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気が付いたら猫でした…  作者: 小根畑 昌平
第7章 7日目

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07_戦争は数だよ!兄貴!


『そうだ、戦争だ。人の邪な欲望が、戦争を巻き起こし、1つの国が亡んだ。』コイケヤは冷たい声で、俺に説明をする。

『国が亡ぶ…、あっ!シュヴノワールフ。』俺は心の中で呟く。

『うむ、シュヴノワールフの国が亡んだのとは、内容が違うかな。』コイケヤが声を上げる。

『違うの?』俺はコイケヤに確認する。


『あぁ、実はな、次の皇帝になる者が、マンソンジュの兵士団に守られて、マンソンジュからケラヴノスの国に入って、ほどなく襲撃を受けた。』コイケヤが俺に説明をする。

『襲撃…』俺は心の中で呟く。


『兵士団は壊滅し、生き残った者はごく僅か、それも負傷者だらけだった。そして、問題は次の皇帝になる者が、襲撃を受けた後に、行方知れずとなってしまったのだ。』コイケヤが俺に説明をする。

『行方知れず…、どこに行っちゃたの?』俺はコイケヤに確認する。


『う~ん、まぁ、少し待て、この話はそもそも、エルシアたちがなぜ人前で、本来の力を見せないのか、だろう。』コイケヤが俺に声をかける。

『あぁ…、そうでした…』俺が心の中で呟く。


『マンソンジュは、次の皇帝を襲撃した者が、ケラブノスであると断言し、ケラブノスに戦争を仕掛ける。』コイケヤが俺に説明をする。

『いきなり、戦争を仕掛けちゃったの?話し合いとか…、そうだ!帝国とか、他の国は戦争を止めなかったの?』俺はコイケヤに確認する。

『レーニャは、質問が多いな…』コイケヤが呆れた声を上げる。


『あっ!ごめんなさい…』俺はコイケヤに謝る。

『そうだな、戦争に至るまでの経緯、それから、行方知れずとなった次の皇帝については、またゆっくり話してやる。先ずは、その戦争で、ハッキリしたことがある。』コイケヤが俺に説明をする。

『ハッキリしたこと…』俺は心の中で呟く。


『そうだ、それはケラブノスのリカントの民が、強いということだ。』コイケヤが俺に説明をする。

『そうか、リカントの民は強いんだ…』俺はまた、大きな狼男が人をなぎ倒していくの想像する。

『その力は、500万のマンソンジュの兵士を、たったの2万で倒してしまったのだ。』コイケヤが呆れた声で、俺に説明をする。

『戦争は数だよ!兄貴って、そんなことないんだ…』俺が心の中で呟く。


『レーニャよ、何度も言うが圧倒的な力とは、味方であれば心強いが、敵となれば脅威となる。わかるか?』コイケヤが俺に確認する。

『なら…、味方につけておけば、良いんじゃないの?』俺がコイケヤに答える。

『フハハハハ…、レーニャ、その通りだ!お前がそのときに皇帝であれば、きっとケラヴノスの国を救えたかも知れんな。』コイケヤは笑った後に、優しい声を俺にかける。


『話を戻そう、戦争は100年以上続いた。』コイケヤが説明を続ける。

『100年…』俺は心の中で呟く。

『戦争の終わりは、実にあっけなかった。そのときのケラブノスの王が、帝都に赴き、アルベルタ皇帝から賜った国を帝国に変換する。』コイケヤが俺に説明をする。


『国を変換…、それじゃケラヴノスの国は、帝国の領土になったの?』俺はコイケヤに確認する。

『あぁ、帝国の領土となった。しかし、リカントの民は、ケラヴノスの国があった場所から姿を消す。』コイケヤが俺に説明をする。

『リカントの民は、どこに行ってしまったの?』俺がコイケヤに確認する。

『さぁ、どこにいったのだろうな?』コイケヤが惚けた声で答える。


『コイケヤ、知らないの?』俺がコイケヤに確認する。

『知っているが、今はリカントの民がどこに行ったのかは、どうでも良いことだろう。』コイケヤが俺に声をかける。

『でも、気になるな…』俺は心の中で呟く。


『これだけは、教えてあげよう。リカントの民の子孫は、今もこの帝国や他の国の中で生きているぞ。』コイケヤが優しい声で、俺に説明をする。

『生きてるの!誰?』俺がコイケヤに質問をする。

『しょうがないなぁ~、まぁ、これは帝国でも有名な話だから、教えよう。この城の城主だ。』コイケヤが俺に説明をする。


『この城?城主?…、どういうこと?』俺がコイケヤに質問をする。

『そうか、そういえば、レーニャはここがどこだか、わかってなかったのか?』コイケヤが俺に確認する。

『はい、まったく。』俺はコイケヤに答える。


『ここは、カーマの町を治める、あのフランツという男の城だ。』コイケヤが俺に説明をする。

『あぁ…、えっ!そしたら、フランツって、狼男になっちゃうの?』俺がコイケヤに確認する。

『いや、リカントの民は姿を消す前に、大きな狼の姿になる方法を秘匿し、子孫には伝えないことを決めたのだ。』コイケヤが俺に説明をする。


『秘匿…、子孫には伝えなかったんだ…』俺は少し気落ちする。

『どうしたのだ?レーニャ。』コイケヤが俺に優しく声をかける。

『いや、狼男、ちょっとだけ見たかったから…』俺はコイケヤに答える。


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