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気が付いたら猫でした…  作者: 小根畑 昌平
第4章 4日目
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01_からかい上手のサクラさん


「コンコン」っと扉をノックする音が聞こえた。

「エルシア様、お目覚めですか。入ります。」サクラの声が聞こえてきた。

寝室の扉を開けて、メイド姿のサクラがワゴンを押して入ってきた。

『サクラ、おはよう!』俺は立ち上がって、サクラに向かって「ニャー!」と声をかける。


「レーニャちゃん、おはよう。」サクラが優しく微笑んで、俺に声をかける。

「あれ?エルシア様。」サクラがエルシアに声をかけるが、エルシアはスヤスヤと寝息を立てている。

『エルシア、朝寝坊だぁ~、起きろ~』俺はエルシアの頬に額をあてて、グリグリとする。

「う、う~ん、レーニャ…」エルシアが目を開けて、眠そうな顔で俺に声をかける。


「あっ!あーーーーーーーー!」エルシアが突然大声を上げて、ベットの上に跳ね起きる。

『な、なんだ…』俺は驚いてエルシアを見つめて、サクラを見ると驚いた表情をしている。

「どうしました?エルシア様。」サクラがエルシアに声をかける。

「えっ!」エルシアはサクラを見つめて固まる。


「おはようございます、エルシア様。」サクラが優しい声でエルシアに声をかけて、頭を下げる。

「あっ、お、おはよう、サクラ。」エルシアは焦った表情で、サクラに答える。

「それで、どうかされたんですか?」サクラが首を傾げて、エルシアに質問をする。

「ふぇ!いや、なんでもないわよ。」エルシアが挙動不審にサクラに答える。


「そうですか。」サクラは声を上げると、移動して寝室のカーテンを開ける。

『うわぁ~、今日もいい天気だなぁ~』窓から眩しい日差しが、寝室の中に入ってくる。

『ん?どうしたんだ、エルシア。』俺がエルシアを見ると、エルシアはベットの上で首を傾げている。


『エルシア、おはよう!』俺はエルシアに「ニャー!」と声をかける。

「あっ!レーニャ、おはよう!」俺の声に気が付いて、エルシアはベットの上に座り込むと俺を見つめて優しく声をかける。

「レーニャ、なんで私、ベットの上で寝てるの?」エルシアが両手で俺を持ち上げて、囁くように声をかける。

『あぁ…、電池切れでサクラに運んでもらったの、気が付いてないんだ…』俺はエルシアの顔を見つめて、心の中で呟く。


「エルシア様、なにか、おっしゃいましたか?」サクラがエルシアに声をかける。

「いや、なんでもないわよ。」エルシアが素っ気なくサクラに答える。

「あら!エルシア様、お顔になにか黒いものが付いてますが…」サクラがエルシアの顔を見つめて、声をかけるとエルシアが固まる。

『あっ!ホントだ。』エルシアの頬に黒いインクが付いていた。


「エルシア様、お支度を。」サクラが声をかけると、エルシアは俺をベットの上に下ろして、額や頬に手をあてながら、ベットを降りてワゴンに向かって歩き出す。

『あっ、サクラがエルシアを揶揄ってる。』俺がサクラを見ると、口を押さえて肩を震わせていた。

エルシアはワゴンの前に行くと、水差しから洗面器に水を入れて顔を洗い出す。

サクラは顔を洗うエルシアの横で、タオルの準備をする。


エルシアが手を伸ばすと、サクラがエルシアにタオルを渡す。

「フー。」エルシアがタオルで顔を拭きながら、気持ちよさそうな声を上げて、サクラにタオルを渡す。

「エルシア様、まだここに黒いものが残ってますよ。」サクラがエルシアに自分の頬を指さして、声をかける。

「えっ!」エルシアは驚いた声を上げると、また顔を洗い出す。


『ホントにサクラは、エルシアの揶揄い方、上手だなぁ~』俺は顔を洗うエルシアの横で、口を押さえて肩を震わせているサクラを見つめて心の中で呟く。

エルシアが手を伸ばして、サクラがエルシアにタオルを渡す。

「サクラ、どう?」エルシアがタオルで顔を拭いて、サクラに質問をする。

「はい、黒いものは取れたようです。」サクラが優しく声をかける。


「それでは、失礼します。」サクラはエルシアの体から、浴衣を脱がすと畳んでワゴンの下に入れる。

『何度見ても、ホントに綺麗だなぁ~』俺はスッポンポンで立っているエルシアの体を見つめて心の中で呟く。

「エルシア様、こちらが良いと思いますが、いかがでしょうか?」サクラはクローゼットから、淡いピンク色のドレスを取り出すと、エルシアに確認する。

「任せる。」エルシアは即答する。


「かしこまりました。」サクラは選んだドレスを持ってくると、なれた手つきでエルシアに着せていく。

「サクラ、今日の朝ご飯はなに?」エルシアがサクラに質問をする。

「はい、ソウギョのムニエルと、鹿肉のハムのフラムクーヘンにしようと思います。」サクラが答える。

「まぁ、フラムクーヘンね、楽しみだわ。」エルシアが嬉しそうに声を上げる。


『フラムクーヘン?バームクーヘン?なんだ、その料理…』俺は初めて聞く料理の名前を考えて、首を傾げて固まる。


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