共有と擦り合わせの為にな」
「親父と? それにしてもその格好 一年ぶりだな
一体どうしたんだ?」
「バハラや海岸灯台から官吏や軍人が来るんだ
ちゃんとした格好しておかないと 舐めてくるバカが居るからな だからだ」
このアホ、 ふ~ん 何で言ってやがる、もっと関心持てよな!
どうする? 今ここでコイツに指摘したら顔を潰す事になるが……
指摘しないとそれはそれで問題があるな。
「そんなめかし込んでドコに行くのかと思ったよ」
「・・・」
はっはっは じゃねーよ! 頼むからもう少し頭を使ってくれよな。
残念ながらコイツには、指摘と言う名の説明をしなければいけないな。
「おいベンジャミン 人は見た目で印象が決まる、
どれだけ御立派な人でも 残念ながら相手は見た目で判断するんだ つまり体裁を整えると言う事はとても大切なんだ、 ちなみに俺が舐められると ハルータの村民に対して奴等はどんな無茶をしてくるか分からんが良いのか? ヘタしなくても 荒れてる海に捜索に行けぐらいは 余裕で言いやがるが、いいのか?」
何ギョッとしてんだよ、これでもまだマイルドに言ってやったぐらいだぞ。
「で でもだな 守長は偉い官吏なんだろ?
なら大丈夫じゃないのか?」
うんそうだね、でも君みたいなおっちょこちょいは
何処にでも居るんだよ、紋章や装備品をちゃんと見ないバカタレさんが居るんだ、
そんで俺を通さず 村民に直接無茶振りしてくる様なアホタレさんが居るんだよ。
ついでに言えば官吏は面子商売なんだ、
面子を潰されたら お商売にならないのだよ。
まぁその辺は、暴力と脅しを職業にしてる奴等に良く似てるな。
ベンジャミンには分かりやすく、噛み砕くように、
コイツの頭でも理解出来るように説明してあげた。
何、顔真っ青にしてんだよ、つーかやっと分かったか 何で俺がいちいち こんなナリしてるかがよー、
こんなまだまだ クソ荒れてる海に村の皆を送り出したく何か無いからだよ、
じゃなかったら、何時ものあの格好で居るわい、
だって楽だからなあの格好。
しかしこのアホタレさんは・・・
周りを少しは見ろよな、村民の顔をよ、
あんな荒れ狂った海に何か出たく無い、ゴメンだ、
そう顔に書いてある、嵐が収まったとは言え
まだまだ海は荒れてんだ、ハルータの漁師が乗ってるよう小舟では転覆する可能性大だからな、
少し大きな船でも 万が一転覆なんかしたらシャレにならん、又 船を新造するにも金は掛かるんだ、
雀の涙ほどの保証金では割に合わんし、命は一つしか無いんだ アホの無茶振りで死にたくは無いよな、
俺なら嫌だな、勘弁して欲しいと心から思うよ。
まぁとは言え海軍の船なら来れるからな、その感覚であの荒れ狂った海に行けって言い出す可能性もある、民間の船、それも小舟じゃ自殺行為だ。
しかし・・・
さっき急いで俺から離れて行ったノーマが5人、いや、6人と一緒に建物の角から顔だけ出して俺を見ている、あっちには2人、向こうには3人、別の所から1人が同じく顔を出して俺を見ているが・・・ ん? んー?
あれおかしいな俺が把握してたのは5人だったぞ、
それなのに13人居るじゃないか!
えっ・・・ アンナの奴、何人にかましたんだよ
てか想定の倍以上居たのかよ・・・
「ねえ あの子達、海賊王が居ないのに何で離れてるの?」
「どこで見てるか分からないからでしょ?」
「えー 灯台に居るから大丈夫じゃないかな~
それにしてもやっぱ守長カッコいいよね~」
「ちょっと、口撃魔法使いに聞かれたらヤバイよ! どこで聞いてるか分かったもんじゃ無いんだからね! それともアンタ口撃食らいたいの? わたしはゴメンだよ 絶対ヤダ!」
もう本当にアイツは何をやってんだよ・・・
しかし……
何で俺はこんなにロリにモテモテなんだ?
転生して 異常な位の知力と絶大な力を持つ生活魔法と魔力を得た反動か呪いか何かか?
流石におかしいだろ・・・
昔からだぞ、何故か寄って来るんだ。
俺は大人な女が好きなんだ、ロリはいらん。
ベンジャミンの奴め、まだ呆けてやがる、
村長そっくりだよ……
カレンに似たら良かったのに。
てか直近で対応があったのは6年前だったよな?そん時はどうしてたんだ?、確か対応3だったか?
まぁカレンが何とかしたんだろうな。
多分8年前もカレンがどうにかしたとかだろ、
「おいベンジャミン、カレンと村長は家に居るんだろ」
「ああ 二人共居る」
ならコイツはほっといてさっさと行くか。
「はぁ~ やっぱイイよー 流石 帝都育ちだ~
カッコいいなぁ」
「ちょっと、だから口撃魔法使いに聞かれたらどうすんのよ ダメだよ本当にヤバイんだからね」
「大丈夫だよ」
「もう、知らないよわたし」
コイツら…… 全部聞こえてるんだけどな……
こんなんだから俺は幼女趣味って一部の人間に言われるんだ、勘弁してくれよな・・・
はぁー……
アマンダみたいな大人の良い女に言われるんなら
良かったのにな、現実は厳しいよ。
「フェッ フェッ フェッ守長良い男っ振りだねえ~ 私があと十も若かったらねぇ」
「・・・」
だからと行って80越えたばあ様もちょっと・・・
流石に大人の女過ぎだろ、
熟女どころか超熟じゃ無いか、
やっぱ俺、呪われてんのか?・・・
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