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気が付いたら猫でした…  作者: 小根畑 昌平
第22章 そうだ!忘れてしまえ!
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05_作った甲斐がありました


「サクラ、これはなに?」エルシアが食堂のテーブルの上に、サクラが置いた四角いバスケットを指して声を上げる。

『これは、なにを入れるんだ?』俺も四角いバスケットを見つめて首を傾げる。

「フフフ…、エルシア様、これはレーニャちゃん専用のバスケットです。」サクラが嬉しそうに説明をする。


『俺専用のバスケット…、また俺専用が出来上がったのか?』俺は心の中で呟く。

「サクラ、なにそのレーニャ専用のバスケットって?」エルシアがサクラに質問をする。

「レーニャちゃんを安全に運ぶためのバスケットです。」サクラが答える。


『俺を運ぶ…、どういうことだ?』俺は心の中で呟く。

「エルシア様、よろしいでしょうか?」サクラがエルシアに声をかける。

「ん?なにが?…」エルシアがサクラに確認する。


「このレーニャちゃん専用のバスケットのご説明です。」サクラが答える。

「あぁ…、うん。サクラ、説明してちょうだい。」エルシアがサクラに声をかける。

「それでは、先ずは入り口ですが、この蓋を上げます。」サクラがバスケットの上蓋を開ける。


『中になにが入ってるんだ?』俺はトコトコと歩いてバスケットに近づくと、サクラの開けたバスケットの淵に両前足をかけて中を覗き込む。

「あら、レーニャちゃん、興味あるの?」サクラが俺に声をかける。


『うん、ちょっとだけ!』俺はサクラに「ニャー!」と答える。

「レーニャちゃん、中に入っても良いのですよ。」サクラが俺に声をかける。

『中に…、なんだろう…、無性に中に入りたい…』俺はバスケットの中を覗きながら不思議な感情が湧き上がる。


「次に、このバスケットの中にタオルを敷きます。」サクラが声を上げてバスケットの中にタオルを敷いた。

『ダメだ…、我慢できない…。あっ!俺専用だもんな!』俺は心の中で呟いてバスケットの中にヒョイッとジャンプして入る。

「あらま、レーニャ、入っちゃった。」エルシアが声を上げる。


『おぉ…、なんだ…、ここは…』俺はなぜかバスケットの中の匂いを嗅ぎだす。

「フフフ…、レーニャちゃん、ここは大丈夫ですよ。」サクラが俺に声をかける。

『大丈夫?…、なにが大丈夫なんだ?』俺は顔を上げて「ニャ?」とサクラに声をかける。


「あらま、丁度良い大きさね。」エルシアもサクラの隣から顔を覗かせて俺を見つめる。

『ちょうど良い…、ホントか…。あら、ホントだ丁度良い大きさだ。』俺はバスケットの中で横になる。

「それは、そうです。レーニャちゃんの体の大きさを考えて、作りましたから。」サクラが声を上げる。


「それで、サクラ、この後はどうするの?」エルシアがサクラに質問をする。

「はい、レーニャちゃんが入ったら、この蓋を閉じます。」サクラが声を上げてバスケットの上蓋を閉じる。

『えっ!…、どういうこと?…』俺が上を見つめると蓋には格子の窓が付いていた。


「そして、これをこうすると、蓋は開かなくなります。」サクラが声を上げる。

『おぉ…、蓋が開かなくなる…。えっ!俺…、閉じ込められた…』俺は立ち上がって格子の窓からエルシアとサクラを見つめる。

「そして、このベルトを肩にかけます。」サクラが声を上げるとバスケットが上に上がる。


『ほよよ…、なんだ?』俺は心の中で呟く。

「エルシア様、どうですか?」サクラがエルシアに声をかける。

「なるほど…、こういうことなんだ…」エルシアが声を上げる。


『えっ!どういうことだ?…』俺は蓋の格子に両前足をかけて顔を近づける。

「あらま、レーニャ、バスケットの中はどう?」エルシアが俺を見つめて声をかける。

『どうって…、可もなく不可もなくって、ところかな?』俺はエルシアに「ニャ?」と答える。


「フフフ…、レーニャの顔もこの窓から、見ることが出来るのね。」エルシアが俺を見つめて声を上げる。

「エルシア様、窓は上蓋についておりますが、この側面にもついているんですよ。」サクラが声を上げると側面から光が差し込む。

『おぉ…、窓が現れた…』バスケットの側面に格子の窓が現れた。


「なるほど、この布を横にずらせば、レーニャは側面の窓から外が見れるのね。」エルシアが声を上げる。

「はい、その通りです。レーニやちゃん、どうかしら?」バスケットの側面の窓からサクラが覗いて俺に声をかける。

『とても、良いと思います!』俺はサクラに「ニャー!」と答える。


「あぁ…、レーニャちゃん尊い…」サクラが嬉しそうに声を上げる。

「レーニャに気に入って貰えて…、サクラ、良かったわね。」エルシアがサクラに声をかける。

「はい、作った甲斐がありました。」サクラが嬉しそうに答える。


『サクラ、ありがとうな!』俺はサクラに「ニャー!」と声をかける。

「フフフ…」サクラが俺を見つめて嬉しそうに微笑む。


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