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気が付いたら猫でした…  作者: 小根畑 昌平
第0章 気が付いたら
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02_離乳食ってなんだ?


俺が子猫だと気づいてから、はっきりとは覚えてないが10日ほど経ったろうか、ずっと巣穴の中で他の3匹と固まって眠っている。

毎日かぁちゃんのミルクを飲むか、後は寝るだけの生活を続けている。

『毎日、かぁちゃんのミルクしか飲んでないなぁ~』と大きなあくびをしながら、眠い頭で考えている。


『あれ、かぁちゃんってなんだ?ん?俺なんで、あの猫をかぁちゃんって呼んでんだろう?』急に自分の頭に浮かんだ単語に違和感を感じる。

『かぁちゃん…、ダメだ、眠い…』睡魔に負けてそのまま眠ってしまう。


「ミャーミャー」と鳴く子猫の鳴き声で目を覚ます。

『あっ!かぁちゃん帰ってきた。ミルク、ミルク~』他の3匹と同じように、俺もかぁちゃんのもとに行く。

『ちょっとまて、ミルク?』また、頭に浮かんだ単語に違和感を感じたが、空腹感に負けて『まぁ、いいや!』と思う。


『かぁちゃん、腹減ったー!』と声を上げたら、「ミャー!」と声をあげていた。

その日のかぁちゃんは、俺たちの前でいつものように横にはならず、立ったままでいる。

『ん?どうしたんだ、かぁちゃん。』他の3匹もいつもと違う、かぁちゃんの様子に不思議がっているようである。


急にかぁちゃんが、「ゲッ、ゲッ」と背中を丸めて変な声を上げる。

『えっ、えっ、なになに、怖い怖い。』俺も3匹もかぁちゃんの異変に身構える。

かぁちゃんが変な声をやめた瞬間、俺たちの前で口の中から何かを吐き出した。


『かぁちゃん、二日酔いなのか?いやいや、猫は二日酔いにならんだろう。ん?二日酔いってなんだ?』と俺は驚いた後に、頭の中に出てきた単語が何なのか考える。

『二日酔い、二日酔い…、ってなんだ?』いくら考えてもわからない。


俺が頭の中に出てきた単語の意味を考えていると、他の3匹はかぁちゃんが吐いたものを食べ始めていた。

『えっ、お前らそれは、かぁちゃんの…』俺がかぁちゃんの吐いたものを食べる3匹をみながら躊躇していると、かぁちゃんと目が合った。

かぁちゃんは不思議なものを見るように俺を見つめる。


『俺は猫、俺は猫、あきらめちゃダメだ!あきらめちゃダメだ!』訳もわからんことを心の中で呟いて、自分を鼓舞すると3匹に混じって俺もかぁちゃんの吐いたものを食べ始めた。

本能がそうさせるのか食べ始めると、気持ち悪さは無く、それが当たり前だと思え始めた。


『あぁ、ひょっとしてこれって、離乳食ってやつなのか。ん?離乳食ってなんだ?』かぁちゃんの吐いたものを食べながら、また頭の中に浮かんだ単語が気になったが、空腹を満たすことでいっぱいで考えるのをやめた。

かぁちゃんの吐いたものを平らげた、俺たち3匹は前足を舐めるとその前足で口や顔を拭き始めた。


なぜ、そうするのかは本能なんだと思うが、『こうやって、だんだん猫になっていくんだなぁ~』と考える。

『あれ?猫になって行く…、いや俺、生まれた時から猫だよな…』空腹が満たされると、だんだん瞼が重くなって来る。

『ダメだ…、眠い…』俺はそのまま意識を失った。


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