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気が付いたら猫でした…  作者: 小根畑 昌平
第7章 7日目
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01_今日の晩御飯は?


『フカフカだぁ~』俺は干されて取り込んだばかりの布団の上で、うつ伏せに寝転んでいる。

「こら、アキオ。早く部屋に運んじゃいなさい。」かぁちゃんが俺に声をかける。

「えぇ~、もうちょっと、こうしてたい。」俺はかぁちゃんに答える。


「なにやってるの?アキオ。」声がして振り向くと、ねぇちゃんが立っていた。

「フカフカなんだよ~!」俺はねぇちゃんに答える。

「ふ~ん、どれどれ。」俺の体の上にねぇちゃんが、乗ってくる。


「重いよ、ねぇちゃん!」俺は下敷きになって、声を上げる。

「こらこら、アキナまで、なにやってるの~」かぁちゃんが呆れた声を上げる。

「う~ん、可愛い弟とのスキンシップ!」ねぇちゃんは声を上げると、そのまま俺を布団に押さえつけるように、体を上から押し付ける。


「ホントだ!フカフカだぁ~!」ねぇちゃんが嬉しそうに俺の耳元で声を上げる。

「ねぇちゃん、重いよ~」俺は体を動かして、ねぇちゃんの下から這い出そうとする。

「なんだと~、このおねぇちゃんが、重たいだと。」ねぇちゃんは声を上げながら、這い出そうとする俺を押さえつける。


「アキナ、そんなことしてて、いいの?これから、出かけるんでしょう。」かぁちゃんが声を上げる。

「あっ!そうだった。本屋さん行かなきゃ。」俺を抑え込んでいた、ねぇちゃんの体が背中から離れる。

「本屋さん!ねぇちゃん、なに買いに行くの?」まだ俺の尻の上に跨っているねぇちゃんに、俺が質問をする。

「ん!、参考書よ…」ねぇちゃんが溜息を付きながら、俺に答える。


「参考書か、マンガの本じゃないんだ。」俺はねぇちゃんに声をかける。

「アキオも今のうちよ~、マンガなんて読んでいられるのも、あと5年もしたら、私と同じ立場になるからね~」ねぇちゃんが俺に声をかける。

「ねぇちゃん、なんで大学は受験しなきゃいけないの?」俺がねぇちゃんに質問をする。


「こらこら、アキオはその前に高校も、受験しなきゃいけないのよ。」ねぇちゃんが俺に声をかける。

「えっ!高校も受験しきゃいけないの?」俺がねぇちゃんに確認する。

「そうよ、決まってるじゃない。義務教育は中学までよ。」ねぇちゃんが俺に答える。


「ふ~ん、受験生になるまで、5年もあるのか…」俺は5年の年月が、長いものに感じた。

「こらこら、アキオ、もう5年しかないのよ。フフフフ…」ねぇちゃんが俺に声をかけて、笑い声を上げる。


「そうだ、アキナ。晩御飯なにが食べたい?」かぁちゃんがねぇちゃんに声をかける。

「えっ!まだ、考えてないの?」ねぇちゃんが確認する。

「うん、昼はそうめんだったから、夜はなににしようかと思って…」かぁちゃんが声を上げる。


「それじゃ、カレーにして!かぁちゃんのカレーが食べたい!」ねぇちゃんが声を上げる。

「えぇ~、カレーかぁ~」俺が声を上げる。

「なに、アキオ。なにか食べたいものがあるの?」かぁちゃんが俺に質問をする。


「夏休みだし、お寿司がいい!」俺が答える。

「お寿司か~、それもいいわね。うん、私も今日はお寿司がいい!」ねぇちゃんが声を上げる。

「そう、わかたっわ。それじゃ、今日は手巻き寿司にしようか。」かぁちゃんが声を上げる。


「やったー!マグロだぁ~!」俺は嬉しくて声を上げる。

「そしたら、アキナ、お金渡すから、帰りにスーパーで手巻き寿司のネタ買って来てよ。」かぁちゃんがねぇちゃんに声をかける。

「うん、わかった!」ねぇちゃんが答える。


「ねぇちゃん、早く買い物に行けよ!」俺がうつ伏せになりながら、声を上げる。

「なんだ~、アキオ~、その言い方は~、そんな口の利き方をする悪い子には…、コチョコチョコチョコチョ~」ねぇちゃんが俺の脇腹をくすぐり始める。

「キャハハハハ!やめて~、キャハハハハハ…」俺はくすぐられて、笑い声を上げる。


「もう、アキナ。アキオから離れなさい。」かぁちゃんがねぇちゃんに声をかける。

「は~い。」ねぇちゃんが返事をして立ち上がる。

「アキナ、ちょっと待って、今買うものメモするから。」かぁちゃんが声を上げる。


「ねぇちゃん!マグロだぞ!」俺は布団の上に上半身を起こして、メモを書くかぁちゃんの隣に立っているねぇちゃんに声をかける。

「マグロ?、ふ~ん、スーパーで売れ切れてなきゃ、いいわね~」ねぇちゃんが俺を揶揄うように声をかける。

「絶対!マグロ!買って来てよ!」俺はねぇちゃんに声をかける。


「わかったわよ~。あっ!そうだ、アキオも一緒に来る?」ねぇちゃんが俺に声をかける。

「行かな~い!」俺は声を上げると、また布団の上にうつ伏せになる。

「もう、つれないなぁ~」ねぇちゃんが声を上げる。


『あれ?なんだこれ?ねぇちゃんじゃない…』俺の体が布団の上で、なにかに押さえつけられる。

『う…、お、重い…、や、ヤバい…、た、助けてー!』俺は「ニャー!」と声を上げて目が覚める。

『あら?真っ暗!てか、重い…』俺はズリズリと這い出して、体を押さえつけていた正体を確認する。


『あら!アルベルタ?』俺の目の前には、スヤスヤと寝息をたてるアルベルタがいた。


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