37_入浴中です。
『あぁ~、極楽、極楽。』俺はエルシアに抱かれて、湯船に入っている。
「あっ!そうだ、エルシア様、明日レーニャをハルナの運転席に乗せても良いですか?」湯船に一緒に入っているフレヤがエルシアに声をかける。
「レーニャを安全に乗せる工夫は出来たの?」エルシアがフレヤに質問をする。
「はい、サクラがレーニャを包んできたじゃないですか。あの包み方で、レーニャを包んで抱けば、危険は無いと思いまして…」フレヤが少し俯いて、上目遣いでエルシアを見つめる。
「なるほど、あれね…。うん、レーニャも嫌がってなかったみたいだし、いいわよ。」エルシアがフレヤに優しい声で答える。
「やったー!レーニャ、ハルナに一緒に乗ろうね。」フレヤが俺を見つめて、嬉しそうに声を上げる。
『うん、一緒に乗ろう~!』俺はフレヤに「ニャ~!」と答える。
「そう言えば、フレヤ、森に入ってなにをしてたの?」エルシアがフレヤに質問をする。
「あ~、ちょっと、思いついたことがありまして…、材料を取りに…」フレヤがエルシアから視線を外して答える。
「ふ~ん、材料って、今度はなにを作ろうとしてるの?」エルシアがフレヤに質問をする。
「いや~、それは、ちょっと出来上がってからの、お楽しみってことで…」フレヤが少し俯いて、モジモジしながら上目遣いでエルシアに答える。
「え~、内緒なの?私にも言えないの?」エルシアが少し不服そうな声を上げる。
「申し訳ありません…、今はちょっと…、ただ、レーニャが喜んでくれるものを作ります。」フレヤがエルシアに笑顔で答える。
「あら、また、レーニャの何かを作るの?」エルシアがフレヤを見つめて声をかけると、フレヤが笑顔のまま頷く。
『おっ!なんだ、なにが出来上がるんだ?』俺はフレヤを見つめて、ワクワクする。
「それじゃ、楽しみにしてようね、レーニャ。」エルシアが俺の頭を撫でながら、声をかける。
『楽しみじゃ~!』俺は「ニャ~!」と声を上げると、フレヤが俺を笑顔で見つめる。
「そうだフレヤ、サクラは?」エルシアがフレヤに質問をする。
「サクラは、晩御飯を食べて、後片付けしてから、後でお風呂に入るって言ってました。」フレヤがエルシアに答える。
「それにしても、サクラもすごいわね。」エルシアが声を上げる。
「なにがですか?」フレヤがエルシアに質問をする。
「だって、レーニャのおトイレ、あんなところに作ってるなんて…」エルシアが溜息を漏らして答える。
「ハハハ、そうですね。サクラもレーニャがここで生活すること、いろいろ考えてたんですね。」フレヤが嬉しそうに笑いながら、声を上げる。
「フレヤはレーニャの出入り口を作ったし、サクラはレーニャのおトイレ、それに引き換え、私ったら…、レーニャになにもしてあげてないな…」エルシアが大きな溜息を漏らして声を漏らす。
「エルシア様。エルシア様はレーニャの命を救ったんですよ。そして、私とサクラのもとに連れてきた。名前をつけて、私たちの家族にした。」フレヤが優しくエルシアに声をかける。
「フレヤ…」エルシアが声を漏らす。
「エルシア様は、レーニャにとって、私たちにとって、一番大切なことをしてるんですよ。」フレヤが優しく微笑んでエルシアに声をかける。
『うん、エルシアが一番!』俺は振り向いて「ニャー!」とエルシアに声をかける。
「レーニャ…」エルシアが優しく俺を見つめる。
「フフフ、レーニャにもそれがわかっているんだね。」フレヤが俺に声をかける。
『うん、わかってるよ!命の恩人だもん!』俺は振り向いて、今度はフレヤに「ニャー!」と声をかける。
「ありがとう、フレヤ。」エルシアがフレヤを見つめて声をかける。
「フレヤ、それじゃ、そろそろ、上がろうかしらね。」エルシアがフレヤに声をかけると、俺を抱いたまま立ち上がる。
「はい、かしこまりました。」フレヤも声を上げると、立ち上がる。
エルシアが湯船の中をゆっくり、脱衣所に向かって歩き出すと、フレヤもエルシアの後をゆっくり着いてくる。
「レーニャ、ちょっとここにいてね。」脱衣所に入るとフレヤがエルシアから、俺をあずかって鏡がある台の上に載せた。
『へへへ、変なの~』俺は頭はそんなに濡れてないので、毛がフサフサとしてるのに体の毛が、お湯に濡れてペッタンコになっている鏡の中の自分の姿を見て心の中で呟く。
鏡から視線を外して、後ろを振り返るとフレヤがスッポンポンのエルシアの体を布で拭いていた。
『初めて見るな、フレヤがエルシアの着替えをするところ見るの…』俺はエルシアとフレヤを見つめる。
「エルシア様、今日はこれになります。」フレヤがエルシアの前で淡い黄色の浴衣を広げる。
「まぁ!今日も浴衣ね!」エルシアが嬉しそうに声を上げる。
「では、両手を横に広げてください。」フレヤが声をかけると、エルシアは楽しそうな表情で両手を横に広げる。
「ねぇ、フレヤ。ドレスはやっぱりダメなの?」エルシアがフレヤに質問をする。
「はい、無理です!」フレヤがキッパリと答える。




