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気が付いたら猫でした…  作者: 小根畑 昌平
第6章 6日目

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27_首尾は上々!


「あなた!どういうことですか!」大きな声を上げて、黒髪のドレス姿の女性が近づいてくる。

『誰だ?おの人…』俺は近づいてくる女性を見つめる。

「お、奥様、お待ちください…」後ろを鎧を着た男性が、必死に声をかけて女性が進むのを止めようとしている。

「アズラク、よい!」フランツが声をかけると、鎧を着た男性がその場で立ち止まる。


「大きな声を出して、どうしたのだ?ヒラソル。」フランツが女性に近づきながら、声をかける。

『あれ?あの人、誰かに似てる…』俺は女性の顔を見つめて、心の中で呟く。


「どういうことですか、宴会を急に中止するとは?」女性は今にもフランツを殴りそうな勢いで、声をかける。

「ヒラソル、周りを見なさい…」フランツが溜息を付きながら、女性に声をかける。

「へっ!」女性はフランツから視線を外して、周りをゆっくりと見つめる。


俺も女性が見つめる先を一緒に見つめると、エルフの人たちとその横にヴァルムとエルシアを見つけて、驚いた表情をしてから2人に対して頭を下げる。

ヴァルムとエルシアは、優しく微笑むと女性に対して頭を下げる。

「あっ!」女性が顔を上げて、エルシアの横を見ると、パッセル一向がバツが悪そうに、女性を見つめていた。


女性はバツが悪そうに頭を下げると、パッセル一向もバツが悪そうに頭を下げる。

『なんだろう…、あっ!イリアンソスにそっくりだ!』俺は女性とイリアンソスを交互に見つめる。

女性は再び顔を上げて、視線を移してフランツの後ろに殿下とキュールを見つける。


「あっ!殿下!」女性は殿下を見つめて固まる。

「ヒラソル、ただいま!」殿下は女性と目が合うと、さわやかに声をかける。

「いえ…、殿下…、お見苦しいところをお見せしてしまい、誠に申し訳ありません。」ヒラソルが殿下に頭を下げる。


「いや、ヒラソル…」殿下が女性に声をかけようとしたとき、フランツが殿下に向かって、広げた片手を上げて制止するような姿を見せる。

「ヒラソル、すまなかった。せっかく、準備をしていたのに、急に止めるようなことをしてしまって。」フランツが女性に優しく声をかける。

「いや…、でも…」女性がフランツを見つめる。


「先ほどな、殿下のお顔を見て、ネーベルの酒場に急に行きたくなってしまってな。」フランツが優しく女性に声をかける。

「ネーベルの酒場ですか!」女性が驚いたような、嬉しそうな表情をする。

「どうだ、アルベルタ様もいらっしゃるので、子どもたちも一緒に連れて、行かないか?」フランツが女性に優しい声で確認する。

「それは、良いお考えです!」女性は嬉しそうに答える。


「そうだ、宴会用で準備した食事は、兵と使用人たちの晩御飯にして、お前は子供たちを連れてきなさい。」フランツが女性に優しく声をかける。

「かしこまりました。」女性はフランツに嬉しそうに答えると、踵を返してそそくさと立ち去った。

『なんだろう?嬉しそう…』俺は立ち去る女性を見つめながら、心の中で呟く。


「フランツ様、申し訳ありませんでした。」女性に声をかけて追いかけて来た、鎧を着た男性がフランツに声をかける。

「なーに、アズラク、こうなることはわかっておったわ。」フランツが溜息交じりに、鎧を着た男性に声をかける。

「ところで、アフマルの方は、大丈夫でしょうか?」鎧を着た男性が、フランツに確認する。

「ん、あいつのことだ、なんとかするだろう。しかし、少し時間がかかるかな?」フランツが答えると、鎧を着た男性が無表情でフランツを見つめる。


「フランツ様ー!」酒場に行けと命令された男性が、声を上げて走って向かってきた。

「おぉ、アフマル!早いな~、首尾はどうだった!」フランツが、走ってくる男性に声をかける。

「はい!ネーベルの酒場、貸し切りに出来ました~!」走ってくる男性は、嬉しそうにフランツに答える。

「アフマル!良くやった!」フランツが走ってくる男性に声をかける。


「フランツ、すまぬな、私の我儘のせいで…」殿下がフランツに近づいて、声をかける。

「いえいえ、殿下のためとあれば、なんの苦もございません。」フランツは微笑みながら、殿下に答える。

『えっと、さっき来た女性がヒラソルで、酒場に行ったあいつが、アフマル。それから、ヒラソルを追いかけてきたのが、アズラクか…、うん、覚えたぞ。』俺は心の中で呟く。


「それでは、ヒラソルが戻ってきたら、出発いたしましょう!」フランツが殿下に声をかける。

「ところで、町まではどうやって行くつもりだ?」殿下がフランツに確認する。

「そうですね、私の馬車と…、パッセル様の馬車があれば、後はウエントゥス卿率いる親衛隊の方々は…、そのまま馬で移動してもらって、構わないですか?」フランツがキュールに確認する。

「はい、問題ございません。」キュールが優しい声で答える。


『酒場か…、えっ!俺も行けるのかな?』俺は酒場と聞いてワクワクしたが、少し不安になる。


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