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気が付いたら猫でした…  作者: 小根畑 昌平
第4章 4日目

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28_レーニャの席は…


「お父様、レーニャのところに行っても、よろしいでしょうか?」アルベルタが殿下に声をかける。

「うむ、私も一緒に行こう。」俺が振り返ると、殿下とアルベルタがこちらに向かって歩いてくる。

『あれ?エルシア怒ってる…』殿下とアルベルタの後ろを歩いてくる、無表情なエルシアの顔を見て俺は心の中で呟く。


「レーニャ、なにをしているの?」アルベルタが俺に声をかける。

『アルベルタ、ここは、今までに見たことがないところだ!』俺はアルベルタに「ニャー!」と答える。

「レーニャ、こっちにいらっしゃい。」アルベルタがしゃがんで、俺に向かって手を差し伸べる。

『さっきは、頭撫でるの怖がっていたけど、今度は大丈夫かな?』俺はトコトコと歩いて、アルベルタの前で立ち止まる。


「お父様!レーニャが、私のお願い聞いてくれた~」アルベルタが嬉しそうに声を上げる。

『アルベルタ、それより俺を撫でてくれ。』俺はアルベルタの差し出した小さな手に頭を擦り付ける。

「あっ!よしよし、可愛い~」アルベルタは驚いた声を上げたが、直ぐに俺の頭を小さな手で優しく撫でてくれる。

『あぁ~、なんだろう、なんか癒される~』アルベルタに撫でられて、俺は幸せな気持ちになった。


「お食事をお持ちしました。」アイゼンの声がして、入り口の方を見るとアイゼンとタキシード姿の男性、ドレス姿の2人の女性、それから、サクラとフレヤが立っていた。


「それでは、先ずは殿下は、こちらのお席にお座りください。」アイゼンとタキシード姿の男性がは近づいて来ると、アイゼンが部屋の一番奥の椅子を後ろに下げて、殿下に声をかける。

「ありがとう、カツラ卿。」殿下はアイゼンに声をかけると椅子に座る。

「ツェルト!アルベルタ様のお席を。」アイゼンが声をかけると、タキシード姿の男性が手に持っていた足の長い、子ども用の椅子を殿下の右隣の椅子と交換する。


「アルベルタ様、失礼いたします。」タキシード姿の男性がアルベルタに声をかけて、アルベルタの両脇を両手で抱えて優しく持ち上げると、子ども用の椅子に載せる。

『へぇ~、アイゼン、気が利くなぁ~』椅子に座ったアルベルタを見つめて、俺は感心する。


「それでは、エルシア様はこちらにお座りください。」アイゼンがエルシアに声をかけて、殿下の左隣の椅子を後ろに下げる。

「ありがとう、アイゼン。」エルシアがアイゼンに声をかけて、椅子に座る。

「後は、サクラさんとフレヤさんが、エルシア様のお隣りへ、ハンゾウさんはアルベルタ様の隣で、あとは我々はフレヤさんの隣に座る感じで、よろしいですかね。」アイゼンが嬉しそうに声を上げる。


「レーニャは?」アルベルタが声を上げる。

「そうだ、レーニャの席はどこにするんだ?」殿下がアイゼンに声をかける。

「はっ?レーニャ…、レーニャちゃんのお席でありますか…」アイゼンが声を上げて、隣のタキシード姿の男性を見つめるが、タキシード姿の男性は、アイゼンと目が合うと黙って首を傾げる。


「ならば、私の隣が良い。」アルベルタが声を上げる。

「し、しかし、ね、猫を…」アイゼンが困った感じで、声を漏らす。

「エルシア、なにか問題あるか?」殿下がエルシアに確認する。

「殿下の仰せのままに。」エルシアは淡々と答える。


「よし、それならば、アルベルタの隣はレーニャで良いな。」殿下が声を上げると、アイゼンとタキシード姿の男性が口を開いて固まる。

「フレヤ!こっちに来て!」エルシアがフレヤに声をかける。

「エルシア様、なんでございますか?」フレヤが近づいてきて、エルシアに声をかける。

「レーニャの席は、アルベルタ様の隣になったので、レーニャをテーブルの上に載せてちょうだい。」エルシアがフレヤに指示する。

「はい、わかりました。レーニャ、おいで!」フレヤが床の上にいる俺を優しく抱き上げる。

『おぉ~、テーブルの上だ。』俺はフレヤにテーブルの上に載せてもらって、キョロキョロする。

「レーニャ、一緒に食べようね~」アルベルタが俺を見つめて、嬉しそうに声をかける。

『わ~い、みんなと一緒だ、アルベルタ、ありがとう!』俺はアルベルタに「ニャー!」と答える。


「それじゃ、レーニャの隣はフレヤにして、ハンゾウはサクラの隣でよろしいですかね?」エルシアが殿下に声をかける。

「うん、それで良い。」殿下がエルシアに即答して、アルベルタと俺を優しく見つめる。


「それじゃ、料理を運んでくれ!」アイゼンが声を上げる。

「レーニャ、おとなしくしてるんだぞ。」フレヤがテーブルの上の俺に声をかける。

『了解で~す!』俺はフレヤに「ニャ~!」と答える。

フレヤは優しく微笑むと、部屋の入り口に向かった。


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