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異世界灯台守の日々 (連載版)  作者: くりゅ~ぐ
第3章 来訪者達
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第165話 狂犬かチンピラか?


「お前達どうした?」


「いや、何か守長が芋を焼くって聞いたから」


「あれ? 違うのか守長? 俺とブライアンもジゼルから芋を焼くって聞いたんだけど?」


「いや、そうだけど‥‥」


そう言えば俺、ジゼルに子供達とだけ何て一言も言わなかったな‥‥


奴は呼ぶなとは言ったが‥‥


「もしかして子供達だけしか参加出来ないとか?」


「えっマジかよ? 聞いて無いぞ」


「コラコラ、お前達ジゼルを見るんじゃ無い、特にブライアン、お前はチンピラなんだから見るな」


ほら~ ジゼルがシュンとしちゃったじゃないかよ。


二人共責めてる訳では無いが、ジゼルが責任感じちゃうじゃないか。


「ジゼル気にすんな、俺が子供だけって断言しなかったんだ、だから別にジゼルの責任では無い」


「はい‥‥ すいません‥‥」


「あーあ、お前達のせいでジゼルが悲しんだ~ い~けないんだ~ いけないんだ~ せ~んせ~に~ 言ってやろ~」


「ちょちょ、俺達のせいか?」


「守長、ブライアンが睨むからであって、俺は確認しただけだって」


「お前ふざけんな、俺は睨んで無い、ただ見ただけだ」


コイツらは‥‥


大人があの状況で何も言わず見たら、子供は萎縮するだろうが。


分かって無いなぁ‥‥


「お前達醜い争いをするな、子供だけって断言しなかった俺のせいだ、まぁお前ら二人位なら別に良い、てか他の若い衆はどうした? 来るならもう少し多いはずだろ? しかも兄が居ないのは珍しいな?」


「あー‥‥ 兄貴は昼寝してる、昼前まで網の手入れしてて何か疲れたからって言って、それと他の奴等も今日は昼寝してる奴が多いのと、仕事したり、魚醤場に行ってる奴も居たり、後はガキ共が多いと疲れるからって言ってたりだよ」


「俺も他の奴誘ったけど、同じ様な事言ってる奴が多かったな、後は芋はいらねーって言ってる奴も居たりしてたな」


なるほど昼寝か、てか子守りは勘弁って思ってる奴が多いんだろうな。


そんな事する位なら、昼寝しとく方が良いって所かな。


この時期は昼寝するのに最適な時期と言えなくも無い。


少々寒いが、反面寝やすくもある。


昼寝何かしたら夜寝れなくなりそうだが、酒かっ食らってたらその内眠くなるしな。


朝もはよから漁に出たら眠くなるのも分かるし、体力使うから身体を休めてってのも分かる。


モリソン兄は漁の後、網の手入れで神経使って、昼飯食って眠くなったんだな。


うん、実に欲望に忠実である。


「守長、俺達は参加して良いんだよな?」


「ん? ああ良いぞ、今更帰れ何て言う訳無いだろ」


芋は余分に持って来てるし、ガキ共も二十人位しか居ない。


二人には何かしらやらせれば良い。


そう言えばガキ共は正確には何人居るんだ?


「ジゼル、子供は全部で何人居る?」


「はい、二十三人です」


「その中で学校に通う前の子は何人居る?」


「六人です」


「微妙に少ないな‥‥」


「昼寝してる子が多いみたいです」


こっちもかよ‥‥


家の中は温かいし、ベッドに入ればぬくぬくだからな、飯食って眠くなってパターンか。


まぁ良い、就学前のガキんちょ達は単独で動かない様にすれば問題無い。


「おい子供達集まれ」


説明してちゃんと理解してくれれば良いが‥‥


「ジゼルとアンナに聞いたと思うが、お前達には落ち葉を集めてきて貰う、それと集めるのは競争じゃ無いからな、自分の分が終わったら他の奴や、特に小さな子達が集めるのを手伝ってやれ」


ここまでは皆分かってるな。


と言っても小さな子供達はいまいちピンと来て無いが、それは仕方ない。


「落ち葉を集める奴と、枯れ枝を集める奴、それと葉っぱをむしり取る奴に分ける、落ち葉組は別個で枯れ枝を最低十本集める様にな、てか横着カマして適当な事したら芋がちゃんと焼けないから真面目に集めろよ、それとまだ学校に通って無い子供達を絶対一人にするな」


小さな子達は常に気にして、目を光らせておかねば、とんでもない事になるからな。


「それとだ! 絶対、絶対に山に入り込むなよ! 行って良いのは麓まで、山に入るな、そして登るな、麓でも十分落ち葉は集まるし、枯れ枝も集まるからな」


普段から山には入ってるし、問題ある訳では無いと思うが念の為だ。


それに夢中になって上まで行かれると、万が一の事もあるし、それ以上に時間が掛かる事になる。


目的を忘れて山で遊びかねないと言う問題もある。


「ねえ守長、枯れ枝が無かったらどうしたら良い?」


「そん時は俺に報告しに来い、無茶苦茶手間だが薪を細かく割る、面倒だがな」


「今位って皆枯れ枝集めてるから、山の上に行かないと集めるの時間掛かるよ」


「だからそん時は俺に言いに来いって言っただろアンナ、お前マジで山に入り込むなよ、てか街道側の辺りは麓でもまだ枯れ枝あるだろ? 散歩してる時に俺は見たぞ」


「街道側に行くより、山に行った方が早く集まると思うんだけどなぁ‥‥」


「ア ン ナ♪」


「ヒッ! 行かない、行かないから細ロープは出さないで」


本当にコイツは‥‥


(むしろ)も持って来とくべきだったかな?


フリじゃ無く本当に行くなよ、山に入り込んだら絶対コイツら目的忘れて遊ぶだろうからな。


「ここまでは良いな? 何か質問ある奴は居るか?」


「あの‥‥ 葉っぱを集めるのは何でですか?」


「うん、落ち葉を燃やして灰にする、そしてそこに芋を入れて、上に枯れ枝を置いて燃やして芋を焼く訳だが、そのままだと焦げる可能性があるからな、だから灰と枯れ枝の間に葉っぱを敷いて火加減を調整するんだ、ついでに蒸し焼きになるから出来上がりがふっくらするんだよジゼル」


「分かりました、なら香りが良い葉っぱを集めた方が良いですね?」


「うん、出来ればその方が良いが、無理するなよ、出来たらで良いからな」


「はい、分かりました」


うん、ジゼルは素直だなぁ‥‥


妹と大違いだよ、ジゼルは可愛いやっちゃな本当。


後は班分けだな、落ち葉班と枯れ枝班と葉っぱ班に分けて‥‥


「守長、俺達はどうしたら良い? 子供達に付いて行って一緒に集めながら、面倒見た方が良いかな?」


「あー お前達は穴掘りと芋洗いな」


「えっ?」


「えっじゃねーよ、俺と一緒に穴掘りと芋洗いだよ、ついでにその他諸々だな」


「守長なんで穴掘りするんだ?」


「おいモリソン弟よ、穴掘っておかなきゃ風が吹いたら灰が飛び散るだろうが、それに枯れ葉も灰になる前に飛び散るぞ、だからだよ」


「あー‥‥ そうか」


今日は風が弱いが、それでも時々やや強めに吹く時があるしな。


それに穴掘ってその中でやれば始末が楽だし、火事の心配もしなくて済む。


穴掘って出た土は、穴の周りに軽く盛れば更に安全が増すし、片付けも楽だ。


「と言う訳でお前達は俺と楽しく穴掘りと、芋洗いだ」


「あー 守長、芋は洗わないで土付きの方が良いと思うんだが?」


「何だよブライアン、俺は嫌だぞ、食う時に土が混じるのは絶対嫌だ、てか焼いたら土がカチカチになるから剥くのも面倒だ、それに何か土付きは気分的に嫌なんだ」


「でも灰に入れて焼く訳だから一緒じゃないか?」


「うっせーな‥‥ 土付きは剥くのも手間だし、何か嫌なんだよ、てか灰なら清浄魔法で綺麗になるだろ」


「いや‥‥ 清浄魔法使うなら土付きでも一緒なんじゃ‥‥ いや何でも無い‥‥」


ブライアンめ、ちょっとお手てニギニギしたら

、即意見を変えやがった。


つーか土は落としてから調理する、それは絶対だ。


たまに何を思ったか、土付きのまま湯がいたりしてる奴が居るが、俺には絶対無理だ。


土付きのままじゃがいもを湯がく奴が居たが、普通に引いた。


ソイツ曰く、土の香りがして美味さがアップするらしいが多分気のせいだと思う。


人それぞれだし、本人が良しとしてるならそれを尊重するし、人がやる事にケチ付けるのはどうかと思うが、それだけはどうかと思う。


まぁ良いだろう、さっさと振り分けてしまおう。


~~~


「じゃあ頼むぞジゼル、おいお前達ちゃんとジゼルの言う事を聞けよ、もしジゼルに逆らったら、狂犬アンナがお前達にお仕置きするからな!」


「守長、私は狂犬じゃ無い!」


「ジゼルに逆らったらお前達、このチンピラアンナがお仕置きするからな」


「私チンピラじゃ無いもん!」


「うっせーな、話が進まねーだろ、お前達無理はすんなよ、じゃあ気を付けてやれよ」


「ねえ守長!」


「お前もさっさと行け、てかお前おふざけ無しだからな、真面目にやれよ」


「もう‥‥」


アンナめ、ちょっとした冗談‥‥


本当の事を言った位でプリプリ怒りやがって‥‥


まぁ良い、これで静かになった。


さて‥‥ ちょっと面倒ではあるが仕方ない。


穴掘りと芋洗いをしなければならない。


「おいお前達、穴掘りと芋洗いとどっちが良い?」


嫌な事はさっさと済ませてしまおう。


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