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気が付いたら猫でした…  作者: 小根畑 昌平
第23章 タイトル未定
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18_コケコッコー!


「うっ!まぁぁ~い!」ピグロが大きな声を上げる。

『えっ!…』俺は頭の中が真っ白になる。

「こ、これは、なんていう食べ物なんだ?」ピグロがサクラを見つめて声をかける。


「先ほどエルシア様が、おにぎりとおっしゃったじゃないですか。」サクラが答える。

「そうか…、これはおにぎりという食べ物なのか…」ピグロが手に持ったおにぎりを見つめて声を漏らす。

『ん!どうしたんだ?…』俺が見つめていると、おにぎりを美味しそうに食べていたピグロが、隣で俯いているヴァンを見つめる。


「なぁ…、ヴァンの鎖は外して貰えないのか?」ピグロがエルシアに声をかける。

「残念だけど…、まだ、私の知りたいことを教えて貰えてないからね…」エルシアが答える。

「ヴァン…、なにか知っているのか?」ピグロがヴァンに声をかける。


「ピグロ様…、この者たちは、テチュ様を簡単に殺したのですよ!なにを呑気に、この者たちから与えられたものを食べているんですか!」顔を上げたヴァンが目から涙を流して答える。

「の…、呑気にか…」ピグロが手の中のおにぎりを見つめて声を漏らす。


『うん、確かにそうだね…、お前呑気すぎるよ…』俺はピグロを見つめて心の中で呟く。

「ヴァン、これが最後って言ったでしょう。話して貰えないかしら?」エルシアがヴァンに声をかける。

「私が知っていることを教えたら、私たちの命はどうなるんですか?」ヴァンがエルシアに質問をする。


「命…、そうか…、うん、あなたたちの命は私が保証するわ。」エルシアが答える。

「ほ、本当ですか?」ヴァンがエルシアに確認する。

「うん、本当よ。約束するわ。」エルシアが答える。


「それでは、ヴァンが話したら鎖を外して、このおにぎりを食べさせて貰えるのか?」ピグロがエルシアに質問をする。

「サクラ、まだおにぎり残っているわよね?」エルシアがサクラに質問をする。

「はい、残っております。」サクラが答える。


「ヴァン、このおにぎりというものは、とてつもなく美味いぞ。」ピグロがヴァンに声をかける。

『あっ…、ヴァンがそっぽ向いた…』ヴァンはピグロをしばらく見つめた後、視線を外す。


「ヴァン、あなたたちがカンナ川を渡って向こう岸に着くまでは、私たちはいっさい手を出さないわ。信じて貰えないかしら?」エルシアがヴァンに声をかける。

「私は全てを知っているわけでは、ありません。それでも、よろしいのですか?」ヴァンがエルシアに確認する。


「うん、あなたの知っていることだけで良いわ。」エルシアが答える。

「実はカゾの村の襲撃は、サイタマの内部に私たちの拠点を作ること、それからカゾの村の子どもたちを攫うことが、目的だと聞きました。」ヴァンが説明をする。


「なるほど…、結果はどうなったか知っている?」エルシアがヴァンに質問をする。

「いえ…、その話を聞いた後、こちらに派遣になったので、結果まではわかりません。」ヴァンが答える。

『結果は失敗に終わったんだぞ!』俺はヴァンに「ニャー!」と声をかける。


「あらま、レーニャ、どうしたの?」エルシアが俺に声をかける。

『あっ!いや…、なんでもありません。』俺はエルシアに「ニャ、ニャ」と答える。

「フフフ…」エルシアが俺の頭を優しく撫でて微笑む。


『あっ!気持ちいぃ…』俺は「ゴロゴロ」と喉が鳴る。

「うん、ヴァンありがとう、よく話してくれたわ。サクラ、ヴァンの鎖を外して、おにぎりを与えてちょうだい。」エルシアがサクラに声をかける。


「はい、かしこまりました。」サクラは答えるとヴァンの鎖を外す。

「ほら、ヴァン、食べてみろ美味いぞ。」ピグロがヴァンに皿に載ったおにぎりを差し出す。

『ヴァン、どうしたんだ?…』俺がヴァンを見つめるとピグロが差し出した皿の上のおにぎりをジッと見つめている。


「ヴァン、大丈夫よ。毒なんて入っていないわよ。」エルシアがヴァンに声をかける。

「ほら、ヴァン…」ピグロが声をかけると、ヴァンが恐る恐るおにぎりを1つ手に持ってジッと見つめる。

『エルシアが毒なんて入ってないって、言ってんだから早く食えよ!』俺はヴァンに「ニャー!」と声をかける。


「えっ…」ヴァンが驚いた顔で俺を見つめる。

「フフフ…、ヴァン、レーニャが召し上がれって、言ったのよ。」エルシアがヴァンに声をかける。

「そ、それでは…」ヴァンが手に持ったおにぎりを食べる。


『あら、ヴァンもバグった…』俺がヴァンを見つめると目が泳いで焦点が定まらない。

「こっ…、こっ…、こっ…」ヴァンが手に持ったおにぎりを見つめて声を漏らす。

『こっ、こっ、コケコッコー!って、お前は鶏か?』俺はヴァンを見つめて心の中で呟く。


「どうだ、ヴァン、美味いだろう?」ピグロが嬉しそうにヴァンに声をかける。

「こっ…、こっ…、これは…、美味すぎる~!」ヴァンが大きな声を上げる。


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