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気が付いたら猫でした…  作者: 小根畑 昌平
第7章 7日目
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39_大変、良くわかりました!


『あぁ、食った、食った。』俺はお椀の中のササミを食べ終えて、毛づくろいを始める。

「レーニャ、今日も綺麗に食べたわね。」エルシアが俺に声をかける。

『うん、ごちそうさま~!』俺はエルシアを見つめて「ニャ~!」と声をかける。


「すみません!スープのおかわりをお願いします。」マティルデの隣の少年が手を上げる。

「ぼ、僕もお願いします!」その隣の少年も手を上げる。

「はい、ちょっとお待ちください。」メイド服の女性が声を上げて、ワゴンを押して少年たちのところに来る。


「ケイテさん、俺、マシマシでお願いします。」最初に手を上げた少年が、メイド服の女性に声をかける。

「あっ!ケイテさん、ぼ、僕もマシマシのマシマシで、お願いします。」その隣の少年が声を上げる。

『マシマシ?ニンニクか、アブラか?』俺は2人の少年を見つめて、首を傾げる。


「カール、ドミニク、エルシア様の前なんですよ。」アンナが2人の少年に声をかける。

「アンナ、良いではないですか、カール、ドミニク、すっかり大きくなりましてね。」エルシアが2人の少年に声をかける。

『この2人は、カールとドミニクなんだ。どっちがカールだ?』俺は2人の少年を見つめる。


「はい、カールさん。」メイド服の女性が、最初に手を上げた少年の前にスープを注いだお皿を置く。

「ケイトさん、ありがとう。」最初に手を上げた少年が、メイド服の女性に声をかける。

「はい、次はドミニクさんね。」メイド服の女性が、隣の少年のお皿を持ち上げる。

『なるほど、この少年がカールで、こっちがドミニク。メイドさんが、ケイトだ。』俺は3人を見つめて、心の中で呟く。


「あなたたちも、明日、明後日は大変ね。」エルシアが声を上げる。

「いえ、これも帝都の学校に通う我々の役目ですから、しっかりと務めさせていただきます。」クロウが爽やかに答える。

「くれぐれも、怪我など無いように、務めてくださいね。」エルシアがテーブルの両脇を見渡して、声をかけると少年少女が静かに頷く。

『務めるって、なに務めんだ?』俺はクロウに「ニャー?」と確認する。


クロウが俺を見つめて、目をパチパチとする。

「どうしたのレーニャ?クロウがどうかした?」エルシアが俺を見つめて声をかける。

『えっ!あっ!』俺はエルシアに「ニャ、ニャ」と答える。

『あっ!またどっか見てる。』エルシアは俺から視線を外すと、前をジッと見つめる。


「レーニャ、ひょっとして、明日、明後日、クロウたちがなにをするのか、知りたいの?」エルシアが俺を見つめて質問をする。

『その通り!』俺はエルシアに「ニャー!」と答える。

「うん、そう。」エルシアが俺を見つめて微笑む。


「あの…、エルシア様…、ひょっとして、レーニャちゃんがなにを言ってるのか、わかるんですか?」マティルデが、驚いた表情で質問をする。

「あぁ、少しだけね。」エルシアが答えると、マティルデが驚いた表情で俺を見つめる。

『クロウ、早く教えて!』俺はマティルデから視線を外して、クロウを見つめて「ニャー!」と声を上げる。


クロウは俺を見つめた後、エルシアを見つめると、エルシアが静かに頷く。

「レーニャちゃん、明日、明後日、僕たちはね、帝国の兵士の方たちと、陛下の葬礼と殿下の即位式の警護をするんだ。」クロウが俺を見つめて説明をする。

『おぉ、それは大変だな!』俺はクロウに「ニャー!」と声をかける。


「但し、警護をするのは、15歳以上の学校で剣術を専攻している学生たちだけだ。」クロウが俺を見つめて、説明を続ける。

『うん、それで、それで!』俺はクロウに「ニャー!」と声をかける。

「うん、それで他の学生たちは、警護をする兵士の方たちと学生の食事を準備したり、後は各国から来ている方の案内とかをするんだ。これで、いいかい?」クロウが俺を見つめて確認する。


『大変、良くわかりました!』俺はクロウに「ニャー!」と答える。

「プッ!」背中で吹き出すような声が聞こえて、振り向くとアンナが口を押さえて俯いていた。

『ん?』前を向くと、口を押えたマティルデが顔を真っ赤にしていた。


「すみません!スープのおかわりをお願いします。」右側の奥から3番目の少年が手を上げる。

『おっ!マオだ。』俺は手を上げたマオを見つめる。

「はい、ちょっとお待ちください。」ケイテが声を上げて、ワゴンを押してマオのところに向かう。


「実に興味深い…」声がするので、振り向くとラースが顎に手を当てて俺を見つめていた。

「確かに、これは驚いた…」ダニエルは腕を組んで、俺を見つめる。


『あっ!こいつ、完全に笑ってるな。』俺は俯いたまま肩を震わせているアンナを見つめて、心の中で呟く。


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