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気が付いたら猫でした…  作者: 小根畑 昌平
第23章 タイトル未定

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17_お腹空いてない?


「ねぇヴァン、教えてくれないかしら?」エルシアがヴァンに声をかける。

「えっ!…、そ、それは…」ヴァンが俯いて声を漏らす。

「私が教えてやろう!明日、視察にいらっしゃるのは、エンデ様だ!」笑っていたピグロが声を上げる。


「あらま、急に笑い出したから、ピグロおかしくなったと思ったじゃない。ところで、そのエンデって誰?」エルシアがピグロに質問をする。

「エンデ様は、私たちプラーヌスの王だ!」ピグロが答える。


『えっ…、レプティリアンたちの王って、アンファングじゃないの?』俺は心の中で呟く。

『レーニャ、どうやら、王は別にいるようだな…』コイケヤが声を上げる。

「ふ~ん…、そうか…、王が自ら視察に来るとは、あなたたち大変なことをしてるのね。」エルシアがピグロに声をかける。


「そうだ、これが滞りなく終われば、私は将軍に抜擢されることになる。」ピグロが答える。

「あらま!ピグロ、将軍になっちゃうの?」エルシアがピグロに確認する。

「そ、そうだ、私は将軍になるんだ!」ピグロが声を上げる。


「でも…、ピグロ、残念ね。」エルシアが嬉しそうにピグロに声をかける。

「あぁ…、あぁぁぁ…」ピグロが声を上げて俯く。

『ピグロ、おそらく将軍には、なれなくなっちゃたね…』俺はピグロを見つめて心の中で呟く。


「ねぇピグロ、これが最後なんだけど、もう1つ聞いて良いかしら?」エルシアがピグロに声をかける。

「なんだ…、言ってみろ…」ピグロが顔を上げてエルシアに声をかける。

『こいつ、泣いてたの…』俺がピグロを見つめると目が潤んでいた。


「1月前ぐらいになるんだけど、あなたたちの仲間が、カゾの村を襲撃しようとしていたのは知ってるかしら?」エルシアがピグロに質問をする。

「カゾの村を襲撃?…、なんのことだ?…」ピグロが首を傾げて確認する。


「あらま、ホントに知らないみたいね…」エルシアが声を上げて、ヴァンに視線を移す。

『あら?ヴァン、どうしたんだ…』俺がヴァンを見つめるとエルシアから視線を外すように俯く。

「ヴァン、なにか知っていないの~」エルシアがヴァンに声をかける。


「わ、私もなにも…、知りません…」ヴァンが俯いたまま答える。

『いや、なにか知ってそうだな…』俺はヴァンを見つめて心の中で呟く。

「ヴァン、本当に知らないの?」エルシアがヴァンに声をかける。


「し、知らないものは、知らないです…」ヴァンが俯いたまま答える。

「そう…、そうだサクラ、ピグロの鎖を外して上げてよ。」エルシアがサクラに声をかける。

「エルシア様、よろしいのですか?」サクラがエルシアに確認する。


「ピグロ、鎖を外しても、なにもしないでしょう?」エルシアがピグロに声をかける。

「あっ…、あぁ…、お前たち相手に、なにも出来ないだろう…」ピグロが溜息交じりの声で答える。

「サクラ、お願い。」エルシアがサクラに声をかける。


「かしこまりました。」サクラが答えてピグロの鎖を外し始める。

「フレヤ、あの遺体を片付けてちょうだい。それから、準備も進めておいてちょうだい。」エルシアがピグロの隣で横になっているレプティリアンの遺体を指してフレヤに声をかける。


「はい、かしこまりました。」フレヤは答えると立ち上がって、レプティリアンの遺体を左手に、切断された頭を右手に持ってどこかに歩いて行く。

「フレヤ、鎖は外してね。」サクラがフレヤに声をかける。


「うん、わかった!」フレヤが振り向いてサクラに答える。

「ピグロ、お腹空いてない?」エルシアが鎖を外されて自由になった両手を見つめているピグロに声をかける。

「えっ…、あぁ…、空いている…」ピグロがお腹に手を当てて答える。


「サクラ、朝ご飯のおにぎり、残っているでしょう?ピグロに与えてちょうだい。」エルシアがサクラに声をかける。

「はい、かしこまりました。」サクラは答えるとバスケットの中から、おにぎりをたくさん取り出して皿に載せる。

『おにぎりの中身は、なんだろう?…』俺はおにぎりを見つめて心の中で呟く。


「ねぇヴァン、それでなにを知っているの?」エルシアがヴァンに声をかける。

「えっ…、し、知らないと…、言ってるじゃないですか…」ヴァンが答える。

「はい、どうそ。」サクラがおにぎりの載った皿をピグロに差し出す。


「よ、良いのか?…」ピグロがサクラとエルシアを見つめて声をかける。

「うん、召し上がれ、サクラのおにぎりは、とっても美味しいのよ。」エルシアが答える。

「そ、それでは…」ピグロがサクラから皿を受け取って、おにぎりを1つ手に持って食べる。


『あら?バグった…』俺がピグロを見つめると目が泳いで焦点が定まらない。

「な、なんだこれは…、う、うぅぅぅ…」ピグロが俯いて唸り声のような声を上げる。

『えっ…、ひょっとしてサクラ、おにぎりに毒を…』俺が見つめると、サクラが冷ややかな笑みを浮かべていた。


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