02_レーニャの新しい遊び?
「それでは、エルシア様、朝食の準備が整いましたら、声をおかけいたします。」サクラがエルシアに声をかけて、ワゴンを押して寝室を出て行った。
「レーニャ、朝ご飯までなにして、遊ぼうか~」エルシアがまだベット上にいる俺に、近づきながら声をかけてきた。
『ひょっとして、またあいつで、俺の本能を弄ぶきか…』俺はエルシアを見つめて、心の中で呟く。
「どうしたの?レーニャ。」エルシアが首を傾げて、俺に声をかける。
『あっ!そうだ。俺やることあったんだ!』俺はベットを降りると、近づいてきたエルシアを通り過ぎて部屋の扉に向かう。
『エルシア、俺やることあるから!』俺は扉の前で振り向くと、エルシアに「ニャー!」と声をかける。
「なーに、レーニャはお散歩がしたいのかな?」エルシアが俺に声をかける。
『いや、そうじゃないんだけど、とりあえずちょっと行ってくる。』俺はエルシアに「ニャー」と声をかけて、俺専用の扉から廊下に出ると、外に向かって走り出した。
「レーニャ~、おいてかないでぇ~」エルシアの声が聞こえたが、俺はそのまま廊下の突き当りの俺専用の扉から裏口に続く階段に出ると、裏口に向かって階段を下りて行く。
『外だ!』裏口の俺専用の扉から、俺は外に出る。
『あぁ~、気持ちいい~朝だなぁ~』俺は外の空気を吸い込んで、空を見上げる。
『よし、あっちだ!』俺はお気に入りの大きな木に向かって走り出す。
『うん、この下がいいな。』俺は大きな木を見上げる。
『さて、さて、どこにあるかなぁ~』俺は辺りをキョロキョロしながら、木の周りを歩く。
『あっ!あれは。』俺は目的の物を見つけて、それに向かって走り出す。
『う~ん、ちょっと小さいな~』俺は見つけた石を前足で転がす。
『もう少し、大きいのが良いなぁ~』俺はまた辺りをキョロキョロとする。
『あっ!あれは、どうだ!』俺は今度は少し大きな石を見つけて走り出す。
『うん、このぐらいの大きさが良いなぁ~』俺は見つけた石を見つめて、それを前足で触る。
俺の見つけた石は、俺の体より少し大きく、少し平たい石だった。
『よいしょ!ん!』俺は前足で見つけた石を転がそうとするが、そいつはピクリとも動かない。
『う~ん、困ったなぁ~、どうしよう。』俺は両方の前足を、見つけた石の上に載せて考える。
「レーニャ、なにをしてるの?」いつの間にかエルシアが俺の後ろに立っていて、声をかけてきた。
『あっ!エルシア!』俺は振り向いて、エルシアを見つめる。
「なーに、レーニャ、石の上に前足を載せて、なにをしてるの?」エルシアがしゃがんで、俺に声をかける。
『えっとね、この石を運びたいの!』俺はエルシアに「ニャー!」と返事をする。
「レーニャ、この石が気に入ったの?」エルシアが俺に質問をする。
『うん、その通り、この石が良いの!』俺はエルシアに「ニャー!」と答える。
エルシアは俺をしばらく見つめた後、「まさかね…」と声を漏らす。
『まさかじゃないの!この石が良いの!』俺はエルシアに向かって、「ニャー!」と少し大きな声をかける。
エルシアは首を傾げて俺を見つて、腕を組んでなにかを考えている。
「ごめん、レーニャがなにをしたいのか、私わからないわ。」エルシアは大きな溜息をついて、俺に声をかける。
『しょうがないか。』俺は石の上から前足を下ろして、大きな木の方角を見つめる。
『よし、あっちだな!』俺は回り込んで石を動かそうと、頭をつけて思い切り力を入れる。
『くっ、くそ~、負けてなるもんか~、はれ?』俺が頭を石につけて押していたら、急に頭にあたっていた石の感覚が無くなって、俺はそのまま前に走って行く。
『えっ!あれあれ?』俺は立ち止まって、辺りをキョロキョロする。
『あっ!エルシア!』俺が後ろを振り返ると、エルシアがキョトンとした顔で石を手に持っていた。
『エルシア~、その石持ってきて~!』俺はエルシアに「ニャ~」と声をかける。
「なーに?レーニャ、あっ!この石?」エルシアは手に持った石を見ると、立ち上がって俺のいるところまで待ってきた。
『おぉ~、通じた!エルシア、その石をあの木の下まで、持ってって~!』俺は近づいてくるエルシアに、「ニャ~!」と声をかける。
『えっ!』エルシアは俺のとこまで来ると、しゃがんでその石を俺の前に置いた。
『違うんだけどなぁ~』俺の前に石を置いたエルシアが、なぜか楽しそうに俺を見つめていた。
『よし、あっちだな!』俺はまた石に頭をつけて、思い切り力を入れる。
『動け~、動け~!はれ?』またも石に押しつけていた、頭の感覚が無くなって、俺はまた前に走って行く。
「レーニャ、これって新しい遊び?」俺が後ろを振り返ると、エルシアが石を手に持って嬉しそうにニコニコしていた。
『違うよ~』俺はエルシアに「ニャ~」と声をかける。




