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気が付いたら猫でした…  作者: 小根畑 昌平
第6章 6日目

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24_ごちゃごちゃに重なり合ったエルフの人たち


「まぁ、可愛い~」他のエルフの人たちが、キュールの周りに集まって、腕の中に抱かれたアルベルタを微笑みながら見ている。

『なんか、スゲー絵ずら…、大きさの対比がおかしくて、アルベルタが赤ちゃんに見える。』俺はいつも通り、布に包まれてフレヤの前にぶら下っている。


「ほら、あなたたち、道を開けなさい。」キュールが声をかけると、周りに集まったエルフの人たちがサッとキュールの傍から離れる。

キュールはアルベルタを抱いたまま、前に歩き出す。

『どこ行くんだろう?あっ!殿下だ。』キュールが向かう先には、殿下が立っていた。


「殿下、アルベルタ様をお連れしました。よく眠ってらっしゃるので、私が抱っこさせていただきました。」キュールが殿下に声をかけて、腕の中のアルベルタを前に差し出す。

「おぉ、そうか、それはすまなかった。」殿下が後ずさりしながら、キュールに声をかける。

「どうなさいました?殿下。」キュールが不思議そうな声を上げる。


「いや、なんでもない。あっ!そうだ、キュール、よく眠っているようだし、アルベルタをそのまま、抱いていてくれないか?」殿下がキュールに声をかける。

「よろしいので、ございますか?」キュールが嬉しそうに殿下に確認する。

「うん、よろしい!」殿下がさわやかに笑顔見せて、キュールに答える。

『えっ!ひょっとして、殿下も怖がってるの…』俺は殿下を見つめて、心の中で呟く。


「あら、まぁ~、こちらも可愛い~」エルフの人たちが、フレヤの前にぶら下った俺を見つけて、今度はフレヤが周りを囲まれる。

『うわっ!巨人たちだ!』俺はエルフたちをキョロキョロと見上げる。

「ダメよ!怖がっているじゃない。みんなしゃがみなさい。」エルフの中の1人が声を上げて、フレヤの前にしゃがみ込むと、周りを囲むエルフたちもしゃがみ込む。


『尖った耳がいっぱい!あっ!この人オネットだ。』俺は目の間にしゃがんだオネットを見つめて、心の中で呟く。

「オネット、その子はレーニャちゃんって、お名前なのよ。挨拶してごらんなさい。」しゃがんだエルフの人たちに、横に立ったヴァルムの声がかける。

「はい?」オネットを含め、俺の前にしゃがんだエルフの人たちが、首を傾げる。


「もう、いいから、早く挨拶してみなさい。」ヴァルムがオネットに声をかける。

「私はオネット、ヴァルム様の親衛隊の副隊長をしております。よろしくね、レーニャちゃん。」オネットが優しい声で、俺に挨拶をする。

『俺はレーニャ!よろしくね、オネット!』俺はオネットに向かって、「ニャー!」と声をかける。


『ん!どうした?』俺がオネットを見つめると、綺麗な緑色の目がキラキラとする。

「ヴァルム様、今、レーニャちゃんが挨拶してくれたんですか?」オネットが横を向いてヴァルムに確認する。

「可愛いでしょう!」ヴァルムが嬉しそうに微笑んで、声を上げる。


「オネット様、少しどいてください。」オネットの横にいたエルフの人が声を上げると、オネットを押し退けるようにして、俺の前に顔を出す。

「ちょっと、ラヴィーネ!」オネットが押されて、声を上げる。

「レーニャちゃん、私の名前はラヴィーネ!よろしくね!」オネット押し退けたエルフの人が、俺に嬉しそうに挨拶をする。

『おぉ、俺はレーニャ!よろしくね、ラヴィーネ!』俺はラヴィーネに「ニャー!」と声をかける。


「ヤダ~、可愛い~次は私!」今度はラヴィーネを押し退けて、別のエルフの人が俺の前に顔を出す。

「ダメよ!次は私!」「ヤーダ!私が先!」俺の目の前で、エルフの人たちが、押し合いを始める。

『なんか…、凄いことになってきたな…』俺は目の前のエルフの人たちの、押し合いを見つめて心の中で呟く。


「こらこら、あなたたち、なんですか!」ヴァルムが両腕を腰にあてて、困った表情で声をかける。

「あっ!ヴァルム様…」なんかごちゃごちゃに重なり合ったエルフの人たちの一人が、声を上げる。

「まったく、フレヤさん、お恥ずかしいところをお見せしてしまって、申し訳ありません。それから、レーニャちゃん、怖くなかった?ごめんなさいね。」ヴァルムが困った表情で、フレヤと俺に声をかける。


「いえいえ、ヴァルム様、大丈夫ですよ。ねっ!レーニャ!」フレヤがヴァルムに答えた後、俺に声をかける。

『大丈夫だよ~』俺は上を向いて、フレヤに「ニャ~」と答える。

「可愛い~」ごちゃごちゃに重なり合ったエルフの人たちが、俺を見つめて全員で声を上げる。


「あ…、あんたたち、早く私の上から、降りなさい…」ごちゃごちゃに重なり合ったエルフの人たちの中から、絞りだすようなオネットの声が聞こえた。

『あっ!オネット、埋まってんのか…』俺はごちゃごちゃに重なり合った、エルフの人たちを見つめて心の中で呟く。


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