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気が付いたら猫でした…  作者: 小根畑 昌平
第21章 オッサンでは、なさそうだ…
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37_なにを取って来たんだろう?


「到着!」フレヤが声を上げて、ハルナが停車する。

『到着!』俺が「ニャー!」と声を上げる。

「フレヤ、お帰りなさい。」ハルナに乗ったままのフレヤにサクラが声をかける。


「サクラ、ただいま。エルシア様、戻ってきてる?」フレヤがサクラに質問をする。

「少し前に戻ってきて、レーニャのお目目はさんかくお目目~♪って、歌いながら書斎に入って行かれたわ。」サクラが答える。

『いや、俺のお目目はまんまるだよ!』俺は心の中で呟く。


「そうか、良かった…。エルシア様ったら、急に荷車から降りて…、直ぐに帰りたくなっちゃったって、おっしゃるからビックリしちゃったわよ…」フレヤが溜息交じりに声を上げる。

「フレヤ、それで子猫は?」サクラがフレヤに質問をする。


「子猫~!可愛かったわよ~、小さくて、私がイリスって名前を付けたのよ。」フレヤが嬉しそうに答える。

「いや、そうじゃなくて、エルシア様連れて帰るとか、言わなかった?」サクラがフレヤに質問をする。

「あぁ…、そんな話はしてなかったわ。」フレヤが答える。


「そう…、それは良かったわ…」サクラが溜息交じりの声を上げる。

「サクラ、それよりね、レーニャとイリス仲良しになったのよ~」フレヤが嬉しそうに声を上げる。

「あら…、レーニャちゃん、子猫と仲良しになったの?」サクラが俺に嬉しそうに声をかける。


『あれは…、仲良しになったのか?…』俺は首を傾げる。

「あれれ?どうしたのかしら?」サクラが俺を見つめて首を傾げる。

「サクラ、子猫じゃなくて、イリスよ。」フレヤがサクラに声をかける。


「そうか…、イリスちゃんか…、良い名前だわ。それで、イリスちゃんは、オスなのメスなの?」サクラがフレヤに質問をする。

「あぁ…、三毛猫だから、多分メスね。」フレヤが答える。

「メスか…」サクラが声を漏らす。


「サクラ、どうしたの?」フレヤがサクラに質問をする。

「いや…、メスなら屋敷に入れないって、断る理由が無くなると思って…」サクラが溜息交じりに答える。

「サクラ、心配しすぎよ…」フレヤがサクラに声をかける。


「あっ!それで、なんでさっきレーニャちゃん、首傾げたのかしら?」サクラが俺を見つめて首を傾げる。

「レーニャは、ホントに仲良しになれたのか、わからないんだよね?」フレヤが俺に声をかける。

『うん、その通り!』俺はフレヤに「ニャー!」と答える。


「あら、そうなの…、レーニャちゃんは、イリスちゃんと仲良しになれたか、わからないの?」サクラが俺に声をかける。

『うん、猫の気持ちはわからんわ!』俺はサクラに「ニャー!」と答える。

「そうなの、あら?でもさっき、フレヤ仲良しになったって、言ったじゃない?」サクラがフレヤに確認する。


「あぁ…、それ?レーニャとイリスがね、エルシア様の膝の上で、抱き合って眠っていたのよ!」フレヤが嬉しそうに声を上げる。

「抱き合って…」サクラが俺を見つめて声を漏らす。

「そう、レーニャがね、小さなイリスを優しく抱きしめて、眠っていたのよ。」フレヤが嬉しそうに答える。


「あら…、それは…、尊い…。フレヤも見たの?」サクラがフレヤに質問をする。

「あぁ…、私が見たときは、レーニャは起きていたけど、イリスはズッとレーニャの腕の中で眠っていたわ。」フレヤが答える。

「あら…、それはもう仲良しじゃない。なんでレーニャちゃん、わからないの?」サクラがフレヤに質問をする。


「うん、それなんだけど、別れるときにね、イリスがレーニャを見てズッと泣いてるから、イリスの前にレーニャを私が近づけたらね、イリスがレーニャの頭、怒って叩いたのよ。」フレヤが説明をする。

「あら…、レーニャちゃん、イリスちゃんになにしたの?」サクラが俺に声をかける。


「サクラ、レーニャはなにもしてないわ。きっと、イリスは驚いたのよ。」フレヤがサクラに説明をする。

「驚いた?…」サクラが声を漏らす。

『うん、そうらしい…』俺はサクラに「ニャ…」と声をかける。


「サクラ、レーニャをお願い。」フレヤがサクラに声をかけて、俺を抱っこ紐から取り出してサクラに渡す。

「ところでフレヤ、材料って、カゾの村でなにを取ってきたの?」サクラが俺を受け取ってフレヤに質問をする。

『あぁ…、そういえば、フレヤなにを取って来たんだろう?』俺は荷車の樽を見つめて心の中で呟く。


「カゾの村にカイコ小屋があるでしょう。そのカイコ小屋の床下の土を取ってきたのよ。」フレヤが答える。

「床下の土?…。それが、なにになるの?」サクラがフレヤに確認する。

「アレにとっては、1番大事な物よ!」フレヤが嬉しそうに答える。


「大事な物…」サクラが声を漏らす。

『床下の土が、大事な物…、なんなんだろう…』俺はサクラの腕の中で首を傾げる。

「それじゃ私、作業に戻るから!」フレヤがそう声をかけると、ハルナが荷車を引いて工房に向かって走り出す。


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