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気が付いたら猫でした…  作者: 小根畑 昌平
第7章 7日目

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31_アルベルタの膝の上


「ブリッツは、どうしたんだ?」殿下がメリセントに声をかける。

「はい、お城でお留守番をしております。」メリセントが殿下を見ずに、俺を見つめながら答える。

「うん、そうか…」殿下はメリセントから視線を外して声を上げる。


俺たちは殿下たちと馬車に乗っていて、俺は布を外してもらって、アルベルタの膝の上にいる。

アルベルタの前にはエルシアが座っていて、右隣にサクラ、左隣にフレヤが座っている。


「それにしても、ホントに大人しい子ね。」メリセントがアルベルタの隣で、俺を見つめながら声を上げる。

『あぁ~、やべぇ~、気を失いそう…』俺はウトウトしている。

「今日は、朝早くから起きてて、まだ寝てないですから、眠いのかも知れません。」フレヤが声を上げる。


「あら、それで大人しいの?」メリセントがフレヤに声をかける。

「あっ!はい…、いつもは馬車に乗ると、直ぐに窓のところに行くんです。」フレヤが恥ずかしそうにメリセントに答える。

「あら、そしたら、レーニャはホントはお転婆さんなのかしら?」メリセントが俺に声をかける。


「いいえ、お母様、レーニャは食事の前にいただきますをする、良い子なのです。」アルベルタが明るく声を上げると、俺の頭を優しく撫でる。

「そう~、レーニャは良い子なのね~、アルベルタはどうなのかしら?」メリセントがアルベルタに声をかける。

「えっ…」アルベルタは動きを止めて、バツが悪そうな顔をしている。

「メリセント、そういう言い方は、あまり良くないぞ。」アルベルタの隣に座っている殿下が、メリセントに声をかける。


「あら、ならば、どのような言い方が、よろしいんでしょうか?」メリセントが殿下を見つめて、声をかける。

「いや、だから…」殿下がメリセントから視線を外して、言葉を詰まらせる。

『あら、アルベルタ泣きそう。』アルベルタが俯いて眉間に皺を寄せて、口がへの字になってる。


「アルベルタ様、メリセント様に先におっしゃることが、あるんじゃないですか?」エルシアがアルベルタに優しく声をかける。

アルベルタが顔を上げると、エルシアが優しく微笑んで頷く。

「お母様、申し訳ありませんでした。」アルベルタが声を上げると、メリセントに頭を下げる。

『アルベルタ、なんで謝ってんだ?』俺が不思議に思っていると、フレヤもキョトンとした顔をしている。


「アルベルタ、頭を上げなさい。私はとても心配したのですよ。」メリセントが優しく声をかけると、アルベルタが顔を上げる。

「アルベルタ、今回の旅は楽しかったのですか?」メリセントがアルベルタに質問をする。

アルベルタは黙ったまま、メリセントを見つめる。

「楽しくなかったの?」メリセントがアルベルタに確認する。


「楽しかったです…」アルベルタが俯いて小さな声で答える。

「えっ!良く聞こえないわよ。」メリセントがアルベルタに声をかける。

「お母様、楽しかったです!」アルベルタが顔を上げて、大きな声で答える。


「そう、楽しかったのですね。それなら、その楽しい話を聞かせてくれたら、今回の件は許してあげます。」メリセントが優しく微笑んで、アルベルタに声をかける。

「はい!お母様。」アルベルタが笑顔でメリセントに答える。

『あっ!みんな笑ってる。』エルシアやサクラ、フレヤが優しく微笑んでいた。


「そうだ、エルシア、この人から話は聞いた?」メリセントがエルシアを見つめて声をかける。

「はい、大変名誉のあるお話ですが、私には勤まりそうにもありません。」エルシアが首を横に振って答える。

「そう…、ひょっとして、この人が頼んだから、断ったの?」メリセントが殿下を指して、エルシアに確認する。

『あっ!なんか怒ってる。』殿下を見ると、ムッとした顔でメリセントを見つめていた。


「いえいえ、決してそのようなことは、ございません。」エルシアが手を前で振って、慌てて答える。

「そうなの~」メリセントが困った表情で声を上げる。


「お母様、なんのお話ですか?」アルベルタがメリセントに質問をする。

「実はね、エルシアに帝国の大臣をやってもらおうと、思っていたの。」メリセントがアルベルタに答える。

「エルシアが大臣をするのですか?」アルベルタがメリセントに確認する。

「ううん、お願いしたけど、断られちゃった。」メリセントが微笑んで、アルベルタに答える。


「そうだ、もう1つのお願いも、ダメなのかしら?」メリセントがエルシアに声をかける。

「あっ!それは…」エルシアが隣のフレヤを見つめる。

「あら、ひょっとして、まだ言ってないの?」メリセントがエルシアからフレヤに視線を移す。

メリセントに見つめられて、フレヤがキョトンとしている。


『ん!なんだ?…、フレヤのこと…、あ…、ダメだ…』俺は意識を失う。


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