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異世界灯台守の日々 (連載版)  作者: くりゅ~ぐ
第3章 来訪者達
196/214

第196話 餅投げ 前編

あけましておめでとうございます。


今日は天気が良い。風が少し肌寒いが、お日様の暖かさでほんのり顔が温かい。


魚市場まで馬車を使わず歩きにしたが正解だな。

歩きながら散歩がてら色々見て進んでいるが、これはこれで楽しい。

目的地まで時間を気にせずゆっくりと歩む。う~ん最高の贅沢だね。


歩きだとじっくりと色々見ながら行けるし、これはこれで楽しい。ん? あれは新築の建物か?

こっちの世界では餅投げみたいな事はしないんだよなぁ。俺は新築祝いの餅投げが大好きだった。

懐かしい思い出だ、もう一度してみたいもんだよ。


そう言えば……。



~~~~~~~~


『えっ、餅投げ?』


『そうそう、今日は上棟式があってそこで餅投げするんだよ。だから少し早めに鍛練を切り上げたんだ』


『へぇ~ 上棟式で餅投げなぁ、餅まきって言う地域もあるんだっけ? 地域によって言い方が違うんだよな? 上棟式なぁ。ネットで見た事はあるけど、実際にやるのを見た事無いんだよね。良いなぁ~ あっしも行ってみたい』


『ん? 来たら良いじゃないか』


『でもあれって招待されてないと行けないんだろ?』


『いや、そんな事は無いぞ。この辺りは招待とかそんなの関係無く行っても良いけど。てか道場に通ってる子らの中には、この辺の家じゃ無い子とかも居るけど、普通に参加してるぞ』


『マジ? ネットでは招待されてないと参加出来ないって書いてあったけど?』


『地域によるんじゃないか? この辺りはそんな事無いぞ』


ネット情報を鵜呑みにしたらダメって典型例だな。

この辺りの新築祝いの餅投げは、誰でも参加出来る緩いもんだ。だからこの辺の家の子じゃ無い道場の子達も普通に参加出来るし、皆楽しみにしている。

とは言え餅投げがしょっちゅうある訳では無いから、時折ある突発イベントみたいなもんだが。


『天音ねーちゃん大丈夫だよ。私達もこの辺に住んでいないけど、前も参加したよ』


『そうだよ~ 私も前にあった時と、その前もその前も参加したんだよー。お餅ね、お餅をね、それとね、お菓子とかお金とかい~っぱい、持って帰ったんだよ。それとね、それとね、甘酒とか出してくれるお家とかもあってね、それでね、甘酒とか飲めたりするんだよ』


この辺の上棟式、と言っても皆は上棟式とは言わず、餅投げとか、新築祝いの餅投げと言っているが、甘酒を出してくれるトコも多い。

それに加えて、樽酒を開けて振る舞ってくれる家も多い。


あの樽酒の鏡開きは見ててとても楽しい。

何故か分からないが、樽酒を木槌で開ける瞬間は、とても幸せな気分になる。それが自分でやらず、人がやってるのを見てるだけだとしてもだ。


『ならあっしも行っちゃおうかな。で? 何時からあんの?』


『昼の三時からだな』


『いやいやいや、今、十二時時半過ぎだぞ、お昼ご飯はどうするんだ? 家が近い子なら家に帰って食べて、又来たら良いんだろうけど、家が遠い子はどうするんだ? それにシャワーを浴びたら時間が無いし、間に合わないんじゃ?』


『そりゃ家が遠い子達は、弁当持って来てるに決まってんだろ』


『えっ、そうなん? どうしよ、あっしお弁当とか持って来て無いんだけど』


『お前なんで用意して来なかったんだ? 前から分かってたのに。あーそうか、お前は餅投げが決まったあの日って体調が悪くて休んでたんだな。そっか、だから今日餅投げがあるの分かって無かったんだ』


そう言えばそうだった、コイツはあの日休んでたな。そんで子供達が、道場で餅投げの話題を話してても分からなかったし、気にしなかったんだな。

分かってたら参加出来るかいちいち聞かないか。


『コンビニ弁当かぁ、何か今日は嫌だなぁ。でも仕方ないか』


『コンビニに行くなら飯屋も近くにあるから、そこで食って来たら良いだろ?』


『嫌だよ一人で食べるの』


『お前は寂しがり屋のエセリア充かよ?』


飯くらいたまには一人で食っても良いだろうに。

そして天音君、何故キミはすがる様な目で俺を見るのかな? まさかコンビニまでエスコートしろとでも言うつもりかな?


『なぁ、コンビニに一緒に行かないか?』


『行く訳ねーだろ、昼飯は家にあるんだぞ。それにコンビニに行く理由も無いのに、飯食うのを遅らせてまで行く訳が無い。冗談は顔だけにしろ』


『はぁ~? お前こそ冗談は顔だけにしろ。レディに向かって何て事を言うんだよ。あっしは結構可愛いって言われるんだぞ』


『フッ……』


自分で言ってたら世話無いよ。

冗談はおっぱいだけにしとけ。詰め物の偽乳めが、何で俺が一緒に行かないといけない? 言うと思ったが、本当に言いやがるとは。


『鼻で笑うな』


『笑えない冗談だったからな、つい。てか行かねーよ、冗談はその偽乳だけにしとけや、この詰め物上げ底女が!』


『お前ふざけんな、あっしのは本物だよ。養殖じゃ無く天然だからな。嘘だと思うなら触ってみろよ。おい逃げんなコラ』


『キャー 助けて~ 変態黒ギャル女子高生にセクハラされる~』


『ちょっ、おまっ。誰がセクハラしてるだ? お前にだけは言われたく無い』


『キャ~ 天音さんのエッチ! 無理矢理その偽乳を触らせようとしてくる~。お婿さんに行けなくなる様な事をしてくる~。 みんな逃げろ~! エロがうつるぞ。おい女子組、早く離れないと嫁に行けない身体にされるぞ~。黒ギャルがうつる~』


俺のその言葉が合図となり、女のガキんちょ達が奇声を発して逃げ出し始めた。

何故か男のガキんちょ達も、釣られたかの様に逃げ始め、道場がカオスと化したが俺のせいでは無いと思いたい。


さっ、この混乱に乗じてこの場を抜け出そう。

昼飯はハッシュドビーフだったな、あー楽しみだ。俺、あれ大好物なんだよね。


出口からチラッと道場を見ると、黒ギャルとガキんちょ達が追いかけっこしてる。中々どうして、みなとても楽しそうだ。

黒ギャル事、天音は割と真剣な目をして追いかけているが、ガキんちょ達は楽しそうだ。

仲良き事は良き事哉だっけ? 皆が楽しそうで何よりだよ。


まぁ良いや、飯食う前にシャワー浴びなきゃ。

道場のシャワーは色々と危険だから、今日は家のシャワーにしておこう。


『コラお前達待て!』


『天音ねーちゃん来ないで~』


『キャー! エロがうつっちゃう~』


『お嫁さんに行けなくなる~』


うーん、君達本当に楽しそうだね。まぁこれで俺が消えた事も分かるまい。チョロい奴で助かったよ。

しかし女子中学生もあの輪に参加してるが、キミとても楽しそうだね。早くシャワー浴びて昼飯を済ませないと時間が無くなっちゃうよ。

まぁ良いや、行こ行こ。ハッシュドビーフ~っと。


~~~


あー美味かった。やっぱハッシュドビーフは良いね~、三回もおかわりしちゃったよ。


弁当持参の子供達は殆んど皆、弁当を食い終わったみたいだ。

家が近い子供達の中でも、私服に着替えてもう道場に来てる奴もいるな。多分だが、楽しみ過ぎてさっさと飯を食って来たんだろうな。


チラっと道場横の休憩室兼、弁当を食べる場所に黒い物体が見えた。うん、黒ギャル天音だね。

近くにはガキんちょが二人居て、奴と一緒に弁当らしき物を食っている。あれはぬくぬく弁当か?

コンビニより少し遠い場所にあるはずだが、わざわざ買いに行ったんだな。

と言うかぬくぬく弁当に行くのなら、もう三分程歩けば個人経営の弁当屋があるのにな。うん、いまいち土地勘が無いから分からなかったか。

あそこの弁当は安くてボリュームがあり、しかも美味いのに。まぁぬくぬく弁当も結構美味しいけど。


三人共にぬくぬく弁当って事は、一緒に買いに行ったんだな? あー、それでアイツらまだ飯食ってんだ? 買いに行くのに時間が掛かったんだろうな。

今十三時半過ぎか、まぁこれなら餅投げには十分間に合うな。良かったね天音君、あんなに追いかけっこしてて無駄に時間食ってたのに、余程急いでシャワーとか買い物を済ませたんだね。

冬場で寒いのに、急いでシャワー浴びたら寒かったんじゃないかな? 湯冷めしていないかな?


『おい、何あっし達を見てる? ヘラヘラ笑いながら見て来やがって、あっし達は見世物じゃねーぞ』


あらあら、荒ぶってらっしゃる。

ダメだよ天音君。心は常に穏やかに、そして冷静さは無くしてはならないって、道場で口が酸っぱくなる位に言われてるよね? チミは我が流派の教えを忘れちゃったのかな?


『チッ……。腹立つ笑い方だな』


『プークスクス……』


『コイツ……。お前やってくれたな? お陰で無駄に時間食ったよ。しかも何時の間にか消えやがって』


『周囲を常に意識し、気配を探れって道場で教えられてるだろ? 分からなかったお前が悪い。自分の未熟を人のせいにするな、この未熟者が! 修行が足りぬわ。出直して参れ、一から修行をやり直せ』


『コイツ腹立つ。コイツ……』


あー気分が良い。しかしコイツは本当に未熟者だな。挑発は戦いの基本。それも道場で教えられてるはずだが、忘れているらしい。


『お前それチキン南蛮スペシャルか? 美味そうだな、チキン南蛮を一切れかエビフライ寄越せよ』


『お前ふざけんな、いきなり何を言ってんだ? てかエビフライを寄越せって何様だ?』


『俺様か? 俺様は追い剥ぎだ』


『意味が分からん、やる訳無いし。ジャマだからあっち行け、シッシッ』


『チッ、冗談の分からん奴だな。まぁ良いだろう。俺はハッシュドビーフをたらふく食って、腹いっぱいだから今日のところは勘弁してやろうではないかね。餅投げまでに腹を落ち着かせなければならぬ、ではさらばじゃ』


『マジで意味が分からん。気が済んだらもうあっち行け、ご飯の邪魔。後で相手してやるから』


おいおい、その言い方なら俺が相手して欲しいみたいじゃないかね。俺は飯食ってヒマだからちょっと様子を見に来ただけなのに。

ぼかぁ心外だなぁ。さぁどうしてくれようか。


『おい、その顔は何か良からぬ事を考えてるだろ? お前なぁ、表情を出して相手に心情を悟られるなって、師匠達が何時も言ってるだろ? 人に言っといてお前はそれか? この未熟者めが、修行を一からやり直せ』


『・・・』


コイツ……。さっきの仕返しか? そうなのか?

だがあえて顔に出し、相手を惑わすってのもあるんだが? 我が流派ではそれも教えてるよな。


とは言えそれを言ってもコイツには口で勝てない。

くっそー、もし生まれ変わったら、次は誰にも負けないトークの力が欲しいな。ディベート最強の力が欲しいよ。


この黒ギャルには口では決して勝てないからな。

コイツには最終的には言い負かされてしまう。うん、口でこの黒ギャルにすら圧倒出来るだけのトークの力が欲しいな。


『ホラ、あっちに行った、シッシッシッ』


このガキ……、一度ならず二度までも……。

何がシッシッだ? 俺は野良犬じゃ無いんだぞ。

大人としてこの黒ギャルに目に物見せてやる。


『うっせーな、あっちに行ったら良いんだろ? まぁ良いや、ちょうど今、う●こしたいと思ってたし、う●こしてこよーっと』


『お前食事中だぞ! 品が無さすぎ! 食事中に嫌な事を言うなよ』


『ブリブリ~っと』


『お前最低だな。小学生かよ?』


見たか、必殺う●こ攻撃を。

小学生だって? 男は幾つになっても童心を忘れない生き物なんだよ。


『銀河兄ちゃん、ご飯食べてる時にそんな事言ったらダメなんだよ』


『そーだよ、そんな事言うと女子に、女子みんなに嫌われるんだよ。それにご飯の時に下品な事を言うのはダメなんだよ』


『・・・』


こら、ロリ達よマジトーンで言うんじゃありません。お前達みたいな小学生女子、それも低学年と中学年の奴にマジトーンで言われると意外と効くんだからな。

コイツらこの黒ギャルと三人で飯食ってるからって結託しやがって。


『あー、また銀河兄ちゃん天音ちゃんに何かしたの~? 本当仲良いよね』


『おい女子中学生、何時の間にあらわれた。そして変な事を言うな』


コイツもか、コイツも早飯か? こんなに早く来るなんて、どんだけ楽しみにしてるんだ?

しかもそんな動きやすそうな服装で。お前も気合い入れすぎだろ。


『何を言ってんだよ。お前なぁ食事中に下品な事を言っといて、どの口が言ってるんだ?』


ちょっとした軽口ですが何か?

いかんなぁ、今この場では女子比率が高すぎる。男のガキ共は殆んどが外かよ、何でこのくそ寒いのに庭で遊ぶんだろう? 中に入っとけよな。


『なになに? 何があったの?』


『ああ、コイツがな・・・・・・・・・・・・』


いちいち話すなよな、お前はさっき食事中にそんな話をするなと言っておいて、自分は話すのかよ?

ホラ見ろ、この女子中学生め、俺を何て目で見て来るんだよ? 俺の事を蛇渇の如く見て来やがって。ジト目とは正にコイツのこの目つきの事を言うんだろうな。


『うわ~……。銀河兄ちゃん最低~。小学生の頃居たよね、そう言う事を言う男子』


『・・・』


お前それ、遠回しに俺が小学生男子かって言ってるのか? そうなんだろうなぁ……。

女は一人でも厄介だが、女子が集団になったら更に厄介だな。コイツら女は集団となれば異様に力を発揮する。うん、こりゃ形勢不利ですな。


『もう、ダメだよ銀河兄ちゃん。まぁそれは何時もの事だからいいとして。それにしても餅投げ楽しみだね、久々だよね? しかもお金持ちで有名な神威さんの所でやるんだもん。聞いた話じゃ今日はみんなが拾いきれない位に用意したんだって』


神威さんはあの神威一族の人だからな、コイツの言ってる話も嘘や大袈裟では無く、本当の話だろう。

それこそ持ち帰りきれない位に用意してるんだろうな。うん、神威グループの者としてショボい上棟式にはしないだろう。


『これリーナお姉ちゃんが居たら、大喜びだっただろうね。餅投げ大好きだったもんねリーナお姉ちゃん。ねえ銀河兄ちゃん、リーナお姉ちゃんは元気にしてるの? 連絡取ってるでしょ?』


『・・・』


おい、女子中学生。お前はいらん事を言うな。

何で餅投げからリーナの話に繋がる? いやまぁ、確かにリーナは餅投げが大好きだったぞ、でも餅投げは皆が大好きなイベントだろうが。むしろ嫌いな奴何て居るのか?


『あー…… (いと)しのリーナちゃんか? で、どうなん? お前の愛しのリーナちゃんはお元気なの? ねえねえ銀河お兄様、教えてよ~』


おい黒ギャル、愛しのリーナちゃん言うな。

別れてもう七年も経ってるし、リーナは今フランスに帰ってて日本に居ないんだぞ。


このメスガキ共が、人の元カノを話題に出すなよ。

女って何で人の恋愛系の話が好きなんだ? もう終わった事だぞ、別にどうでも良いだろ。


『ねえねえ、リーナって人って夏に道場に泊まってた人~? そうだよね? あの綺麗なおねーさんだよね?』


女子小学生その1、興味津々ってお顔で聞くんじゃない。まずい…… この流れは話のネタになりそうな流れだぞ。


『そうだよ、夏に銀河兄ちゃんの家に泊まりに来た人だよ。リーナお姉ちゃんは昔、この道場に通ってた人で、門下生だったんだよ。でも七年前にフランスに帰っちゃったんだよね。今も綺麗だったけど、昔から可愛くて美人さんでね、優しくて私の憧れのお姉さんだったんだ』


チッ……。そう言えばこの女子中学生は、リーナにべったりだったな。いっつもくっついてやがったっけ?

おい、ロリ共、なれそめを聞きたいですって思ってるだろ? 顔に出てるぞ。


『で? 愛しのリーナちゃんは元カノだっけ? どうやって知り合ったんですか? お付き合いするきっかけは何なんでしょうか? 国民の皆様は知りたがっていますよ。国民には知る権利があります。お答え下さるんですよね?』


『こら黒ギャル、お前は出来の悪い、何様なのって態度のクソマスゴミかよ? 何でリーナとの事を言わなきゃならない? ふざけんな。おい、箸をマイク代わりにするな、お行儀が悪いぞ』


『えー、わたし聞きたーい』


『私も私も! 私も聞きたい。ねえねえ、あのおねーさんとどーやって付き合ったの? 銀河兄ちゃんから告白したの? 何で別れたの? ねえねえ』


『あー、うっせーな、別にどうだって良いだろ。おいコラ、お前達までお箸をマイクにするな、お行儀が悪いぞ。お前のせいだぞ黒ギャル、お前がやるから小学生が真似するんだろ』


ダメだ、やっぱこうなった。ヤバイ、このままでは他の所に居る奴も集まって来て、何で何で攻撃が始まるかも知れない。どうする? このままでは……。


『あっ! 銀河兄ちゃんが逃げた』


『ちょっ、お前縮地まで使って逃げるか? お前待て、吐けよ、その件は国民の知る権利だぞ』


アホか、何が国民の知る権利だ? お前達が知りたいだけだろ? それを権利と言うなら、俺は黙秘権を行使するまでの事。

それとこれは逃げるのでは無い。これは転進と言うのだよ。そう、目的を達成したから転進したまでの事、ただそれだけの事。


しかしリーナか……。

リーナとは小四の二学期が始まった時に、親の仕事の都合であいつがフランスから日本に来てそれで知り合った。

そしてうちの道場にも通う様になり、色々あって小五の冬に付き合う事になり、中二の夏、リーナの親の仕事の都合でフランスに帰る事になり、泣く泣く別れ今に至る。


嫌いで別れた訳では無かったから、今でも普通に連絡を取り合ってるし、リーナも我が家に泊まりに来たりもしてるが……。終わった事なんだよなぁ、ガキの頃の微笑ましい恋愛で、今はもう思い出の中の出来事でしかない。

ましてやリーナはフランスに住んでて、俺は日本。うん、距離が遠すぎてってのもあるが、今更ってのもある。


連絡自体は簡単に、そして金も掛からず取る事が出来る。正にネット文明万歳だ、科学文明の発達が距離を無くしてはいる。だけど側に居ないと心はやはり離れて行くし、相手の温もりを感じられないと、心で繋がろうとやはり難しい物がある。仕方ないよな、距離が二人を隔ててる以上、想いは薄れるし、その想いを維持し続けるのは出来ないとは言わないが難しい。


それがどれだけ想った相手であろうと、距離が二人を、二人の想いや愛しさを何時か思い出に変えてしまう。悲しい事だがそれが現実だ。

まぁ、人なんてそんなもんだよな。離れ離れになっても何十年も想い、愛する気持ちが持てないのも良くある事だし、普通は薄れてくもんだよ。

むしろそんな状況で、愛し続ける事が出来るって、どんだけだよって話だ。よっぽどだぞ、何があればそうなるんだ? まぁ良いや、餅投げが始まるまで奴等に見つからない様に高飛びしておこう。


8時と17時にも投稿します。


それと、色々他に書いた作品を本日投稿していますので良かったら読んであげて下さい。


17時に短編二本と長編二本投稿予定です。

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― 新着の感想 ―
[一言] 新年おめでとうございます 今年もよろしくお願いします 新年早々イチャコラとか主人公には酷い目に遭ってもらいたい(願望
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