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異世界灯台守の日々 (連載版)  作者: くりゅ~ぐ
第1章 ある灯台守の日々
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第19話 驢馬の背に乗った雀


歓声が響いている


別名 黄色い声とも言う


まぁこれは姦しいかな?


「どうしたのさ守長そんな格好して、中々良いじゃないのさ」


「そうだろうマーラ、結構似合ってるだろ」


俺の問いにマーラや他の女衆も頷いている。


「何て言うかしゅっとしてるね、しゅっと、

守長が村に来た時みたいだよ、

良い男っ振りだよ1年ぶりに見たが良いね~」


マーラは大絶賛だ、他の女衆の評判も良い。


これなら軍人も官吏も侮ったりはしないはずだ。


巡察使の紋章

別名 バッチも左胸にその存在感を示している。

うん本当にダサい、

マントとバッチでダブルでダサい。


何か早口言葉みたいだ。


マント自体は良いんだ、結構格好いいと思う。

あれ(・・)が刺繍されてなければ完璧だ。


モリソン弟はまだ帰って来て無い。


多分だが人を引き連れて来てる気がする、

おそらくカレンの助言で村長は人を送る事を決めたと思う。


でなければモリソン弟はとっくに帰って来てるはずだ。


送り込まれる人員と一緒に来て、

ある程度の説明をしたほうが効率が良いと判断したんじゃ無いかと思う。


モリソン兄弟は一応しっかりしてるし、

その程度の気遣いが充分以上に出来る奴らだからな。


まぁ帰って来てから確認しよう。


さて、俺もやる事やらねば。



灯台内、そして灯台外の建物や横の建物の中にクリーンを掛けていく。


ここはいざと言う時の避難場所にもなっている、

その為灯台の建物以外に人を収容する為の場所がある。


その建物から灯台内に入るには

幾つもの扉を通らなければならないし、

場所によっては迷路のようになっており

更に扉の上には鉄格子が有り

いざとなったらその鉄格子が落ちてきて

出入り口を塞げる様にもなっている。


まぁ一旦外に出て大回りになるが外からいけるんだが。



一応は、避難所兼防衛拠点になっているが

敵国からの攻撃も海賊からの襲撃も無いから

今じゃ遭難者の救護拠点になってしまっている。


とは言えこの灯台も重要拠点ではあるから

遭難者に扮した工作員が入り込まないとは限ら無い、だから複雑な作りにしてるようだ。


とは言えなぁ、今更ここを破壊する意味あるか?

帝国は長い事戦って無いし、

大体周りは同盟国や友好国ばっかりなんだぞ、

寧ろ船の航行の安全にかなり役に立ってるんだ、

そんな事したらそれこそ帝国より周りの国が

ぶちギレるぞ、しかも今みたいな事が起きれば

救護拠点になってんだし。


南方諸島の国々なんかは特にぶちギレんだろうな。


うん綺麗になった、流石に俺のクリーンだ、

新品同様に綺麗になってる。


ついでにこっちの部屋もやっとくか、

何か興が乗ってきたな。


うん、綺麗だ

これなら先帝陛下がもし御行幸有らせられても

誰も文句言え無いぐらいの出来だ、

まぁ陛下はお隠れになられたから虚しい妄想だがな


そういや先帝陛下、バハラに行きたいって、良く言ってたなぁ‥‥

魚も旨いし色んな酒や食いもんがあって みんな旨い、絶品だって話をしたら行きたい行きたいって良く俺に言って‥‥

いや、愚痴を(こぼ)されたもんだ、

まぁ距離もあるし長期間帝都を離れるのも流石に無理だし、


皇帝って言っても何でも願いが叶う訳じゃ無い、

寧ろ皇帝って立場は不自由が付きまとう、

『そちはええのう』って陛下には言われたもんだ。


次生まれ変わったら船を保有する商人の家に生まれて大海原を駆けたいって、言われてたな‥‥



陛下は俺みたいに転生されたんだろうか?

もし願いが叶い商船持ちの商家に生まれ変わったら

きっと今頃は大海原を駆けてらっしゃるだろうな。


それか海賊になっておられるかもしれん。

もしそうなら今頃大海賊って呼ばれてるだろう。



うーん、しかし綺麗だ。

やり過ぎた感もあるが綺麗なら問題無い、

これは暫く掃除もいらんな、そんぐらい綺麗だ。


ん? ちょっと待て、ん? ん? んー?


掃除‥‥ 掃除…… 綺麗 掃除・・・


「あっ!」


俺は何をやってるんだ!

アホか、バカか、間抜けかよ!


何が興が乗っただよ、駄目だろー


ちょっ、祭りの時の大掃除!


皆楽しみにしてんだぞ


やっべー やっちゃったよ どうしよう


落ち着け、落ち着け俺。


大丈夫だ、外壁をやった訳じゃないんだ、

中をやっただけだ、それに必要な部屋‥‥

そうだ必要な部屋にちょっぴり追加でやっただけなんだ、そうだ予備の予備にしよう。


後は村民の休憩所兼、総予備部屋だ。

うんそうだそうしよう、子供部屋の予備でも良いな、大丈夫だ落ち着け。


じい様達も部屋の清掃には納得してた、

まぁ仕方ないとか、こんな状況だからって。


うん、予備の予備を念の為に作っただけだ。


しかし危なかった、危うく全部屋にクリーンを掛けてしまう所だった。


深夜のテンションと言うのは恐ろしい、

何を考えてたんだ、いや‥‥ 何も考えて無かったわ。



しかし大掃除か‥‥


俺も最初聞いた時何で祭りに大掃除を組み込んでいるんだって思ったが、何の事はない。

ここはいざと言う時の避難場所になっている。


ならいざここに避難した時内部が全く分かりません、何処に何があってどの場所に行けば良いのか分かりません。


それでは意味が無い。


なら最低でも年一回大掃除がてら中に入り、

建物内部の大まかな配置の把握に勤めれば良い、

そう考えたみたいだ。


まぁ全くこの中の事が分からんよりはマシと言う程度の事だが。


それ以外でも当番の人間が月1位の清掃の時に

子供を連れて来る、その時に内部の配置等を掃除がてら子供等に大人達が教えたりもしてる。


それが何時のまにか楽しい大掃除祭りになったらしいけど正直最初はそれ楽しいのか?


そう思っていた、だが皆でワイワイ言いながら

大はしゃぎしながらの掃除は意外と楽しい。


そうやって子供達に内部的の事を教えつつ、

祭りも楽しめると言うのは効率的だ。


何と言うか前世の年末の大掃除を思い出す。

年末独特の雰囲気で何とも言えないワクワク感があるんだよなぁ。


まぁ大掃除は祭りの前夜祭みたいなもんか。


マーラにもう1つ伝えておかないと。






おっいたいた、まだマーラ達だけか、仕方ないな。


「マーラちょっといいか?」


「どうしたのさ守長?」



うん、マーラの指揮官っぷりは結構さまになってるな。


「マーラ、次に送られてくる人員、まぁ女衆だが小さい子供が居るのもこっちに来るよな?」


「何を当たり前の事を、そりゃあ居るさ」


マーラが不思議そうにしてる。


「なら子供達はどうしてる?

手伝える位の歳ならいいが手伝え無い歳の子、 それこそ乳飲み子何かはどうしてる?」


「そりゃ近くの婆さん達が見てると思うよ」


あー そのパターンか、まぁ1つのやり方だな。


「なら飯とかも婆さん連中が作って食わして

面倒まで見てるって事だよな?」


「まぁそうなるねぇ」


やっぱりか‥‥

効率悪いし婆さん連中の負担も大きいな、

どうせ1人で何人もの子供達の面倒見てんだろ、

もしくは二人とかで、うん、効率悪いし子供は目の届く場所に居たほうが安心出来る。


その事をマーラに伝えると

「まぁ確かに」と言っている。


「なら子供達はここで纏めよう」

マーラ、子供達の面倒見る部門を作ってくれ、

子供は学校に通い始めて1年目の子達までを対象に

その子達を纏めて面倒見よう」


「まぁそりゃあ別にいいけど

学校に通い始めてる子らは

手伝いに回した方が良くないかい?」


まぁそうだな、この世界では学校に通い出してるかどうかが1つの目安だ、学校に通い始めてる子は幼子では無く子供と皆が認識する。

未就学児は手伝いは免除、遊んでても皆何も言わない。


「俺は寧ろ今年学校に通い始めの子供は入れるべきだと思う、学校に通い始めたら幼子から一歩大人に近づくと子供も含め思ってるだろ?

マーラも学校に通い始めたらお姉さんになったって思ったはずだ違うかな?」


「まぁそうだね、アタシも学校に行き出したらお姉さんになったと思っていたねぇ」


マーラは何となーくだが分かったみたいだな。


「ならその子らが居たらお姉さんお兄さんぶって積極的に面倒見ると思うんだがどう思う?」


「あー その子らも子守りに組み込んじまおうって事かね?」


「そうだ、俺達の負担も軽減されるし何より通い始めの子達ではそこまで手伝いの力にはならんし、むしろ手を煩わされる、なら子守りの手伝いと割り切ればいいんだ」


「まぁ‥‥ そうだね分かった」


良し、これで負担も減らせれるな。


「それからマーラ 念の為(・・・)子供用の部屋も増やしといた(・・・・・・)から心配要らないからな」


「ありゃま本当気が利くね守長」


よしよし、これで全ての問題は解決した。

いやまぁ解決の方向性が違うんだが問題無い!



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