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気が付いたら猫でした…  作者: 小根畑 昌平
第5章 5日目

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28_窓の外は動物がいっぱい


エルシアに抱かれながら、馬車を下りて外に出ると、アルベルタとハンゾウが立っていた。

「レーニャ!」アルベルタがエルシアの腕の中の俺を見つめて、声を上げる。

『アルベルタ~』俺もアルベルタに「ニャ~」と声をかける。


「申し訳ございません、エルシア様。」ハンゾウがエルシアに深々と頭を下げる。

「気にすることは、なにもないわよ。それより、ハンゾウ、狭い馬車だけどゆっくり休んでちょうだい。」エルシアが優しくハンゾウに声をかける。

「ありがとうございます。」ハンゾウはエルシアに頭を下げると、エルシアの馬車に乗り込んだ。


「さぁ、アルベルタ様、私たちも行きましょう。」エルシアが声をかけると、アルベルタが嬉しそうに前を歩き出す。

殿下の馬車の扉の前にサクラが立っていて、アルベルタが近づくと馬車の扉を開けた。

「お父様~、エルシアとレーニャを連れて参りました~」アルベルタが馬車の中に声をかけて、馬車に乗り込む。


「そうだ、フレヤ。ハンゾウがゆっくり休めるように、丁寧な運転をお願いね。」エルシアが御者席に座っているフレヤに声をかける。

「エルシア様、了解です!」フレヤが微笑んで答える。

「レーニャ、殿下の馬車の中でも、おとなしくしてるんだぞ!」フレヤがエルシアの腕の中の俺を見つめて、声をかける。

『がってんでぇ~』俺はフレヤに「ニャ~」と答える。


『あれ?この馬、ソウリュウか?』俺はエルシアの馬車を引いてる馬に「ニャー?」と声をかける。

「ブルルン!」と馬が返事を返した。

「レーニャ、右がソウリュウで左がウンリュウだ。」フレヤが2頭並んだ馬を指して説明する。


『ウンリュウって名前か、よろしくな、ウンリュウ!』俺はソウリュウの隣の馬に「ニャー!」と声をかける。

ウンリュウは優しい目で俺を見つめた。


「サクラ、お昼はどうするの?」エルシアが先に進んで、殿下の馬車の前に立っているサクラに声をかける。

「エルシア様は、なにかお食べになりたいものは、ございますか?」サクラがエルシアに質問をする。

「う~ん、サクラにお任せするわ。」エルシアが答える。

「かしこまりました。殿下とアルベルタ様もいらっしゃいますから、シビラキの町に着くまでに考えておきます。」サクラが答えると、エルシアが軽く頷いた。


エルシアが俺を抱いて殿下の馬車に乗り込むと、サクラが殿下の馬車の扉を閉めた。

『すげぇ~、ひろぉ~い。』俺はエルシアの腕の中で、馬車の中をキョロキョロと見渡す。

「エルシア、座ってくれ。」馬車の一番後ろの大きなベンチシートに、座った殿下が前のベンチシートを指してエルシアに声をかける。

「それでは、お邪魔いたします。」エルシアは声をかけると、殿下の前のベンチシートに座る。


「あら?」俺はエルシアの腕の中から肩に載って、ベンチシートの後ろを見る。

『カーテンがしてある…』エルシアが座ったベンチシートの後ろには、カーテンが下がっていて馬車の中を仕切っていた。

「レーニャ、どうしたの?さっきまで、おとなしかったのに?」エルシアが俺に声をかける。


「ハハハ、レーニャはカーテンの向こうが、気になるんじゃないのか?」殿下が声を上げる。

「え~、そうなのレーニャ?」エルシアが俺に声をかける。

『ちょっとだけ、気になる。』俺はエルシアに「ニャー」と声をかける。


「ガコン!」と馬車に振動が伝わる。

『あっ!動き出した。』俺はエルシアの肩から降りるとベンチシートを歩いて、馬車の窓に前足をかけて外を見る。

『ここは、なんだ、牧場かな?』窓の外には、広い緑の草原と策が見えて、牛や羊の群れが見えた。


「レーニャ、あれが昨日食べた、グランデって牛だぞ!」アルベルタが牧場を指して、俺に声をかける。

『おぉ!デカ!』黒くて他の牛よりも、大きな体格の牛が数頭見えた。

『デッケー!牛だなぁ~』俺が「ニャ~」と答えると、アルベルタが俺を見つめて、嬉しそうに微笑む。


「レーニャ、それから、あれが羊で、あっちは牛乳を採る牛なんだよ。」アルベルタが牧場の羊と牛を指して、俺に声をかける。

『羊や牛は知ってるよ。』俺はアルベルタに「ニャー」と答える。

『あっ!馬も走ってる。』馬の群れが、草原を走っている。


「レーニャは、外の世界に興味津々みたいだな。」殿下が声を上げる。

「はい、レーニャは馬車に乗ると、必ずああやって外を見ます。」エルシアが声を上げる。


「レーニャ!あれあれ!」アルベルタが声を上げて、牧場を指す。

『ん?なんだあれ?鳥?ダチョウじゃねぇかよ…』牧場の中にダチョウの群れが見えた。

「レーニャ、あれはシュトラウスだよ。」アルベルタが嬉しそうに俺に声をかける。


『えっ!シュトラウス?…』俺はダチョウの群れとアルベルタを交互に見て、心の中で呟く。


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