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気が付いたら猫でした…  作者: 小根畑 昌平
第1章 1日目

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04_いただきまーす!


「これで全員、そろったな。」エルシアがサクラとフレヤ、それから俺を見つめて声を上げる。

『全員?えっ、この広い屋敷に3人だけなのか?』俺はエルシアを見つめて心の中で呟く。

「今日も我らに生きる糧を与えてくれた、全ての生命たちへ、またその生命たちを育んだ火、水、土、風の4つのエレメントに感謝を捧げる。それから、今日この日、新しい家族を迎えて、一緒に糧を得ることは幸甚の至りである。」エルシアが目を閉じ両手を胸の前で組んで声を上げる。

サクラもフレヤも、エルシアと同じように両手を胸の前で組んで目を閉じている。


俺は最初はキョロキョロとしていたが、腰を下ろして目を閉じた。

「いただきます。」「いただきます。」エルシアが声を上げると、続けてサクラとフレヤも声を上げる。

『いただきまーす!』俺も頑張って声を上げたら。「ニャー!」と鳴いていた。

「あら?」エルシアが驚いて、俺を見つめる。


「アハハ!レーニャちゃんも、いただきますって言ったのかな。」サクラは笑いながら俺を見て声を上げる。

「えー!猫がいただきますって、言うの?」フレヤが驚いた声を上げる。

「この子は、不思議な子なのです。さぁ、あなたもお食べ。」エルシアは俺の頭を優しく撫でると、俺を見つめて微笑んだ。

『そうだ!ご飯だー!』俺はサクラが用意してくれた、お椀のササミにかぶりつく。


「う~ん、美味しいわね。このスープ。」エルシアが声を上げる。

「はい、じゃがいもは一度茹でた後、裏ごしをしておきます。次にバターで玉ねぎ飴色になるまでじっくり炒めたら、そこにマッシュルームを加え軽く炒めます。そこに水と裏ごしをしておいたじゃがいもを加えて沸騰したらミルクを加え、弱火で温めます。後は塩コショウで味付けをしたら、出来上がりです。」サクラがスラスラとスープの作り方を説明する。

「いつ聞いても、呪文のようにしか聞こえないんだよね。サクラの料理の作り方の説明は。」フレヤが声を上げる。


「フフ、フレヤはお料理が苦手ですものね。でも、このスープ、さっきの説明にあったじゃがいもとも、マッシュルームやミルクとも違う、コクのようなものを感じるわ。」エルシアが少し考えながら声を上げる。

「さすがです、エルシア様。実はここには、カゾの村で作っているあるものを入れてます。」サクラは自慢げに声を上げる。

「へぇー、それはなんなの?」エルシアが興味津々に確認する。

「残念ながら、お教えすることはできません。」サクラは少し意地悪そうに答えた。


「意地悪ね、サクラは~」エルシアは少しすねたような声を上げる。

「あっ、そうだ。エルシア様、私が今回作ってたもの、発表しますね。」フレヤが明るい声を上げる。

「あぁ、そうだった。フレヤ、今回は何を作ったの?」エルシアがフレヤに質問する。

「聞いて、ビックリですよ!なんと、その名もカラドボルク!」フレヤが元気に声を上げる。


「ほぉ~、なんか、凄そうなもののようだけど、それはなんなの?」エルシアが感嘆の声を漏らしながら質問をする。

「はい、こちら魔法剣の一種なんですけど、雷の力を秘めた最強の剣となっております。」フレヤが嬉しそうに声を上げる。

『なんか、テレビショッピングの商品紹介みたいな話し方だな~』と俺はフレヤの声を聞いて思った。

「へぇ~、フレヤそれって、どんなことができるの?」エルシアが興味津々に質問をする。


「はい、この剣なんですが、なんと!敵を切るときに、敵に電撃を与えるだけでなく、離れた敵に対してもライデンを放つことができる優れものです!」フレヤが明るく説明する。

『この後、まぁ~素敵!でも、お高いんでしょう?とか言ったら、まんまテレビショッピングだな~。あれ?ライデン…、どっかで聞いたような?』と俺はササミを口に頬張りながら思う。

「そう言えば、エルシア様。レーニャのこと、サクラから聞きました。」フレヤが少し沈んだ声を漏らす。


俺は気になったので、食べるのをやめてエルシアを見つめる。

エルシアはなぜかサクラに視線を送っていて、サクラはエルシアの視線に少し頷いた。

『なに、今の?アイコンタクト?』俺はエルシアとサクラを交互に見て疑問を感じる。

「レーニャの家族、はぐれ者のミノタウロスに殺されちゃったんですね....」フレヤの顔は見えないが、沈んだ声だった。


「うん、レーニャの母親や兄弟が、私が到着した時には、みんな殺されていたわ....」エルシアは俯いて、沈んだ声を漏らす。

「それで、ミノタウロスの角は、今回採って来なかったと。」フレヤが確認するような声を上げる。

エルシアの俯いた顔が固まったように見えると、ゆっくり顔を上げてサクラを見つめる。

サクラはエルシアの視線に対して、何かを口の中に入れながら、大丈夫と言わんばかりに落ち着いた表情で頷く。


「しょうがないですよね、私もその場にいたら、きっとエルシア様と同じように怒りでミノタウロスを灰にしていたと思います。」フレヤが納得した声を上げる。

エルシアの固まった顔が少し驚いた表情に変わった後、サクラを見つめて安堵の表情へと変わる。

「よく、生き延びていてくれたと思う。」エルシアは俺を見つめて、優しい表情を浮かべた。

『エルシア~』エルシアと目があって、俺は少しドキドキする。


「あぁ、そう言えば、フレヤ。あなたにもらった札なんだけど、1枚呪文を唱える前に発動したのよ。」エルシアは俺から視線を外して、フレヤの方を向くと声を上げる。

「えぇ~、そんなことは、ありえないはずですけど?ホントですか?」フレヤの納得してない声が聞こえる。

「ホント、ホント、レーニャの家族を火葬しようと札をおいて、呪文を唱えようとしたら、勝手に燃えだしたのよ。」エルシアが説明する。

『あぁ、あれか、そう言えば、エルシアが変な声上げてたっけ。』俺の中にあの時の場面が、甦ってきた。


「う~ん、わかりました。調べてみますので、残った札を見せてもらえますか。」フレヤが声を上げる。

「うん、フレヤ、後で私の部屋にきてちょうだい。」エルシアがフレヤに声をかける。

「はい。」フレヤは素直な声を返す。

『そうか、あのカードは呪文を唱えると燃えるんだ。呪文?』俺は二人の会話の中に妙なキーワードを感じたが、とりあえずお椀の中のササミを頬張った。


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