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11 捕食

「ピ? ピー!」


 わかったとばかりにジェリーム改めライムは飛び跳ねて喜びを体で表す。

 よしよし、良い感じだ。


「このまま行くぞー!」

「ピー!」


 たぶん、マンドラコンはマジックショットを数発当てるだけで倒せるのでライムを連れて気楽に進む。

 やがて丘に近づいてきた所でギ! ギ! となんかしなる音が聞こえて来た。

 音の方角を見るとウッドレントというサルスベリみたいな木が体をくねらせて音を立てていた。

 あれがウッドレントか……なんか微妙な魔物だな。


「ライム、お前は危ないから後ろで見てろよー」


 牽制とばかりにマジックショットを放って当てる。

 なんだかんだライムはジェリームという弱い魔物だから少しLvを上げて強くなってから戦わせるのが良いだろう。


「!!」


 ギ! ギ! っと飛ばしたマジックショットがぶつかってダメージを受けたウッドレントが葉っぱを飛ばしてくるので避けながら距離を取りつつマジックショットを当てているとボキっと折れた。


「……その場から動かない魔物は的みたいなもんか……」


 あっさりと倒してウッドレントの木材を確保する事が出来た。

 えっと……この木を薪にして持ち帰れば良いのね。

 報酬は少額だけど手始めにするには良い仕事だ。と納得して適度に倒していく。

 サクサクと倒していくとピコン! っと大きな音が響いた。


 Lvアップ!


 ステータスを確認すると俺とライムのLvが上がったのを確認したぞ。

 それぞれLv2になった感じだ。

 思ったよりも簡単にLvが上がって拍子抜けと言うべきかな?


 海山明彦

 職業 魔物使い Lv2

 装備 特殊武器 腕輪

    シルバーローブ

 スキル テイミング オーラボール

 魔法 モンスターヒーリング

 種族スキル 連携


 ライム Lv2 種族 ジェリーム ♂

 主人 海山明彦

 所持スキル

 たいあたり 採取 人語理解 捕食



 お? 早速新スキルと魔法を習得したぞ。

 モンスターヒーリングは……何となくわかるぞ。契約している魔物の傷を癒す魔法だ。どうやら魔力を消費してライムにしか効果の無い回復を俺の手から光が放たれる様だ。

 オーラボールは……なんだろう?


「オーラボール」


 試しに発動させると手から光の玉が出現した。それがフッと浮かぶ力が無くなり俺の手に収まる。

 程よい手触りのゴムボールみたいだ。

 なんだろうな? コレ。

 投げれば良いのかな? なんかそんな気がする。

 試しにウッドレントにぶつけてみよう。マジックショットみたいな攻撃スキルかもしれない。


「てい!」


 ボール投げの要領で意識してウッドレントにぶつけるように投げつける。

 が、オーラボールはウッドレントにぶつかる……ことなく、目の前で止まってしまった。


「ピー!」


 任せろ! とばかりにライムが俺の投げたオーラボール目掛けて跳ねて追いかけ飛び上がってオーラボールを踏みつける。

 するとドシン! っと衝撃波が着地した地点から発生し、ウッドレントが大きく仰け反った。


「ピー!」


 バッとウッドレントの攻撃射程から即座に離れたライムが俺の所に戻ってきた。

 これはあれか? 契約した魔物に、あそこに攻撃しろって命令する感じのスキル。

 そこに魔物がぶつかるとスキルとして衝撃波が発生するのかな?

 なるほどなるほど、こうして俺はライムの力を引き出して戦えって事なのね。


「よくわかったぞ! ライム! 色々と手伝ってくれよ!」

「ピー!」


 そんな訳で試しに相手したウッドレントはマジックショットとライムとの連携で倒すことが出来た。

 ライムでも問題なく戦える弱い魔物で助かった。


「さて……後はライムの所持スキルの確認だな。採取って何かわかるか?」

「ピー? ピピ!」


 ライムに尋ねると周囲を見渡した後に、なんか草を引っこ抜いて俺に渡してきた。


「草だけど……もしかしてなんかあるのか?」

「ピー!」


 どうやら何かしらの……薬草って奴っぽい。試しにギルドで見聞きした資料を思い出すと薬草アエローの様だ。

 俺も試しに採取だとばかりに同じ草を手に取るのだけど、心なしかライムが取った奴の方が瑞々しい。

 品質の差とかありそうだ。


「人語理解は……俺の言う事が分かっているんだから、それだろう」

「ピ!」


 ライムがコクリと頷いて見せる。


「後は捕食ってのを新しく覚えたけど……これが何かわかるか?」

「ピ!」


 ライムは俺が倒したウッドレントに覆いかぶさり包んだかと思うとバリバリと咀嚼し始め、食べ終えてゲプっと声を漏らした。

 ああ、単純に食べるって能力?


「ピ! ピーピ!」


 プッとライムは離れた所にいるウッドレントに向かって口から棘を放ってスターンと命中させる。


「ピー!」


 プププ! と何度が連射してウッドレントをそのまま倒す。


「これはー……つまり」


 ライムのステータスを改めて確認だ。



 ライム Lv2 種族 ジェリーム ♂

 主人 海山明彦

 所持スキル

 たいあたり 採取 人語理解 捕食 ウッドニードル



「ウッドレントを捕食することで新しいスキル、ウッドニードルを習得したのか?」

「ピー!」


 おお……なんか凄いスキルだぞ。すべてのジェリームはLvを上げるとこんなスキルを習得するのか?

 それともライムがジェリームの中で一際優秀なジェリームなのかわからないけど、無数の可能性が眠っているスキルに思える。

 これは色々と幸先が良いぞ!


「よーし! ライム、これから頑張って行こうな!」

「ピー!」


 検証した結果、ライムに色々と食べさせることで、ライムは無数のスキルを習得していくことが判明した。

 その為、俺達は日に日に目に見える速度でどんどん俺達は強くなっていけるようになるのにそんな時間は掛からなかった。




 異世界に来てしまって一週間と二日。



 海山明彦

 職業 魔物使い Lv34

 装備 特殊武器 ミスリルの腕輪

    ミスリルーローブ

 スキル テイミング オーラボール バインドウェブ

 魔法 モンスターヒーリング モンスターパワーアップ モンスターアナライズ

 種族スキル 連携 料理反映

 武器スキル テイムカラー マジックショット ヒーリングサークル セイフティーサークル ポータルゲート


 ライム Lv37 種族 コバルトブルーデビジェリーム ♂

 主人 海山明彦

 所持スキル

 たいあたり 採取 人語理解 捕食 ウッドニードル サンクション 解析 自己再生 魔力増幅 急成長 肉体強化 知能向上 魔力増加

 追跡 強酸 金剛防御 ファイアブレス アクアーカッター プラズマファング 毒胞子 麻痺毒 ウインドスラッシュ エッジストーン

 ライブラリ 水中移動 水中呼吸 炎耐性(大) 水耐性(大) 風耐性(大) 分裂 擬態……



 まず装備に関してはここ一週間で色々と魔物を倒して強い魔物の素材を買い取って貰ったお金でライムに良い物を食べさせた余りの端金で揃えた。

 いやぁ……冒険三日目で珍しい魔物であるプラチオオタマっていう全身が希少金属のジェリームを発見、凄い逃げ足と強固な体を持っているはずなんだけどライムがあっさりと倒すことで素材として持ち帰ることが出来た。

 なんかプラチオオタマって言うのはプラチタマの大きい奴でかなりの大物だとか。


 しばらく遊んでいられるほどのお金が転がり込んできたけど、その収益を殆どライムの欲する物を購入して食べさせた。

 そのおかげでライムもどんどんいろんなスキルを所持していて一目で確認するのが中々大変になってきている。

 検証に追われるけどそれよりもどんどん行ける所が増えて、どこへ行くか迷うくらいな状況だ。

 俺もどんどん目に見えてLvが上がっているし、昨日は倒すのに苦労した魔物を今日は簡単に倒せるようになるなんて当たり前になってきている。

 Lvアップによる恩恵ってすごいもんだ。

 全く、チートとかそんな話を聞いた事があるけど面白い位強くなって驚くよ。


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[一言] この世界は何故ジェリームによって滅んで居ないのか?
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