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気が付いたら猫でした…  作者: 小根畑 昌平
第16章 これはね、ご褒美よ

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09_あれ?なんだこれ…


「なにか、ございましたか?」サクラが近づいてきて、おじいさんに声をかける。

「いえいえ、あなたのその美貌、それからその物腰、ただのメイドさんではないとお見受けしますが、是非お名前をお聞かせくださいませんか?」おじいさんがサクラに声をかける。


『このジジィ、サクラに声かけて、なにしようとしてるんだ?』俺は心の中で呟く。

「名前ですか…、サクラと申します。」サクラが素直に答える。

「なるほど…、サクラさんですか…、えっ…」おじいさんが名前を聞いて、サクラを見つめたまま固まる。


「どうされました?」サクラが首を傾げる。

「ひょっ、ひょっとして…、剣聖のサクラさんですか?…」おじいさんがサクラを見つめて、裏返った声をかける。

「剣聖のサクラですか…。出来れば…、ユスクドの森のサクラと呼んでもらえませんか?」サクラがおじいさんに声をかける。


「そ、それでは…、エルシア様も、今この町にいらっしゃるんですか?」おじいさんがサクラに質問をする。

「はい。ですが…、今はご気分が優れないもので、馬車の中で休まれてます。」サクラが答える。

「なにか、あったのですか?」おじいさんがサクラに質問をする。


「いえ、大したことではありませんが、少々残酷なものを見てしまって…」サクラが答える。

「そうなんですか…、そうだ!丁度良い。私、これでも占いを商売としております。エルシア様とサクラさんの行く末を占ってみても、よろしいでしょうか?」おじいさんが微笑んでサクラに声をかける。


「まぁ、構いませんよ。」サクラが答える。

『占い?えっ!なに、このジジィこっち見つめてんの…』おじいさんがジッと俺を見つめる。

『レーニャちゃん、私たちは今、この占い師さんの水晶から見ているのよ。』エレクラが答える。


「ほぉ…、これは…」おじいさんが驚いた顔で声を漏らす。

「なにが、見えたんですか?」サクラがおじいさんに声をかける。

『俺が見えたのかな?』俺は心の中で呟く。


「はい、とても清楚で美しい女性が、安らかな表情で微笑みながら、とてもかわいい子を胸に抱いている姿が、水晶に出ました。」おじいさんが答える。

「それは、どういう意味でしょうか?」サクラがおじいさんに確認する。


「おそらく、この清楚で美しい女性はエルシア様ですね。ふむふむ、この表情からすると、新しい家族が出来るのでは、ないでしょうか?」おじいさんが答える。

『新しい家族…、フレヤのことかな?』俺は心の中で呟く。


「まぁ…、そうですか…」サクラは少し沈んだ顔で、おじいさんから視線を外して声を上げる。

『あれ?サクラ…、どうしたんだ?』俺はサクラを見つめて、心の中で呟く。

『あれ?なんかジジィが、しまったって顔してるぞ。』俺がおじいさんを見つめると、サクラの顔を見て不安な顔をしていた。


「あっ!そうだ、もう1つ占いましょう!」おじいさんが慌てた感じで声を上げると、ジッと俺を見つめる。

『なにか、ホントに見えてるのか?…』俺はおじいさんを見つめて、心の中で呟く。

「おぉ…、これは…」おじいさんが微笑みながら声を漏らす。


「なにが、見えたんですか?」サクラがおじいさんに声をかける。

「はい、先ほど見えた清楚で美しい女性が、楽しそうに微笑んでいる姿が見えます。」おじいさんが答える。

「まぁ!そうですか。」サクラが嬉しそうに微笑む。


『あっ!ホッとしてる。』俺が見つめると、おじいさんが安堵の顔をしていた。

「きっと、エルシア様は、もう少しでお元気になられますよ。」おじいさんが嬉しそうに、サクラに声をかける。

「お客さ~ん!」サクラの後ろから、女性の声が聞こえる。


サクラが振り返ると、向かいの店から1人の女性がこちらにやって来る。

「はい、忘れものですよ。」向かいの店から来た女性が、紙袋をサクラに差し出す。

「まぁ、私としたことが、ありがとうございます。」サクラが微笑んで紙袋を受け取る。


「あぁ…、これは、私が声をかけてしまったせいか…、申し訳ありません。」おじいさんがサクラに頭を下げる。

「いえいえ、私がうっかりしていたせいです。」サクラがおじいさんに声をかける。

『サクラもうっかりするのか…』俺は心の中で呟く。


「それから、これ!ハンカチを落とされてましたよ。」向かいの店から来た女性が、ハンカチをサクラに差し出す。

「あら!私としたことが、ありがとうございます。」サクラが驚いた顔をして、ハンカチを受け取る。

「落とし物には、気を付けてくださいね。」向かいの店から来た女性が、微笑んで声を上げる。


『サクラったら、落とし物までして…。落とし物には、気を付けて…、あれ?なんだこれ…』俺は心の中で呟く。

『あらら、レーニャちゃん、気が付いた?』エレクラが俺に声をかける。


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