04_ひょっとして人の言葉が話せるの?…
『いや、普通に話をしてるよ…』俺はお椀の中の鶏肉を食べ始める。
「そうか…、レーニャは言葉はわかるけど、話せないものね…」フレヤが声を漏らす。
「それから、レーニャちゃんがエレメントと、お話しているときって、ジッとどこかを見つめてるだけでしょう。」サクラが声を上げる。
「あれは…、そうか…、レーニャ、あの状態で話をしているんだ…」フレヤが声を漏らす。
「ねぇフレヤ、見つめ合うだけで、話って出来るものなの?」サクラがフレヤに質問をする。
「なんだろう…、なんとなく、わかるんじゃないのかしら…」フレヤが溜息交じりに答える。
「フレヤ、なにその、なんとなくわかるんじゃないかしらって、どういう意味?」サクラがフレヤに確認する。
「いや、だから…、そもそも動物って人のように、言葉を話さないじゃない。でも、家族を作ったり、同族で群れを作ったりするじゃない。」フレヤが説明をする。
「言われてみれば…、そうね。」サクラが声を上げる。
「私も昔ね、動物たちって、言葉を話さないのに、なんで、わかりあえるんだろう?って、トゥルペに聞いたことがあったわ。」フレヤが声を上げる。
「それでフレヤ、トゥルペはなんて言ってたの?」サクラがフレヤに確認する。
「うん、わからないって言われたわ。但し、よくよく観察をしていると、体の動作だったり、見つめ合うことで、わかるんじゃないかと言っていたわ。」フレヤが答える。
「見つめ合うことでわかる…」サクラが声を漏らす。
「うん、だから、レーニャは見つめ合うことで、エレメントと話をしてるんじゃないかと…、思うけど…」フレヤが声を上げる。
『見つめ合うこと…、そういえば、かぁちゃんたちとは、話はしてねぇなぁ~、あっ!食べおわちゃった。』お椀の中の鶏肉が無くなって、俺はペロペロとお椀の底を舐めると顔を上げる。
「あら、レーニャちゃん、今日も綺麗に食べたわね、ごちそうさま?」サクラが俺に声をかける。
『うん、ごちそうさま~!』俺はサクラに「ニャ~!」と答えると、毛づくろいを始める。
「はい、どういたしまして、フフフ…」サクラが声を上げて嬉しそうに笑う。
「レーニャ、エレメントの言葉って、わかるのよね?」フレヤが俺に質問をする。
『うん、わかるよ!』俺は毛づくろいをしながら、フレヤに「ニャー!」と答える。
「ねぇレーニャ、そしたら…、エレメントは、レーニャの言葉がわかるの?」フレヤが俺に質問をする。
『うん、わかるよ!』俺は毛づくろいをしながら、フレヤに「ニャー!」と答える。
「ちょ、ちょっと待って、フレヤ、怖い怖い…」サクラが声を上げる。
「えっ…、サクラ、なにが怖いの?」フレヤがサクラに確認する。
「いや、今の話って、レーニャちゃんは人の言葉が話せるって、ことになるんじゃないの?」サクラがフレヤに質問をする。
「うん、人の言葉がわかるのであれば、人の言葉が話せるかもって思ったんだけど…。ねぇレーニャ、レーニャは、ひょっして人の言葉が話せるの?」フレヤが俺に質問をする。
『話せるわけないだろう。俺は猫なんだから!』俺は毛づくろいを終えて、フレヤに「ニャ、ニャ!」と答える。
「そうだよね、サクラ、変なこと言わないでよ。」フレヤが声を上げる。
『あれ?ちょっと待て…、人の言葉は話せないけど…。あれれ?…』俺は首を傾げて固まる。
「あら!可愛い!」サクラが声を上げる。
「レーニャ、どうしたんだ?」フレヤが俺に声をかける。
『あぁ…、なんでもないよ!』俺はフレヤに「ニャ、ニャ!」と答える。
「レーニャ、なんでもないのか?」フレヤが俺に確認する。
『うん、なんでもないよ!』俺はフレヤに「ニャー!」と答える。
「そうか…、う…ん…」フレヤが顎に手を当てて俺を見つめる。
「フレヤ、どうしたの?」サクラがフレヤに声をかける。
「いや、今私って、レーニャと自然に話せたよね?」フレヤがサクラに声をかける。
「そうね、自然に見えたわ…」サクラが答える。
「うん、ひょっとしたら、今みたいにレーニャとエレメントって、話をしてるんじゃないのかしら?」フレヤが声を上げる。
「なるほど、そうか…。エレメントがレーニャちゃんになにかを聞いて、それにレーニャちゃんが、ニャーとかニャ、ニャって、答えてるってことかしら?」サクラがフレヤに確認する。
「ねぇレーニャ、今サクラの言ったことで合ってる?」フレヤが俺に質問をする。
『いや、普通に話してるよ。』俺はフレヤに「ニャ、ニャ!」と答える。
「えっ…」フレヤが俺を見つめて固まる。
「ねぇ…、フレヤ…、レーニャちゃん、ひょっとして人の言葉が話せるの?…」サクラがフレヤに質問をする。
「いや…、でも…、レーニャはさっき…、話せないって言ったよ。」フレヤが答える。




