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特別編 七夕の日



"もしも如月兄妹が織姫と彦星になってしまったら?"



「イズミー? 今年も来たよ~」


「毎年この時期になると天の川泳いでくるのどうにかならないの?」


「仕方ないだろこうでもしないと会えないんだから」


「じゃあ毎年律儀に帰らなきゃいいじゃない」


「天才か」


こうして二人は末永く暮らしましたとさ




"それぞれの願い事"


「朝陽さんはなんて書いたんですか~?」


「私は皆が健康で過ごせますようにって…ほらもう私も歳だからぁ」


「じゃあ私と一緒ですねぇ! 皆健康が一番ですから!」


「まぁ、大田ちゃんもありがとう」


大田まさみの右手に握られたその短冊は何者かに引きちぎられ燃えカスとなって発見されたらしい。今となってはなんて書かれていたか定かでは無いが"S"という字だけが辛うじて見えていたそうな




"それぞれの願い事2"



「三沢っちも書けた?」


「なんも書いてねーよ。そもそもこういうイベント自体信じてねぇしよ」


「じゃあ大我クンに短冊返しておくよ。ほれ」


「…別にいいよ」


「ほれ、ほれ三沢っち? どしたー? 三沢っちー?」


「うるっせぇなもう放って置いてくれよ!///」


何が書いてあったかは想像にお任せします



"SNSで七夕ごっこしてる奴等"


「またやってるよ『七夕の願い事を書いてRT』だってよ。何が楽しくてこんな内輪ノリを発信するのかね? 面白いと思ってるのお前らだけだぞってなぁ?」


「・・・」


「毎年掲示板で晒されてバカにされてんのに懲りないねぇ…どこもかしこも七夕だからって浮かれすぎだよな」


「年中どこかで誰かが浮かれているのにも関わらず、イベント事だからって文句言うのが面白いと思ってるの兄さんだけよ」


「正論マシンガンやめて」




"ジョン"



『もしもし? なんだ珍しいな』


「ミュゼー、日本の七月には願いを叶えてくれるお祭りが有るって本当?」


『そっちでもスターフェスとかやってるだろ? それと一緒で雰囲気を楽しんでるだけだよ』


「なんだぁ…『ギャルのパンティーお~くれ!』って言ってみたかったのに」


『お前ホント好きだなそれ』




"如月兄妹"



「イズミは願い事書いた?」


「別にいいわよ。兄さんに言った方が叶いそうだもの」


「俺に言わなくても誰かが叶えてくれるなら儲け物だと思うけどな」


「私以上に幸せな人間なんて居ないのに、よそ者から施し受けるなんて気持ち悪くて無理なのよ」


「どういう理論かさっぱりだ…」


「砂漠から杖をついて出て来た人に水貰っても持ち悪いだけでしょ」


「何となくだけど分かった」




「じゃあまぁ…健康第一という事で」


「いいんじゃないの」



【今年一年も平穏無事でありますように】




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