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気が付いたら猫でした…  作者: 小根畑 昌平
第22章 そうだ!忘れてしまえ!

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33_どっちも一緒じゃないのか…


「エルシア様、今日は如何でしたか?」サクラがエルシアに声をかける。

「うん、久しぶりにトゥルペやザイル、ネルケの顔を見ることが出来たし、ルンゼとラインに関しては、顔を見るのは数年ぶりかしらね。サクラ、今日は誘ってくれてありがとう。」エルシアが答える。


『数年ぶりか…、そういえばエルシアは、あんまりユスクドの森から出ないって、言ってたっけ…』俺はお椀の中のひき肉を食べながら心の中で呟く。

「サクラ、そういえば、トゥルペがヴォルケのハンバーグを喜んでいたわね。」エルシアがサクラに声をかける。


「はい、トゥルペもですが、ツェルトも大変喜んでおりましたよ。今週の請願書の量を少し減らしましょうかと、言っておりました。」サクラが声を上げる。

「えっ…、それはいつ?」エルシアがサクラに確認する。


「はい、エルシア様とアイゼンがレーニャちゃんの話をしているときに、私にコッソリと言ってきました。」サクラが答える。

「それで、今週はちょっと少ないの?」エルシアがサクラに質問をする。

「はい?…、ひょっとして、請願書の量でしょうか?」サクラがエルシアに確認する。


「そうよサクラ、請願書の量を減らして貰ったの?」エルシアがサクラに確認する。

「あら、レーニャちゃん、ごちそうさま?」サクラが晩ご飯を食べ終えて、毛づくろいを始めた俺に声をかける。

『うん、ごちそうさま~!』俺はサクラに「ニャ~!」と答える。


「フフフ…、レーニャちゃん、今日はお疲れさまでしたね。」サクラが微笑んで俺に声をかける。

『疲れた?…、まぁ、疲れたけど、いっぱい寝たから、大丈夫だよ!』俺はサクラに「ニャ、ニャ!」と答える。

「あら、疲れてはないのですね?」サクラが俺に確認する。


『うん、疲れは大丈夫だよ!』俺はサクラに「ニャー!」と答える。

「フフフ…」サクラが俺を見つめて優しく微笑む。

「レーニャ、充分寝たものね。」エルシアが俺に声をかける。


『うん、スゲー寝た。』俺はエルシアに「ニャー」と答える。

「ねぇ…、サクラ、それで請願書の量は、今週はちょっと少ないの?」エルシアがサクラに声をかける。

「あぁ…、それなら、いつもと変わりませんよ。」サクラが答える。


「えぇ…、どうしてよ?」エルシアがサクラにムッとした顔で声をかける。

「エルシア様、今日アイゼンのところへは、お見舞いで行ったのですよ。」サクラがエルシアに声をかける。

「それは、わかっているわよ。」エルシアが声を上げる。


「エルシア様、今日は請願書の量を減らして貰うために、行ったわけではないですよね?」サクラがエルシアに質問をする。

「あ、当り前じゃない!」エルシアがサクラから視線を外して答える。

「そうですよね。それならば、ツェルトに断りをして正解でしたね。」サクラが声を上げる。


「いやいや、そうは言ってもよ、折角ツェルトが減らしましょうかと、言ってるわけでしょう。それならばって、ならないのかしら?」エルシアがサクラに確認する。

「エルシア様、それはどういう意味でしょうか?」サクラがエルシアに確認する。


「いや、人の善意には甘えた方が、良いときもあるかな~っと、思ってね。」エルシアがサクラから視線を外して答える。

「それは確かに、私もそう思いますが、エルシア様は領主なのですよ。」サクラがエルシアに声をかける。

「そ、そんなこと、わかってるわよ。」エルシアがムッとした顔で答える。


「エルシア様、請願書に答えるのが、領主のお役目ですよね。その請願書の量を減らすということは、答えが先送りになる請願書や、答えが貰えない請願書が増えるということだと、前にエルシア様がおっしゃったのですよ。」サクラが声を上げる。

『なるほど…、請願書を減らすと、そういうことが起きるのか…』俺は心の中で呟く。


「エルシア様、ツェルトにもそのように伝えております。」サクラが声を上げる。

「サクラ…、わかってるわよ…」エルシアが溜息交じりに声を上げる。

「エルシア様、出過ぎたことを申して、申し訳ありません。」サクラがエルシアに頭を下げる。


「良いのよサクラ…、それよりありがとう。」エルシアが微笑んでサクラに声をかける。

『エルシア、素直だな…』俺はエルシアを見つめて心の中で呟く。

「それにしても、エルシア様、請願書の量を減らしたいとか、どうされたのですか?」サクラがエルシアに質問をする。


「それは…、請願書の量が減れば、それだけレーニャと遊ぶ時間が増えるのよ。」エルシアが答える。

「なるほど…、レーニャちゃんと遊ぶ時間を増やすためですか?…」サクラがエルシアを見つめて声をかける。

「あっ!間違えた。レーニャと一緒にいる時間よ。」エルシアが答える。


『いや、それって…、どっちも一緒じゃないのか…』俺は心の中で呟く。


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