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気が付いたら猫でした…  作者: 小根畑 昌平
第7章 7日目

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43_クビになっちゃたのか?


「そうだ、エルシア様。先ほど、ハンゾウの手の者が来て、エルシア様の命を狙った賊の正体が、わかったそうです。」サクラがエルシアに声をかける。

「ふ~ん、そう…」エルシアは特に驚くでもなく、興味のない声を漏らす。

「知りたくはないですか?」サクラがエルシアに確認する。


「別に…、知ったところで、私を襲えばどうなるか、もう充分わかったんじゃないの。」エルシアが吐き捨てるようにサクラに答える。

『なんか、エルシア、かっけぇ~!』俺はエルシアを見つめて、心の中で呟く。

「私は知りたい。サクラ教えて。」フレヤがサクラに声をかける。


サクラはフレヤを見つめた後、エルシアを見つめると、エルシアが小さく頷く。

「フレヤ、奴らの正体は、キョサツトと呼ばれる集団よ。聞いたことある?」サクラがフレヤを見つめて、声をかける。

「キョサツト…、聞いたことないわ。」フレヤが顎に手を当てて考えた後、首を左右に振る。

『キョサツト?俺も聞いたことねぇ~な~』俺はフレヤを見つめて、心の中で呟く。


「それで、そのキョサツトって、どんな集団なの?」フレヤがサクラに質問をする。

「うん、キョサツトと呼ばれる集団は、元々は傭兵の集まりなのよ。」サクラが答える。

「傭兵?戦争なんて、この大陸では、もう600年以上、無いでしょ…」フレヤが不思議そうな表情で、声を漏らす。


「そうね、この大陸で起きた最後の戦争は、レプティリアンの帝国侵攻ね。フレヤ、その前に起きた100年戦争は、知ってるわよね。」サクラがフレヤに確認する。

「うん、学校で教わった。マンソンジュとケラヴノスの100年戦争ね。」フレヤがサクラに答える。

『おう、俺もコイケヤに教わった。』俺はフレヤを見つめて、心の中で呟く。


「あの戦争で、マンソンジュは多くの兵士を失ったわ。そして、失った兵士を補うために、大陸中から兵士を募った。」サクラがフレヤに説明をする。

「そのときに集まったのが、キョサツトっていうこと?」フレヤがサクラに確認する。

「うん。但し、キョサツトと呼ばれるようになったのは、戦争が終わった後よ。」サクラがフレヤに説明をする。


「100年戦争が終わった後、傭兵たちはマンソンジュの王に対して、そのまま兵士として雇ってもらうことを要求したわ。しかし、長期の戦争、それから増えすぎた兵士を雇う力は、マンソンジュの国には無く、お役御免として、傭兵たちを解雇した。」サクラが説明をする。

「解雇…、傭兵たちはどうなったの?」フレヤがサクラに質問をする。

『解雇…、クビになっちゃたのか?』俺はサクラを見つめる。


「解雇された傭兵たちが、マンソンジュの各地で暴動を起こしたわ。マンソンジュの王は、帝国や各国に支援を要請し、マンソンジュの暴動鎮圧が開始された。そんなときに、レプティリアンたちが、サイタマに侵攻を開始した。」サクラが淡々と説明をする。

『ありゃりゃ、どうなっちゃうの?』俺はサクラを見つめる。

「ちょっと待って、マンソンジュの暴動鎮圧なんて、歴史で習ってないわよ。」フレヤが驚いた表情で、声を上げる。


「そうね、消された歴史ね…」エルシアが声を漏らす。

『消された歴史…』俺がエルシアを見つめると、目が合って、エルシアが俺を見て微笑む。

「どういうことですか?」フレヤがエルシアに質問をする。


「傭兵たちは、帝国にも兵士として、雇ってもらうことを要求していたのよ。でも、帝国も傭兵たちの要求を拒んだわ。帝国としても、暴動の一端を担っているのよ。帝国としては、消したい歴史だわ。」エルシアが俺を見つめながら答える。

『うわぁ~、そうなんだ…』俺が見つめていると、エルシアがまた俺を見て微笑む。

「フレヤ、レプティリアンの帝国侵攻は、わかるわよね。」サクラがフレヤに質問をする。


「うん、サイタマが10日、マンソンジュは3日で、レプティリアンに国を奪われた。そして、サイタマとマンソンジュから、レプティリアンが帝国に侵攻を始めたときに、行方知れずだった皇帝の血を受け継いだ、クラウス皇帝が現れた。」フレヤがサクラに答える。

『ふ~ん、戦争が終わった後、そんなことがあったんだ。』俺はフレヤを見つめて、感心する。


「フレヤ、不思議だと思わない。サイタマは10日も、レプティリアンの侵攻を食い止めたのに、マンソンジュは3日しか持たなかった。」サクラがフレヤに確認する。

『あっ!ホントだ。10日と3日だ、なんでそんなに違いがでたんだ?』俺はサクラを見つめて、疑問に思う。


「うん、私も不思議に思って、先生に聞いたときには、マンソンジュは100年戦争で、力を失っていたって…、あっ!ひょっとして…、傭兵たちの暴動のため?」フレヤが顎に手を当てて答えた後、サクラに確認する。

『あぁ、なるほど、そういうことか…』俺はフレヤを見つめて、納得する。


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