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プロローグ 如月イズミ

 


 なんて事ない普通の家庭に産まれるのは当然の事だし、その後の人生も何不自由なく、起伏無く平坦な日常を過ごすんだと思っていた。

 目に見える情報だけで不自由を感じる事もあるのだと知った。

 恵まれた容姿が自分の人生の足枷になるなんて思わなかった。


 私も


 母も



「兄さん、お腹が空いたわ」


「もうちょっとしたら配信で作るから我慢しなさい」


「お腹と背中がくっつくという表現を目にした時に兄さんは言ったんでしょうね…くだらない。物理的にあり得ないって…」

「私はそうは思わないわ。今すぐにでもお腹と背中がくっつかんと皮膚を突き破り内臓が裏返り、自分の表と裏が一体となる様が目に浮かぶわ」


「飯の催促になんていう表現を用いてるんだよ…」


「邪神パンデモニウムになるわよ」


「訳の分からない事言って煙に巻こうとしてないか?」


「お腹が空いてるだけよ」



 口にする物の味を思い出したのは、兄さんが居てくれたから


 外の景色を見なくて済むようになったのは兄さんが来てくれたから


 人を愛するという事は、兄さんにしか出来ない事だから



 愛してるわ




 ──兄さん



「よし、始めようか」


「お肉…お肉…」






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