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気が付いたら猫でした…  作者: 小根畑 昌平
第22章 そうだ!忘れてしまえ!

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47_残飯が入っている樽


「実は…、3日前に仕事が終わった後、このスタインと酒場で呑んでいたんです。」シュラムが横で捕縛されたまま気を失ってるスタインを見つめて声を上げる。

「ほぉ…、3日前…」捕縛されて胡坐をかいて座っているシュラムの前で、椅子に座った騎士団の人が声を漏らす。


「3日前になにかあるのですか?」隣の椅子に座ったフレヤが騎士団の人に質問をする。

「いえ、私たちがクリークに帰港したのが、ちょうど3日前なのです。」騎士団の人が答える。

「そうですか…。うん、話を続けて下さい。」フレヤがシュラムに声をかける。


「はい、そこである男が、俺たちに話しかけてきたのです。」シュラムが声を上げる。

「ある男…とは、どんな男だ?」騎士団の人がシュラムに確認する。

「はい、身なりはちゃんとしていて、俺たちがいる酒場にいるような感じの男では、ありませんでした。」シュラムが答える。


「その男は、なんと話しかけてきたのだ?」騎士団の人がシュラムに確認する。

「はい、とある人から、クリークに帰港した船から、あるものを受け取って来るようにと、極秘の指令を受けたと言ってました。」シュラムが答える。


「あるもの…、具体的には、なんなのだ?」騎士団の人がシュラムに確認する。

「はい、聞いたところ、帝国の大事になるようなものだから、教えられないと言われました。」シュラムが答える。

『あるものって…、ドラードとトゥルペのことか?…』俺は心の中で呟く。


「それで、今日そのあるものを受け取るために人を寄こすから、クリークに残飯の受け取りを行くときに、一緒に連れて行ってほしいとのことでした。」シュラムが説明をする。

「なるほどな…、残飯の受け取りの船と一緒であれば、クリークもそのまま入ることが出来るからな…」騎士団の人が声を漏らす。


「はい…、それで今日、約束の時間に港で待っていたら、10人ほどの男たちを乗せた船が現れて、直ぐにスタインとザントがあいつらに捕まって、今日はよろしく頼むと凄まれて…」シュラムが説明をする。

「それで、クリークまで、その者たちを連れて行ったということか?」騎士団の人がシュラムに確認する。


「はい…、スタインとザントは男たちの船に、私の船にも4人ほど、乗り込んできて…」シュラムが説明をする。

「なるほど…、その者たちに従うしかない状況になったというわけか…」騎士団の人が溜息交じりの声を上げる。

「はい…、どうすることも出来ませんでした…」シュラムが答えて俯く。


「そうか…、なぁ…、なぜ、お前たちは酒場で会った男の願いを聞いたんだ?」騎士団の人がシュラムに確認する。

「そ、それは…」シュラムの顔が青くなり、額からは汗が流れ落ちる。

「おそらく、お金を貰ってしまったんでしょう?」フレヤがシュラムに声をかける。


「なるほど…、そういうことか…」騎士団の人が溜息交じりに声を漏らす。

「も、申し訳ありません!本当に軽い気持ちで…、本当に申し訳ありません!」シュラムが声を上げて頭を下げる。

『いや…、軽い気持ちって…、あんた…』俺が心の中で呟く。


「軽い気持ちだと!クリークは、帝国にとって大事な港だ!そこに、許可のない者を入れるとは、どういうことか、わかっているのか!」騎士団の人がシュラムに対して怒声を上げる。

「ま、誠に申し訳ありません!」シュラムが頭を下げながら声を上げる。


「すみません。先に話を聞きませんか?」フレヤが騎士団の人に声をかける。

「あぁ…、そうですね。すみません、取り乱してしまって…」騎士団の人がバツが悪そうな顔で答える。

「ねぇ、あなたたちは、ドラード様とトゥルペが攫われたところは、見ていたのですか?」フレヤがシュラムに質問をする。


「いえ、見ていません。クリークに着くと、俺たちはいつも通りに残飯を運びに行きまして、あいつらはどこかに行ってしまいました。」シュラムが答える。

「どこに行ったのかは、わからなかったのですね?」フレヤがシュラムに質問をする。


「はい、その通りです。あの男が言っていた、あるものを受け取りに行ったんだと思いました。」シュラムが答える。

「ねぇ、帰りもその者たちと一緒だったのですか?」フレヤがシュラムに質問をする。

「はい、帰りも船着き場で一緒になって、俺たちの船と一緒にズーパーに帰って来ました。」シュラムが答える。


「ねぇ、船着き場で一緒になったとき、その者たちはドラード様とトゥルペのことを連れていたんですか?」フレヤがシュラムに質問をする。

「いえ、樽を1つ…、そう、我々が受け取る残飯が入っている樽と同じ樽です。」シュラムが答える。


「残飯の樽は、ひょっとして2つの船に分けて乗せたのですか?」フレヤがシュラムに質問をする。

「はい、その通りです。」シュラムが答える。

「そうですか…、うん、なるほど…」フレヤが声を漏らすと顎に手を当てる。


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