第121話 ハーレムプレイ
秋晴れの澄んだ空の下 賑やかな声が聞こえる
賑やかさ 喧騒 姦しさ 様々混じっている
皆が楽しそうだ、うん、掃除に楽しさを見いだせるって何と言うか。
まぁ楽しそうで何よりだよ。
「守長、魔法使ったらダメだよ!」
チッ‥‥ アリーばあ様め、何て目敏いんだ
クソ、灯台全体に使う訳じゃ無いんだから良いだろ別に、まぁクリーンを使ったらそこだけ異常に綺麗になるから浮くんだよな。
てか面倒クセーな‥‥
転生してから掃除は魔法に頼りっきりだったから結構大変なんだぞ。
しかし腹減ったなぁ、この前ブライアンから買ったマグロは本当に美味かった、いや、旨かった。
刺身もそうだが串に刺しネギを間に挟んだねぎま串の旨さよ、焼き鳥のねぎま串も好きだがマグロを使ったのは最高だったな。
そして兜焼きだ、アレも最高だった。
じい様達にもお裾分けしたが皆喜んで居た、
まぁ兜焼きに関しては皆で分けたからそんなに量は無かったがそれでも皆が喜んでくれたからな。
味も極上だった、うん、思い出したら更に腹減った、昼までもう少し時間がある、辛抱しなければ。
昼は大鍋に魚を色々入れた漁師鍋、いや違うな、
漁師スープか‥‥
ねぎま鍋食いたい、まぁ無いんだけどな。
ねぎま串焼いたのでも良いが全部加工したり、
食ったりしたからもう無いんだよなぁ、
今にして思えば少し冷凍させておけば良かったな。
「ほら守長、手が止まってるよ」
「守長、もっと腰を入れてやらなきゃ」
「そうだよ、若いんだから腰を入れなきゃね、イッヒッヒッヒ」
「・・・」
このババア共め‥‥
セクハラだぞ、てか張り切ってるよなぁ、
まぁババア達だけじゃ無く村民全員がなんだけど。
「なぁもう清浄魔法使ってやっちゃダメなのか? まぁそんな事したら祭りが盛り下がるのは分かるんだけど‥‥」
「ヒッヒッヒ何言ってんだい守長、ダメに決まってんじゃないかね、ホレ腰を入れて入れて、何ならアタシが教えてやろうかい?」
「何言ってんのさ、ならアタシが腰の入れ方を手取り足取り教えたげるよ」
「いやいや、アタシの方が上手いよ守長、小娘とは年季が違うからね~ 腰の入れ方ならワタシに任せときなよ、ウッヒッヒッヒ」
「・・・」
もうヤダこのババア達‥‥
「うっせーなこのババア共め、近寄るな! 若さを吸い取られるわ!」
「イッヒッヒ、ちょっと若さをおくれでないかい?」
「ちょっと位良いじゃ無いのさ、アタシにも若さを吸わせとくれよ守長」
「良いねえ若い男を吸いたいよ、ヒッヒッヒ守長、若さをちょっと分けとくれ」
こ コイツら‥‥
「あーもう! 寄るな、あっち行けシッシ、てか俺も結構いい歳なんだぞ」
「な~にアタシから見たら若い若い、どうだい守長、今晩部屋に行ってやろうかい? 一人寝は寂しいだろ?」
「もう! 頼むから向こうに行けよ、マジで頼むから!」
えーい、掃除どころじゃ無いぞコレ、でもこのババア達が居るから変態とかアンナが寄って来ないんだよなぁ‥‥
痛し痒しだな、ババアバリアは強力だが反面この様なある意味副作用がある。
「おいアリーばあ様、このババア達をどうにかしてくれ、もしくはこのババア達を黙らせる怪しい薬をくれ」
「守長‥‥ 薬師だからって何でも出来ると思われても困るよ、それにアタシは真っ当な薬しか扱って無いからねえ、まぁ諦めんだね」
「アホな事を言うな、諦めたらそこで終わりだろうが! えーい寄るな! 口を動かさず手を動かせ、働けババア!」
「何だい守長、守長は手の方がお好きかい? アタシゃ口も中々のモンだよ、ヒッヒッヒ」
「酔っ払ったおっさんか!」
周りのババア達が嬉しそうに、楽しそうに笑って居る、だが俺はちっとも笑えない、何だよこの状況?
混沌以外の何物でも無いぞ!
クッソ~ このババア共めが完全に俺の事をオモチャにしてやがるな、良い遊び道具が手に入ったとでも思ってんのか?
うん、思ってるんだろうな、もう勘弁してくれよ、
本当頼むわ。
てか周りはババアだらけだ、ハルータ村のババアの半分、いや、六割は居る。
若い女が欠片も居ない、まぁそれは良いんだ、
この中でも一番若いのが誰か何て分からない。
うん、間違い探しだな、この中で一番若い女?
を探すのは超困難、超難関だな。
何て難しい間違い探しだよコレ?
前世であった、縞々の服着て変なニット帽みたいなの被ったメガネを探す方が遥かに楽だな。
てかババア密度が高過ぎる、男衆は誰も居ない、
女だけだ、まぁ女と言ってもババアだけしか居ないんだけどな。
灯台の篝火がある灯塔の所を見ると若い男衆が命綱を身体に括り付け上からぶら下がりブラシで擦って居た。
命綱は本来一本だったのだが去年から二本にさせた、安全が増すし念の為だ。
灯塔で掃除をして居る若い男衆が威勢良く声を出しながら擦って居る。
灯塔の外側を命綱を付けぶら下がりながら力強く擦り、篝火台の窓から声を掛け水を上から流したり、そいつ達に声を張り上げて指示をする声が響く。
篝火部屋の中からも同じ様に威勢の良い声が聞こえてくる。
若い男衆の声に交じり女衆の元気な声も聞こえてきた、皆が楽しそうだ。
「何だね若い衆を見てるのかね守長? 良いねえ若いのは、家のじいさんも若い頃はあそこに命綱一本でぶら下がってシャッシャって擦ってたもんさね」
「家のもだよ、若い頃はそりゃもう良い男だったもんだよ、今はしわくちゃなじいさんになっちまったがねえ」
いやいやアンタもだよばあさん、しわくちゃ具合はどっちもどっちだと思うぞ。
そんな事を言ったら絶対下ネタで返されるから言わないけどな、てか無敵かよこのババア共は!
何だろう、凄く疲れたんだがコレ気のせいじゃ無いよな?
マジでババア軍団恐るべしだな、てか元気過ぎるだろコイツら、灯台の建物の外壁を掃除して居るが脚立に乗って危なげ等一切無く掃除してやがる。
まぁ乗ってって言っても立って乗ってる訳じゃ無い、脚立に跨がり座りながらだがな。
それと移動式の階段付きの台に乗ってるがパッと見、攻城兵器みたいだ。
階段を上がると台になっており、台の周囲は囲いもあり落ちない様に工夫されている。
それが移動するんだ、移動式ってのが男心を擽る、
去年コレを見た時は結構興奮した。
昔の攻城兵器って何故かカッコイイよな。
「ちょっと守長、そんなにアタシを見詰め無いでおくれ、そんなに見ても、下から見ても下着は見えないよ、そんなに見たかったら見せたげるからがっつか無いとくれ」
「ふざけんなやババア、何でババアの下着何か見なきゃいけない? てか見たくねーよ、おい、スカートを捲り上げ様とすんな、やめろババア」
「守長は純情だねえ、ホレ、見たいならアタシのを見せたげようか?」
「いらんわ、てか仕事しろババア共! 俺で遊ぶな、さっさと仕事しろや」
コイツら本当‥‥
てかこんだけくっちゃべって下らん事しながら手際は良いんだよな、結構、いや、大変スムーズに掃除をこなしてやがる。
予定より早く終わりそうな気もする。
てか去年もババア達が担当した所は早く終わって他の所を手伝いに行ってたな。
くっそー やる事やってやがるからイマイチ強く言えないんだよなぁ‥‥
何で俺ババア達の所に行く何て言ってしまったんだ?
ババア達だけだと大変だろうと思って行く何て言ったがコレなら俺いらないだろう?
無茶苦茶手際良いじゃないかよ、流石何十年も掃除してきてないな、しかも当然灯台の掃除も何十年もやってきたんだ、そら手際も良いし何より慣れてやがる。
絶対だ! 絶対来年はババア共の所で無く違う所でやる、勿論俺が来年もこの村に居たらの話だがな。
てか本当ババア達は手際良いよな、魔法何か一切使わず手でやってんのに無茶苦茶綺麗になってるじゃないか。
しかし一年で結構汚れるもんだな、ババア達がやった所とやって無い所が一目見ただけで分かる。
「守長、お湯を出しとくれ」
「ん? ああ」
「守長の魔法は便利で良いね、幾らでも出てくるよ幾らでもウッヒッヒッヒ」
「アンタそりゃ守長は若いんだから幾らでも出て来るわさ、カッカッカ」
「若いと幾らでも出るからねえ、キリが無いもんね~ ヒャッヒャッヒャッ」
「・・・」
このババア達は会話にいちいち下ネタを絡め無いと喋れ無いのか?
てか頭の中、エロい事しか無いのか?
お前らは男子中学生かよ、いや、男子中学生の方がまだマシだな、だって恥じらいを知ってるからな。
このババア共は恥じらい何てモン欠片も無い、
くっそーマジでこのババア共タチが悪いな。
「守長は幸せだねえ、こんな良い女に囲まれて」
「本当だよ、こう言うの何て言うんだったっけ? えーと‥‥ そうそう、ハーレムプレイってんだね?」
「アンタ何言ってんのさ、それなら如何わしい意味になるじゃ無いか」
「そうだよ、アンタまだ枯れて無いのかいな?」
「何言ってんのさ、アタシはまだまだ枯れて無いよー、何の何のまだまだ現役さね!」
うん、どうでも良いわ。
てか何が面白いのかババア達が大笑いして居る、
心底楽しそうに、幸せいっぱいだと言わんばかりに笑って居る。
てかハーレムプレイって何だよ?
それを言うならハーレムだろ?
もしくはハーレムパーティー?
そうか、俺は転生してハーレムパーティーを築いたのか、皆憧れの誰もが憧れ夢見ると言う、
ハーレムパーティー?
ふざけんなや、ババアのハーレムとかいらんわい。
チートでハーレム、略してチーレムだったか?
うん、そんなのいらない、俺は一人居れば良い。
だからババア達よ、面白そうに俺を見るのは止めたまえ、俺はお前達のハーレム入りを拒否する。
うん、俺はハーレム何て大嫌いだ。
ババア達が哄笑するのを見ながらそう思った。