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厨二は妄想にとどまらず!


「入学おめでとう。今日から、高校生として自覚を持って勉学に励み自己鍛錬し大人へとステップアップしていきましょう!」


本日、晴天。そして高校入学式。

そして今は式典終了後、それぞれのクラスへと別れ、HR。

担任となった教師がありきたりな挨拶を済ませたところだ。


「さて!それではまず!自己紹介をしていきましょう!」


いちいち「!」をつけている感じが、この教師と気が合わない事を早々に理解させてくれる。かと言って、初日から強面でも、気だるげでも印象良くないだろうな。

そんなことを考えながら、1人、1人と自己紹介を終わらせていく。

声が小さくて全然聞こえない奴、逆に大声の奴、剽軽ぶって軽く滑ってしまう奴。などなど。


さて、俺の番が来たようだ。気をつけないと。普通にしないと・・・実は普通が分かんねぇんだけど。

俺が立ち上がると背景には瞬時に大輪の薔薇が咲き誇る。紅色の薔薇と漆黒の薔薇が。

「高瀬さとりです。8月3日生まれです(闇の日にこの世界に降り立った)

あまり、喋るのは得意ではありませんが(伏し目にして愁いをみせとくか)・・・よろしくお願いします。」

よし、最後に笑顔も決まった。普通だったはずだ。うっかり口から滑り出しそうな闇の日爆誕も我慢できだぞ。ベラベラ喋ると俺の本性がバレてしまうからな。最初に喋るの苦手とか言っといたほうが良いよな。大成功だ。

よしよし女子たちがうっとりとした表情をしているぞ。

俺が着席すると寂しそうな顔をしている。少なくとも残念顔ではない。はずだ。


一人一人の自己紹介を終え、最前列から真新しく硬く重い教科書が流れるように配布されて行く。

今日は、教科書配布が終われば下校できる。


順調だ。


前の席の女子が教科書を手渡す時、じっと俺の顔を見た。


「ありがとう」

口のはしが平等に上がるように意識して微笑む。

ついつい片方だけ釣り上がりそうになるのをこらえる事にも成功した。

高校生活実に順調なスタートである。


新しい鞄にずっしりと教科書を詰め終え、クラスメイトたちが帰って行く流れに乗り、俺も教室を出る。履きなれない内ばきを、これまた履きなれない革靴に履き替え帰路につく。

高校生活、無事にスタートできそうだ。

ふ・・・・と息を吐き、空を見上げた。

「曇天か・・・俺の旅立ちにはうってつけの天気だな。それならばいっそ嵐となるが良い」

おい俺の口、動くんじゃねえ。

ボソッと呟いたつもりのこのセリフ。いつの間にか空へと高く伸ばした掌。片方だけ釣り上げた口角。これぞ暗黒微笑


・・・・・。


誰も見てないよな?


何事もなかったかのように頭をガシガシとかきむしり手を下ろす。


「嵐はやだなあ」


背後から聞こえる声。

固まる俺の身体。


「高瀬は魔王かなにかなの?」


背後から聞こえた声が、いつの間にか俺を覗き込むようにして見ている人間から発せられている。


「おわ!びっくりした・・・硬直魔法か!?」

おい、だから黙れ俺の口。


「え・・・うん。」


「おまえ、やるな!!!」

おい、何言ってんだ俺。お願い、もう動かないで俺の口。


「え・・・一応魔法使いだから。」


「え?」

「え?」


俺を覗き込んだ人間と、俺はしばらく

「え?」をお互い繰り返した。

俺の中二発言に普通に返答を返している…だと…?


「でも、今の魔法じゃないよ。高瀬が勝手に硬直しただけだよ」


「あ、そうか。って、え?」


「え?」


良い加減、鬱陶しい。


「え?じゃねえだろ!?おまえ魔法使いなの?」


「ああ、うん。そうだけど、高瀬は魔王なの?」


ノリがわからない。この魔法使い人間は俺をからかってるに違いない。

中学時代を暗黒歴史に変えてしまった俺の中二病全開の趣味趣向、言動行動、そのせいでパリピ野郎の多かった中学では友達ができなかったんだ。

小学校まで一緒に暗殺者部隊所属ということをひた隠しに生きて来た仲間たちが急に・・・あんな・・・裏切り者などもう知らない。

それに、「中二病」という自覚はあるんだ。でも、その世界が居心地がいいんだ。仕方ない。闇とか能力とかそういうのに疼くんだ心が!!!


「なあ、魔法使い?」

「ねえ、自己紹介聞いてた?俺、タカムラあかり」

「え?」

「え?」

「その、え?やめろ腹たつ!」

「え?」

「バカにしてんの?!」

「してない。バカにはしてないけど、高瀬が魔王かなんかなら今すぐ滅するよ」

「え?」

「だって、危ないじゃん。そんなの居たら」

「うん、まあ、そうだよな?」

「て言うのは建前で、魔王とかだったらラスボス感あるし終われっかな?めんどくせえんだよな、魔法使いとかって言われてもさ。人類救ったら、普通に戻してくれるらしいしさ」

「・・・魔法使いも大変なんだな」


俺の脳ミソがついていけない会話について行くことを諦めたらしい。

同級生兼魔法使い野郎の篁との会話を滞りなく進めて行く。


「うん、だからさ死んでくんない?」

「え?」


篁が、短く「あ!」と叫ぶと口の中からスポーンっと棒のようなものが飛び出して来た。

突如として俺の脳ミソが危機を知らせて来る。

なんか、なんつーか、とりあえずヤバイ。危機感を持ってしても語彙力だけはどうにもならなかったようだ。と、そんなことよりも篁がヤバイ。とにかくヤバイぞ。だってなんか口から棒出すし、オーラみたいなんなんかまとっちゃってるよ?何それ?どうしたの?やめてよ


「篁?何食ったの?棒がゲロになって出て来たよ?」

俺の口よ、それ喧嘩打ってないですか??煽ってるよ?煽っちゃってるよね?そして、ゲロが棒だろ!え?なに?どゆこと?棒のゲロ?だめだ!ゲシュタルト崩壊まで起こし始めた!棒てなに?!ぼお?!ボー?!?!


「・・・バカにしてたのは、そっちだったんだな。」

ボソリと篁が言う。心なしか棒を握りしめる手の血管がピクリピクリと動いている。

ほーらー!もー怒っちゃったじゃん!どうすんの俺。

「なあ、ちょっと、な、落ち着いて。とりあえず・・・」

篁が、こっちを見ている。おや、そりゃ見るだろうけど?ここで、違うところ見てられても困るんだけど?いや、困らないかも?

「い!!」

突然に、歯を剝きだすようにして叫ぶ篁。

吐きだした棒から閃光が放たれ、俺の足元に落ちる。

アスファルトが落ちた部分のみグニャリと溶けた。


「は!?アスファルトって溶けるのか!?昔は夏に溶けた道路とタイヤがウンタラカンタラ聞いたことがあるような気もしないでもないけど・・・」


・・・冷静に考えろ俺・・・・


「や、ちょっと待て。あこまでのパフォーマンスで非現実的な魔法を語っているのに150度でーす200度でーすとか言われたらつまらんよな!?もっと熱いよな!?溶かせるよな!!」


いや、そこじゃねーよ俺・・・


「お前、なんなんだよ?」

篁が、腹に響くほどの低音ヴォイスで呟いた。

「う・・・それは、その・・・。」

混乱する俺を凝視する篁。篁は前髪が長い。ほとんど目が隠れている。

その前髪の隙間からの視線は・・・ん?


「篁・・・お前。目大きいのな。前髪邪魔じゃねーの?」

俺は、思ったことをすぐ口に出す節がある。ベラベラ喋るわけにはいかないのはこのせいもあるだ。デリカシーも無いし、うっかり、この手に宿りし我が力が…とかぬかそうものなら俺の高校生活はそうそうに終焉となるだろう。


「うっせえ!!」


慌てて前髪を整えて篁の目は外から全く見えなくなった。

どうやら、大きな目がコンプレックスのようだ。

見下すように俺を見ていても目が大きいとわかる大きさである。

ジト目をしても可愛く見えるサイズ感だな。うん。


「なあ、俺、篁が目大きいの秘密にしといてやるからさ・・・」

ようやく見つけたこの危機的状況から回避策。

篁の弱みをゲットしたぞ。この弱みを利用して・・・

「滅するなとでも・・・」

「俺が中二病だってことを・・・」

二人同時に喋り出してしまった。


「「え?」」


「お前、殺されかけてる時に何を回避しようとしてんの?」

篁が、力の抜けた声で問いかけて来た。

「俺、魔王じゃないから滅せられる必要ないし、そんなことより

眉目秀麗頭脳明晰なこの俺が中身は残念な中二病であることを高校生活ではバレたくないんだ」


数秒間沈黙が流れた。


「うわー・・・どうでもいいー・・・」


「どうでもいいってなんだよ。中学時代は厨二病のせいで友達作れなかったんだからな。散々、顔はいいのに勿体無い。黙ってればイケメンって女子からはけなされ彼女もできず、男子からは言動がうざい。振る舞いが鬱陶しいとか言われてさ・・・」


「あっそう。至極どうでもいいわ。魔王じゃなかったらなんなんだよお前」

篁が首をかしげる。


「へ?ただの中二病のイケメンです」


嗚呼言ってしまった。俺が背負うのは漆黒の薔薇オーラ。漂うのは不穏で妖しげな香り。


ふっ…と前髪をかきあげる。

バレちまったら、しょうがねーなぁ。


「なあ、どういうこと?あんたが、あこに魔王がいるつったから、気持ち悪い事言ってるこの面倒臭そうな男に声かけたのに何か違いそうなんだけど?ただの気持ち悪いめんどくさい奴なんだけど?」


篁がため息を吐く。


「なんのことだよ。俺なんも言ってなくないか?」


突然、文句を言い出した篁に俺が問いかける。何言ってんだ?ていうか、気持ち悪い言うな!めんどくさい言うな!


「うっせーな、お前に喋ってねーよ。お前なんかどうでもいいわ、どっか行けよ」


え?え??酷くない?どっちかっていうと、そっちが話しかけて来たよな?


ちょっと文句を言ってやらねば…と口を開いた矢先、篁から篁じゃない声が発された


「あら?いかにも怪しいからってこの子が魔王って決めつけたのはあかりちゃんじゃな~い。この辺が匂うわねくらいにしか言ってないわよ~」


「誰が見ても不審だったろコイツ!」


「まあ、ね。不審だったわね。」


ずっと口を動かして喋ってるのは篁の筈なのに、声音が全然違うため2人で会話しているように聞こえる。


「なあ、突然なんの特技披露?そして、失礼のきわみだぞ、俺に対して。」


俺が口を挟むと篁はその大きな眼球でこちらを睨みつけた。


「は?まだ居たのかよ。」


「おっまえなー!なんなんだよさっきから!訳わかんねぇよ!お前の方が充分厨二…」


と、自分の言葉の途中で気付いた事があった。


「はぁ?お前のは妄想で…」

「篁も俺の仲間なんだな!しかも俺より設定が細いし技も決まってて!先輩!厨二先輩!!」


篁の言葉も聞かず俺は仲間を見つけた悦びを噛み締めていた。


「アハハハ」

甲高い声で篁のもう1つの声帯が笑い声をあげた

「笑えねーよ。このアホ極めてるよ色々」

篁が口の端をピクピク動かしながら吐き捨てるように言っているのを聞こえないふりをして俺は篁と握手を交わした


「よろしくな!魔法使い設定だよな、任せとけ!設定しばり好きだぜ!」

「よろしくしたくないです…任せたくないです…」

「俺の設定固まったら…じゃなくて一緒に今度考えてくれよ!高校生活楽しくなってきたぁ!じゃーな!」


「あ、おい!学校で話しかけんなよ!」


「去り際はやいわね。聞こえてないわよあの子…」

篁とは別の声が笑いをかみ殺したように喋り出す。


はぁあぁああ


篁の大きなため息は、俺には案の定届いていない。


その日俺は気分よく布団に入った。

友達ができた!しかも、なかなか話になりそうなやつ!俺より中二っぽいやつ!!


「魔法使いだってよ!」

ぷぷぷっとおもわず笑い声をあげる。

なかなかいいチョイスじゃねーか

趣味が合いそうだ!

あの、すげーワザみたいなやつのネタばらしは明日本人からきくとして、まずは

あいつが魔法使いなら、俺は何の設定でいこうか…自分のキャラ設定を考えるという1番楽しい妄想にはいりかけたその時


「いや、あいつがここにいるとは…」


ん?…一瞬部屋の空気がザワついた。

誰かの声がした?


いやいやいや、そんなわけないか。

今日は両親は仕事で遅くなるって言ってたし、これはチャンスとばかりにパリピな妹は彼氏とイチャついて帰ってくるはずだ。


自分を納得させ終わる頃、


「そんな偶然あるか?」


見知らぬ声がまだ聞こえてくる。しかも

なかなかの低音イケメンヴォイスというやつか。


幽霊か?なんだ?空耳か?

いいよな、声がちょっと良いだけで呟いたらキャーキャー言われんだろ?

いや、幽霊なだけで、違う意味でキャーキャー言われてんのか?

訳の分からない悩みに突入していく。


「なぁ、さとり?あの子はなんだ?」

「あ?知らねーよ魔法使いの、クラスメイト」


俺は今、この訳の分からない状況を理解しなきゃならねーの。話しかけんな…って、

ん?


「魔法使いか…」

俺の違和感を他所に会話が続く。

会話が…会話?俺、幽霊と会話できんの?


「ちょ、ちょっとまて。俺誰と喋ってんだ?」

「私だ。」

「誰だよ!」


沈黙。


「いや、やっぱ良い答えんな!俺は、吸血鬼とか悪魔とかそういうのは好きなんだが幽霊はどうしても好きになれないんだ。なにか俺に言いたいことがあるのかもしれないが他のやつを当たってくれ頼むそれか成仏してください。俺は寝ます。どうかその間にどっかいってくださいお願い致します?」


早口言葉さながらに、超スピードでここまで一気に叫ぶように訴え、俺は布団の中に潜り込み耳を塞いだ。


「私もだ!なかなか良い存在だと思っている。幽霊という者は不確実でなんとも言えないのだが…いずれ遭遇したいとは思っている。さとりとは気が合いそうだなぁ!」


満足気なイケヴォが、耳を塞いでいるにも関わらず、はっきりと耳の中に響く。


耳を塞ぐ手に力を込めてギュッと目を閉じた。


が。


寝れる訳もなく朝が来た。

「さとりは、夜寝ないのか?」

謎の声が話しかけてくる。

「お前のせいだよ、お前の!」

「黙っていたつもりだが…」

「いや、もう存在が怖ぇよ!とにかく!俺は学校へ行くけど、その間にどっか行けよ!誰かに念仏唱えてもらえ!」


そう、天井に向かって叫んだ。

直後、荒々しい足音の後に俺の部屋のドアが勢いよく開いた。


「気持ち悪いんだよ!何独り言言ってるの!?また気色悪い意味わかんない呪文でも唱えてるわけ?残念ながら学校まで瞬間移動だのなんだのはできません!さっさと歩いて行け!」


これがパリピ代表みたいなわが妹である。


「はぁ?そこは、瞬間移動じゃなくて影の中を移動するんだよ!お前は相変わらずわかってない!わかってないんだよ!」


「結局影と影の行き来は瞬間移動なんでしょうが!黙れ!面倒臭い!つか臭い!!」


「あ、たしかに。ってか臭い!?」


「存在が臭い!厨二臭い!!」


「それは言い過ぎだぞ」


ムッとくる気持ちを抑えて妹を静かに諌める。


「とにかく、はよ学校行け!遅刻するでしょ!あんたの高校まで結構遠いんだから!」


そういって妹は部屋から出ていく。

中学はすぐそこなのだが、俺の通う高校まではたしかに遠い。中学の頃ならばもう少し寝ていても間に合うだろう。

妹はツンデレと言うやつだ。

言い争いは絶えないが、今のように自分はまだ寝ていても間に合うにも関わらず起こしに来てくれたり争いがてらしっかり俺の設定を理解して設定の甘いところをかためてくれたりする。


「朝ごはんはテーブルの上にあるから!私は寝る!二度寝してももう知らない!」

バタンっとドアを閉めて出ていく妹。

「兄が好きなのか嫌いなのかよく分からない妹だな。そして何をそんなに怒ってたんだ?2人の掛け合いは私が口を挟む隙もなかった」

謎の声が、問いかけてくる。


「怒ってねーよ。俺らは凄く仲良いの、だからこそああいうやりとりが成立すんだよ。

勝手に口を挟むな。ややこしくなるだろうが!良かった~普段からテンポよく会話してて!」


「あれで仲が良いのか…?そうか、じゃあ…」

謎の声が嬉しそうに話始めようとしている。

「とにかく、もう俺に話しかけんな。お前は成仏しろ。じゃあな!」

遮るようにして俺は早口でまくし立てるように言った。

「相変わらず早口だなぁ、よく噛まない…」

うるせえ!と言いたいとこだが、それじゃあ会話を続けることになってしまう。ぐっと我慢して無視し朝食を食べるべく階下リビングへ。妹が用意してくれた朝食をとり、駅まで歩き電車に乗り学校へ向かう。その道中で、設定を考えよう。なぞのオバケのせいで考えそびれてしまった。篁と話すキッカケにしなくては…


と、思っていたのだが電車内で運良く座れてしまったが故におきた過ち…そう、寝てしまった。迷惑オバケ野郎のせいで眠れなかったからな…こうなったら篁に設定を委ねてみるのも面白いかもしれない。うん、それも楽しそうだ…!


学校につき履きなれない内履きに履き替える。クラスのドアを開け篁を探しだした。

まだ、ギクシャクしながらもクラス内は既にいくつかのグループに別れている。カースト上位は流石で、ギクシャクなんて全くせず大きな笑い声を上げ盛り上がっている。

自然な流れで出来上がってしまうスクールカースト。馬鹿馬鹿しいと思うのに何故かいつの間にか出来上がる謎の現象。あまり興味は無いが気にならないことも無い。

篁を探す視線の流れる先で、女子の中でも一際目立つ女子と目が合った。制服とは?というくらい着崩している。

「おはよう!」

突然のことに俺に言ってるのか不安になりながら…

「おはよう」

思ってたより、冷たい感じで返事をしてしまった!笑顔と言うよりかは微笑みになってしまった!しくじった!俺の爽やか高校生活ライフが…終わりを…

と、思ったが女子はニコニコしていた。

そして、俺に向けた挨拶で間違いなかったようだ。

まあまあまあまあまあ、まあ?

本来なら朝は寝ていなければならないのだが…とか、日差しが眩しくてかなわない…とか、薔薇の精気を吸うために今日は5本も枯らしてしまった…とか言ってないし?セーフだよな!明日気をつけよ!そんなことより篁だ!


そして見つけたー!口元がニヤニヤと緩むのを堪えながら、教室の中へ踏み込んでいき席に着いている篁の前に立つ。

「おはよう!お前俺の席の後ろの後ろだったんだな!」

読書中だった篁は顔をあげ相変わらず長い前髪の隙間から俺を見る。

「後ろの後ろって言い方…てか、話しかけんな」

ボソボソと篁が言う。

「え?何でだよ。」

後ろの後ろって分かりやすいじゃん?

て、付け加えようとした…が

「そうだ、話しかけるな、さとり」

謎の声が放たれた。

篁がおどろいた表情をしている。

「お前…!」

篁が何かを言いかけた…が

「あら。酷い、良いじゃないの別に」

篁の腹話術が披露される。

篁が慌てて口を抑えた。つられて俺も口を抑えた。も、もしかして、俺も腹話術状態…?!


「場所を変えよう!」

篁が席を立つ。俺はコクコクと力強く頷き

脱兎のごとく教室から飛び出して行った篁のあとに続いた。

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