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気が付いたら猫でした…  作者: 小根畑 昌平
第6章 6日目

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45_首がぁ~!


「早く!隠れろ!」垣根に潜んだ黒づくめの奴が、裏口のところにいた黒づくめの奴に声をかける。

裏口のところにいた黒づくめの奴は、裏口から離れてそのまま壁に身を預ける。

『あっ!ヴァルムとニックスだ!』裏口の扉が開いて、店の中の明かりが外を照らし、ヴァルムとニックスが現れる。


『ラッキー!今なら安全に帰れる。いやまて、ヴァルムとニックスは、潜んでいる奴らに気づいているのか?』俺はヴァルムとニックスを見つめて、心の中で呟く。

『ヴァルムとニックスに教えなきゃ…、どうやって?…』俺は考える。


「アモル卿!レーニャは見つかりました?」裏口からエルシアの泣きそうな声が聞こえる。

『やばい、エルシアも来た。えっとえっと…』俺は慌てる。


「あっ!グリュックゼーレ卿、いけません。」ヴァルムの声がして、エルシアが裏口から飛び出してきた。

「レーニャ!レーニャ!どこなの?」エルシアが裏口で、泣きそうな顔で俺の名前を呼ぶ。

『エルシア!危ない!』俺は「ニャー!」と大きな声を上げて、垣根を飛び出すとエルシアに向かって走る。


「レーニャ!ダメじゃない、勝手に外に出たら。」エルシアが微笑んで、しゃがむと俺に向かって両手を広げる。

『エルシア!だから、敵がいるんだよー!』俺はエルシアに向かって走りながら、「ニャー!」と声をかける。

「今だ!やれー!」男性の声が聞こえて、黒づくめの奴らが垣根から飛び出してきた。


「グワーッ!」悲鳴が聞こえて見ると、ニックスが黒づくめの奴の1人の首に噛みついていた。

『うわぁー!喰われてるー!』俺は驚いて立ち止まると、「ニャー!」と声を上げる。

「構うな!エルシアをやれー!」黒づくめの奴らが、しゃがんだままのエルシアに襲い掛かる。


『エルシア!危なーい!えっ!あれ?』俺は「ニャー!」と声をかけるが、エルシアは俺を見つめたまま微笑んでいる。

次の瞬間なにかが、しゃがんだエルシアと黒づくめの奴らの間を通り過ぎる。

「サクラ!1人は生かしておきなさい!」エルシアが声を上げる。


「ギャァー!」声が上がった先を見ると、黒づくめの奴が声を上げていた。

『えっ!他の奴は?』エルシアの周りをと囲んだ、黒づくめの奴らが1人、1人と倒れて行く。

『ギャー!首がぁ~!』倒れた黒づくめの奴らは、胴体から頭がさよならしていた。


「レーニャ!早く、いらっしゃい。」エルシアが優しく微笑んで、俺に声をかける。

『エルシア~!』俺は「ニャ~!」と声を上げて、倒れた黒づくめの奴らを横切って、エルシアに向かって走る。

「もう~、心配したんだから…、良かった。」傍に来た俺をエルシアは優しく抱き上げると、頭を撫でながら立ち上がる。

『エルシア…』エルシアの顔を見ると、目が涙で潤んでいた。


「流石ですね、サクラさん。」ヴァルムが声を上げる。

『えっ!サクラ?』俺がヴァルムの方を見ると、サクラが剣を持って立っていた。

「いえ、ヴァルム様とニックスちゃんが、後ろの敵を抑えてくれたからです。」サクラが答える。

『あっ!ひょっとして、今エルシアの前横切ったのサクラ…』俺はサクラを見つめて、心の中で呟く。


「ダメじゃない、サクラ1人は生かしておかないと。」エルシアがサクラに声をかける。

「エルシア様、大丈夫です。右腕を切り落としただけですから。」サクラが涼しい顔で答える。

『サラッと、怖いこと言うな…』俺はサクラを見つめる。

「グッ、グゥ…」黒づくめの奴が、右腕があったと思われるところを押さえて蹲っている。


「苦しんでるところ悪いんだけど、あなたたちの雇い主は誰?」サクラが蹲っている黒づくめの奴に声をかける。

「し、知らん…、俺は下っ端だ…、ひと思いに殺せ!」蹲っていた黒づくめの奴が、顔を上げてサクラに向かって声を上げる。

「そう…、なら、あなたたちは、なに者なの?」サクラが黒づくめの男に質問をする。

黒づくめの奴は、サクラから視線を外して俯く。


「答えないと、もっと痛い目に合うわよ。」サクラが淡々とした口調で、黒づくめの奴に声をかける。

『痛い目…、拷問とか、拷問とかするのかな…』俺は無表情で黒づくめの奴を見つめる、サクラを見つめる。

「お…、俺たちは…」黒づくめの奴が、俯きながら声を漏らす。


「ん!なーに?良く聞こえないわね。」サクラが屈んで、黒づくめの奴に声をかける。

「教えるわけないだろうー!」黒づくめの奴が、サクラに向かって立ち上がった瞬間、サクラが後ろに飛ぶ。


「エルシア様、申し訳ありません。また、手掛かりが無くなってしまいました。」サクラが振り返って、エルシアに声をかける。

「まぁ、しょうがないわね…」エルシアが溜息を付きながら、声を上げる。

『えっ…、あっ!』立ち上がった黒づくめの奴は、左手にナイフを持って突き上げる姿勢で立っていたが、そのまま前のめりに倒れる。


『ギャー!また、首がぁ~!』倒れた黒づくめの奴の頭が、胴体からさよならしてた。


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