第138話 酷い絵面と汚れた心
「ねえ守長さん入れてよ‥‥ ダメ?」
「駄目って訳じゃ無いんだ、入れたく無いとかじゃ無くってだな」
「じゃあ良いでしょ? 私結構イケると思うんだ、直ぐに慣れるだろうし‥‥ 上手くなるから、ね?」
「そう言う問題じゃ無くってだな、リタ、お前にはヤリにくい問題があってだな、決して意地悪で入れ無いって訳じゃ無いんだ」
「じゃあ、意地悪じゃ無いなら私もシタい‥‥ 入れてよ守長さん、どんなキツイ事も、激しい事も、私何でもするから‥‥ ねえ良いでしょ?」
「いや、だからだな‥‥」
参ったな‥‥
こんなはずじゃ無かったのに‥‥
予想外だよ、てか何でコイツはこんなにやりたがるんだ?
憧れがあるとは言ってるがなぁ‥‥
「ねえ守長さん良いでしょ?」
「激しく動くし、かなりキツイぞ? それに結構痛い事もあるしだな、勿論痛くするつもりも、怪我をさせるつもりは無いが下手な動きをしてたら痛い思いをする事だってあるんだ」
「えーー 私平気だよ、痛いのも我慢するし」
「おいリタ、あんま我が儘を言うな、守長さんも困ってるだろ?」
「えー でも‥‥ 兄ちゃん達だけ‥‥」
うん、今日はフィグ村の若い男衆に捕縛術を教える日だ、リドリーと希望者が三人の、計四人が俺に捕縛術の教えを受けて居る。
と言っても今日が二回目なんだがな。
リドリーの妹リタは、前回の鍛練の話を聞いて、自分もやりたいとリドリーに言ったらしい。
そして今日、リドリー達と一緒に来て、自分も鍛練にまぜて欲しいと直談判に来た。
うん、俺がコイツらフィグ村の男衆に捕縛術を教えるのは対変態用にであって、そのついでに鍛えようと思っての事だからだ。
それにリタにはある意味問題がある。
教えるのは別に良いんだ、ただなぁ‥‥
理由を説明しても良いんだが、兄であるリドリーはまぁ良いだろう、しかし他の男の前での説明となるとなぁ‥‥
とは言え説明しないとリタも納得しないか、仕方ないな、てか理由も分からずではリタも引かないだろう。
「あー‥‥ リドリー、リタに理由を説明するがお前も一緒に居てくれ、それと他の奴は悪いが向こうで待って居てくれるか? リタに何故駄目なのかの説明をするが、リドリーが理由をお前達に言っても良いと判断したら言うだろうし、話す事で無いと判断したら何も言わないだろうから聞かないでやってくれ、分かったか?」
「「「はい、分かりました」」」
ん、コイツら本当素直だよな、まぁだからこそ教え甲斐もあるんだがな。
「そのな、まず始めに言っておくが他意はないし、その様な意図がある訳でも無い、それは分かってるくれ、そしてそれが前提だ」
「守長さん、俺と妹だけに話すってそんなに言いにくい事なのかな? それにそんな前置きをしてるし‥‥」
「んー‥‥ ちょっとな、まぁ良い、それで話だがな、リタお前が駄目と言うかだな、理由何だがさっきも言ったが誤解するなよ、あのな、お前はその‥‥ 胸が結構豊かだろ? それが理由でもあるんだ」
「私? 私の胸が理由なの? 確かにおっきいとは自分でも思うけど‥‥」
うん、そりゃいきなりそんな話をされても戸惑うよな、だが本当に胸がデカイのが理由なんだ、今から説明するのはその胸についてな訳なんだが、リタ位の年頃の娘に説明するのはちとばかり躊躇いがある。
とは言うものの、説明しないとリタも納得しないだろうからするけど、するんだけど‥‥
「その‥‥ なんだ、真面目な話、胸が大きいと単純に邪魔になるんだ、それはまぁ布、サラシで巻けば解決する、邪魔だがな、で、もう一つの理由があってそれが問題なんだ、ここまでは分かるなリタ?」
「うん、確かに普段から胸は邪魔だって思ってるから分かるよ、でもそれはそんなに問題じゃ無いんでしょ? もう一つ理由があってそれが問題なんだよね? 私別に変な意味に受け取らないから何でも言って守長さん」
ここまでは問題無い、胸が邪魔ってあの貧乳が聞いたら嫉妬で狂いそうだな、まぁ別に良いんだけどな。
さて‥‥
もう一つの問題が本命だ、言い方に気を付けなければならない。
下手すりゃセクハラになってしまう。
「リドリー、お前この前来た時に色々話もしたし、説明もしたよな? で、実践してお前達に見せたし、自分達で実際受けたよな、捕縛、縛りを?」
「受けましたね、話も聞いたし、俺達も受けました、もしかして妹は女だから身体に傷が付くとかですか?」
「私少し位なら痛いのも我慢するし、傷だって気にしないよ?」
「まぁ待て待て、話はそんな単純じゃ無いんだ、慌てるな」
うん、痛くない様に、傷が付かない様には出来る、だがそんな問題じゃ無いんだ、てかリドリーの奴は分からないのかな? 根が真面目だからそこまで考え‥‥ 邪推はしなかったか?
「リドリー、お前この前縛られた時の姿を思い出せ、てかあの三人が縛られた時の姿を良く思い出してみろ? どんな絵面だった? アレは男だったからそう感じないのかも知れないが、女があの時の姿になったと思ってみろ、どう思う?」
「・・・」
うん、やっと気が付いたか、まぁそうだよな、アレ男だから何とも思わんだろうが、女がやられてると絵面が非常に悪い、いや、エロいんだ。
しかもリタは胸がデカイ、縛られたら更に胸が強調されて非常~~~に、卑猥な姿になってしまうんだ、嫁入り前の若い娘が人様に見せて良い姿じゃ無いからな、てか駄目だろ。
「ねえ兄ちゃん何なの? 守長さんどう言う事?」
「あー リタ、嫁入り前の娘がやっちゃ駄目だ、守長さんが言う様にだな‥‥ 止めとけ‥‥」
「えっ? 何で?」
うーん‥‥
コレもしかしたらだが、実践しないとダメなやつか? 実際にやるのは気が引けるなぁ‥‥
とは言え‥‥
「リドリー、見せる方が早い、リタには出来んがお前なら良いだろう、その姿を、どんな絵面になるかリタに見せる方が早い」
「そうですね‥‥ そうして貰えますか?」
~~~
「うーん、確かにちょっとえっちいね? でもコレってそんな目的でしてるんじゃ無いんでしよ? 捕まえる為にするものだし、捕まえた後? でするんなら問題あるかなぁ?」
「なぁリタ、お前もこの姿になってだな、しかも村の男衆にその姿を見られる訳だが? 流石に嫁入り前の娘が見せて良い姿では無いだろう? 確かに捕縛術は捕まえ、そして捕まえた後で行うものだが絵面が酷いだろ? その点をお前の兄貴も心配してると思うんだが?」
「まぁ確かにそうかも知れないけど‥‥ 習ってる最中は仕方ないんじゃ無いかな? それに見られるのを防ぐ? 隠しながらなら良いと思うんだけどなぁ‥‥ 兄ちゃんと守長さんだけに見られるなら問題無いと思うよ」
そんな問題か? リドリーは兄だから良いにしても、俺はどうなんだ? まぁやるなら俺は見ないと修行にならん訳だから、見なきゃならんが、それ自体が問題あると思うんだが?
リタは余りその辺は気にして無いと言うか、
気にならないタイプの奴かな?
うーん‥‥
捕縛術はエッチでも変態さんでも無いが‥‥
見方によっては絵面が酷いと言うか、エロくなるのも確かだ。
心が汚れてるとその様に見えてしまうのもある意味事実だし、その様な見方をする心の汚れたエロ河童、性獣が居るのも不本意ながら現実だ。
「とは言えなぁ、リタお前自分がこの姿になった時、周りからどう見られるか、どう思われるかいまいち想像が付かないんだろ? 繰り返しになるし、余り胸の事を言うのもどうかと思うが、お前が訓練の最中にコレになるのはかなり卑猥に見えると思うぞ、例え俺とリドリーしか見ないと言ってもなぁ‥‥」
「うーん‥‥ なら私も一回してみてよ、じゃ無いと分かんないよー」
「・・・」
コイツは俺の話を聞いて居たのか?
うん、聞いた上で言ってんだろうなぁ‥‥
いまいち気乗りしないんだが‥‥
とは言えやらないと納得しないんだろうな。
リドリーをチラッと見ると、目を逸らしやがった、おい、お前の妹だろうがどうにかしろよ、気持ちは分からんでもない、しかし今からリタを縛らなければならない俺の気持ちはどうするんだ?
まさかリタの奴、その様な趣味があるとかでは無いよな?
それは本当に勘弁して欲しいのだが‥‥
しかしアレか? リタの奴は純粋か?
天然とも言うな、一回自分を縛ってみないと分からないってかなり問題発言だぞ。
リタから言って来てるし、純粋に捕縛術として考えたのなら何も問題無い。
しかし縛られた場合の事も説明して、それでも一回縛られなければ分からないと言うのはどうなんだ?
リタの奴もしかして大物なのかも知れないな。
それに加えて純粋で天然気質も持ってるのかも知れない。
余り気が進まんが一回縛ってみるしかないか‥‥
「ねえ守長さん、結構キツイんだけど?」
「そりゃそうだ縛られてるんだから、リタ、暴れれば暴れる程締まってくるから大人しくしといた方が身の為だぞ」
「えー でも~ ねえ守長さん何かコレ嫌、私コレ嫌い」
「そりゃ当たり前だ、それが普通だよ、縛られて喜ぶなんて只の変態だぞ、リタはまともってだけだ」
「本当嫌、でも私も習いたい、されるのは嫌だけどするのは良いかも、ねえ守長さん、絵面? は別に私は気にしないからお願いします、私にも稽古つけて下さい」
「・・・」
されるのは嫌だけどするのは良いって、俺はどう受け取れば良いんだ?
まさかリタの奴S気質なのか?
もしそうなら、コイツが男だったらあの変態関係は全てケリが付いたんだがなぁ‥‥
上手い事行かないもんだな‥‥
どんどん縄が食い込み、色々と強調され、酷い絵面としか言い様が無い姿になったリタを見て思った。
ジルの奴リタと友達になって、それで妥協してくれないかなぁと。
「ねえ守長さん、何かコレ変なとこに当たって凄く嫌、どうしたら良いの?」
うん、本当どうしたら良いんだろうねえ。
俺が教えて欲しいわ