人間の謀略、吸血鬼の自由
「国定魔法騎士、ですか?」
ミルキ・ヘーラは、呼びに来た兵士の言葉をオウム返しで繰り返す。
「ええ。国で定められた最高水準の魔法騎士の資格を持つ方ですよ。今回の騒動では全体の指揮も取っていらっしゃいます」
村の中央へ歩を進めつつ、兵士は語る。
「オークを討伐して村を守ったシルキィさんと、ぜひお話ししたいと。あの方に認められれば、特例で国の中に入れるかもしれませんよ」
「!」
ほう、それは魅力的なお話だ。
要するにその騎士さんは今回の騒動の指揮を執るお偉いさんで、働きを認められれば一気に問題を解決できる、というわけだ。
「それで、その方は」
「ああ、あちらに」
村の中央に行くと、村の老人……あれは確かこの村の村長だ。その彼と話している男が、こちらに気付いて振り向く。
「やあ。今回はどう……も」
気さくに話しかけようとしたのか、失敗して顔に笑みを張り付けたまま固まってしまう男。ああ、ミルキ・ヘーラと一緒にいると皆こんな感じになるのか。
「初めましてー。ビーストテイマーのシルキィと申します」
そうしてミルキ・ヘーラはニコリと笑みを浮かべ……今更だがシルキィっていうのはミルキ・ヘーラの偽名だ。ミルキィの単純なもじりなのに、何となくこっちも白をイメージさせる。
「国定魔法騎士の方、ですよね?」
「え、あ、ああ、はい。ジャンジャーと申します」
ジャンジャーと名乗った男は、とびきり美人でおまけに男の自分よりも背の高い彼女に圧倒されながら、愛想笑いを浮かべる。
歳は二十代後半かそれ以上か。短く切られた黒い髪、どこかひょうひょうとしたつかみどころのなさそうな顔。よれた白シャツにポケットの多いえんじ色の上着、くたくたなこげ茶の革ズボンを履いた、だらしなさそうな男。
全体的にはやせている、いや、引き締まってはいるのだろうが、ちょっと猫背気味の格好がそう感じさせない。
騎士、なんて肩書きがいかにも似合わない男だ。
「いやあ驚いた。まさかこんな綺麗なお嬢さんがこの村を救ってくれたなんてね」
「あら、お上手ですこと」
ミルキ・ヘーラはふふふと上品な笑みを浮かべる。いや、お前を世辞で綺麗なんて言う男は多分いないぞ。だいたい本心だ。
「申し訳ないね。本当ならこーいう仕事は国の管轄なんだけれど、こっちもカッツカツでねえ」
ジャンジャーは徐々に調子を取り戻してきたように、軽快に喋り始める。
「オーク五匹の討伐。報奨金は出せるけれど、お嬢さん門の中に入りたいんだって? 名前も売りたいって。けどちょっと今時期が悪いんだよねー」
「警戒態勢になっている、とお聞きしましたが」
「そうなのよ。だからまー、警戒が解除されるまで気長に待つ、かっ!?」
彼はそうして何故か言葉を途切れさせ……ああいや、何故も何もないか。
ミルキ・ヘーラはここぞとばかりに近づき、その手を握って切実な目を向けているのだから。
「あの、私達どうしても中に入りたいんです。どうにか、ならないでしょうか?」
「あー、いやー? どうにかならないって、いやー、難しいっていうかねー」
「どうしても、ですか?」
ミルキ・ヘーラは屈んで男の目線に真っ直ぐ向き合うように、その潤んだ瞳で見つめて……。
「あーうん、僕の方から色々手をまわしてみるかな?」
チョロいなコイツ。いや、ミルキ・ヘーラが反則なのか?
「ああ! ありがとうございます!」
そうして今度は満面の笑みで、はしゃぐように彼の手を引き寄せてさりげなく自分の胸に持っていく。直接触らせずに自分の手を間に挟んで、けれど柔らかさが分かる程度には沈ませて。
……なんというテクニックを。
「あっははは! これくらいお安い御用だよ」
さっきまで色々渋っていたお前は何処へ行った? 胸に気を取られて死んだのか? 非常に腹立たしいぞおい? その胸は俺の……。
「で、えっと、君は?」
なんて心の中で忙しくしていた俺に唐突に話しかけてくるこの男。ミルキ・ヘーラと比べれば小さいが、それでも俺より目線二つ分高いところから見下ろして。
「キーアです。ビーストテイマー見習いで、シルキィさんの弟子として修業しています」
「あそ」
あらかじめ決めていた紹介を述べると、この男はそれがどうでもいいことだったようで、その一言で会話を終わらせた。
……ああうん、コイツの印象今の所最悪だ。
「それでどうします? 流石に僕が掛け合っても入れるようになるまでしばらくかかると思うんだけれど、寝泊まりするところとかさ、ある?」
そうしてミルキ・ヘーラには甘い言葉を向ける。何だろうな、今なら嫉妬だけでお前を殺せそうだ。
「どうしようか迷っているんですよね。野宿には慣れているので、そうしようかとも思っているんですが」
「じゃあさ、僕の方で兵の宿舎を用意するよ。門の外にあるからそこなら泊められるからさ」
そう言ってニコニコ自分の巣へ獲物を運び込もうとするこの男。ミルキ・ヘーラ、乗るなよ? こんな下心全開の男の誘いなんかに。
「うーん、どうしましょう……キーア君はどう思う?」
なんて思っていたらしっかり者のミルキ・ヘーラは俺に話を振ってくれた。当然こんな男の誘いに乗るなんて無しで……って、いやまあ真面目に答えるか。
「いいお話ですけれど、それだと次にオークが来た時に駆けつけられませんよ」
悲鳴を聞いて俺達が駆けつけるまで、あの村には誰も助けに来なかった。兵士も口惜しそうに、自分たちがいない隙をつかれたといった。
「俺達が村にいても多分同じです。兵士の方が常駐していたり巡回している間は来なかったみたいですから、それなら少し離れたところで見張ってた方がいいんじゃないかと」
だからこれは、ある程度説得力のある話のはずだ。
「そうですね……うん、そうしよっか」
ミルキ・ヘーラは、俺の言葉を受けていかにも自分に決定権があるような口ぶりで続ける。
「流石にこの村の状況を知ってしまったので、見過ごすことはできません。私たちの名前を売るという意味でも、この村をしばらく護衛させてもらいながら暮らします」
「ああ、そう? いやあ、君は優しいねえ」
ジャンジャーは言葉ではそう言いつつもあからさまにがっかりしたような表情を浮かべる。ふん、ざまあみろ。
「それじゃ、もうすぐ村の片づけも済みそうだし僕は行くよ。安心して。ちゃんと入れるように上の方に掛け合ってみるからね」
「はい、よろしくお願いします」
ジャンジャーはそう言い残して、あっさりと帰っていった。村人たちはその姿を見送るでもなく、遠巻きに見つめるようにするだけで……ふむ。
「じゃあ、残りの復興作業をお手伝いして」
「あ、あのっ!」
そうしてミルキ・ヘーラの言葉を遮ったのは、この村の村長だ。
「あ、ありがとうございますっ!」
「えっ」
ぞろぞろと、俺達の周りを囲うように、村人たちが集まってきたのだ。
「この村を、守ってくださると言ってくれて!」
「あいつら、口では警護するって言っておきながら門に引き払っていったんだ! 今日だって兵士が二人来ただけだ!」
「シルキィさんまで取られるかとひやひやしてた!」
口々に、これまでの溜まった思いを吐き出すかのように、言葉は止まることなく続く。
「お、俺達の村には大して金はねえ! け、けど食糧はある! そ、それで何とか!」
「た、頼みます! どうか! 俺達にできる事なら何でも言ってください!」
「お願いしますっ!」
さっきの男との、この温度差だ。
当然だな。彼らにとっては村を襲うオークはまさに死活問題なのだ。それがさっきの男のようなヘラヘラした頼れるのかも分からない奴が仕切っているのじゃ、不安にもなる。
そんな中でまるで天が使わせたかのように舞い降りた女神。ミルキ・ヘーラをそうたとえても過言ではなかろう。
「私達も、ずっとここにいるわけではありませんが」
そうして美しい女神は、村人の輪の中でこの上なく優しい笑みを浮かべ。
「その間は、この村を守らせてもらいます」
「お、おおおっ!」
「シルキィ様っ!」
お、おい、冗談で言ったのに何かホントに神格化され始めてないか? 村人たちの目がもはや同じ人間を見る目じゃないぞ?
「ふふっ、勿論、皆さんに無理のない範囲での報酬はいただきますよ?」
「と、当然ですよ! なあ皆!」
「おお! シルキィ様になら、喜んで!」
何か奇妙なノリだが、しかし流石はミルキ・ヘーラ。しっかりともらうものはもらうらしい。まあこの村の人間達にとっても、一方的に守られるよりは信用できるだろう。
何も知らない、というのは、ある意味では幸せな事だ。
そういうわけでひとまずは、俺達はこの森で過ごすことになるのだった。
――
「よろしかったのですか御当主様? この村を拠点にしなくても」
復興をあらかた終えて、皆が一息ついている中でそっと話しかけてくるミルキ・ヘーラ。
「それも考えたが、まず全員分のベッドの数が足りん。さっきちらりと覗き見たが質もあまりいいものじゃない」
「えっ、そ、その心配ですか?」
ミルキ・ヘーラは周りから少し離れているとはいえ警戒しながら声を落としている。こんな風に、村の中では声を潜めなければならないというのも欠点だしな。
「寝床は重要な問題だろう? いや、それで村の外で見張ると決めたわけじゃないが」
「ご、御当主様ならひょっとしてあり得るのかもと一瞬思ってしまいました」
ミルキ・ヘーラは何とも複雑そうに……いや、俺だってそういう分別は心得ているぞ?
「なあ、気がかりがある、と言ったよな」
「あ、は、はい。御当主様はそうおっしゃっていましたね」
「あの人間……ジャンジャーとやらにはあまり気を許すな」
肩書きは国定魔法騎士、だったか。
「確かにあまり誠実な方ではなさそうでしたが……あ、ひょっとして御当主様、嫉妬してくれました?」
「まあそう……あ!? いやっ! 違う! そ、そうじゃない!」
何かこう、こういうのを知られるのはこそばゆいというかちょっと恥ずかしい! あまり嫉妬に狂ってるように見られるのも何か嫌だし!
「ふふっ、ちょっと嬉し……あれ? でも御当主様、あの人間に出会う前から何か気にして」
「あ、ああ。警戒態勢とあの男も言っていたな。改めて聞くが、一体何に対する警戒だ?」
「え?」
話を戻すと、ミルキ・ヘーラは少しだけ考え込むように、うーんと首をかしげて。
「……それは当然、森に出たオークの心配では?」
ミルキ・ヘーラもそう思ったか。恐らくは村人たちもだ。だが……。
「冷静に考えてみろ。ならどうして俺達はここで立ち往生している?」
「へ? そ、それはですから、国境が封鎖されて、誰も人間の国に入れないとなったからで」
「オークを警戒するのに、同じ人間まで拒むのか?」
「……あっ!」
そう、そもそもが妙な話だ。
俺達人型のモンスターからすれば、人間達が同じ人型モンスターの侵入でも警戒しているのかと思うだろう。だが実際に警戒しているのは、オークのはずだ。
「いくら何でも、人間とオークを見間違えたりはしないだろう」
「え、で、でも現に国境は封鎖されて……何で、でしょう?」
「結論から言おう。奴ら人間が警戒しているのは、オークなんかじゃない」
「えっ!?」
今更だが、魔王軍とやりあう人間達が四十程度の野良オークに苦戦するわけもないしな。
「俺とラルフが発見した場所にあった血。マルエラの話が正確ならあの血の主は女勇者で、オークに敗れたという事になるが……あの程度のオークに、巨大な爪跡が残せたとは思えん」
実際に俺はオークの拳を受け止めたのだ。恐らくアイツが武器を持って地面をひっかいたところで、大した傷にもならないだろう。
「昨日の夜俺達が見上げた謎の生き物もそうだ。まだ俺達の知らない事実がある。人間の国が恐れているのはそれだ」
「い、一体、それはなんでしょう……」
「分からん。だが少なくとも、そのことをこの村の人間達は知らない。そして恐らくジャンジャーはそれを承知の上で、あえて隠している」
「えっ!?」
国定魔法騎士がどういう立場かは分からないが、全権を預かる男がこれを把握していないはずはないからな。
「ど、どうして!? もしオークよりも恐ろしい何かがいるのなら、知らせないと!」
「知らせる、すると、どうなる?」
「えっ!? それは、当然逃げるとか……」
言葉にして……ミルキ・ヘーラも恐らく近い答えにはたどり着いたのだろう。彼女は一気に顔を青くして、口元を押さえて周りを見る。
何も知らず、復興がすんだと呑気に談笑する村人たちを。
「質問を変えるか。人間達が国境を封鎖している理由ではなく……国境を封鎖して、今侵入を拒んでいるモノは、一体なんだ?」
「ま、まさかっ……そ、そんなっ!」
彼女は震える声で、思い当たる言葉を口にする。
「この村の、人達っ!?」
そうだ。さっきミルキ・ヘーラを崇めるように、俺達に感謝をささげていた、彼らだ。
「この森には何かがいる。そしてこの村は、その何かをおびき寄せるための『餌』だ」
「そんなっ!?」
初めは兵士を駐屯させ、やがて巡回に切り替えて、今は放置。
段階的に手を引かせて、恐らくは待っている。この村が壊滅的な打撃を受けるのをか、或いは村の人間目当てで出てくる何かを、か。
そこまでは流石に分からないが、少なくとも俺達が助けなければマルエラがどうなっていたかを考えれば、ろくなことじゃないだろう。
ミルキ・ヘーラを見れば、今はその目に涙をいっぱいにためて、さっきまで自分を慕ってくれていた村人たちを、その瞳に映している。
「……あまり、こういう事態には慣れていないか」
「あっ、え、だ、だって……何でですか? 彼ら、同じ人間で」
ああ、そこからか?
ミルキ・ヘーラも人間のそういう部分に慣れているものかと思ったが……それとも彼女の場合は、迫害されるのはサキュバスの自分だけだったのだろうか?
「人間は、同じ人間にだって、冷酷になれる」
「あ……」
「それが俺が、この村を拠点にしない理由だ」
俺達吸血鬼にだってそういう面はある。人間にだって、いい人間はいる。
だがその逆もしかり。目的のために自らで代償を支払わず、他人に代償を支払わせようとする卑劣な輩はどこにでもいる。そんな奴らの思惑に俺の仲間を巻き込むつもりはない。
マルエラを口説き落とすのかと言われたが、本当にそんな気はない。
俺の仲間たちの安全と、天秤にかけるつもりはさらさらないからな。
「そういうわけだ。あまりこの村にも深入りはするな」
「あっ、あ、ま、さか、御当主様……」
彼女はとうとう、その目に溢れそうだった涙をこぼして。
「ご、御当主様も、こ、この村を……切り捨てる、つもり、で」
「おいおい、何でそうなる」
「……え?」
いや、ここまでシリアスモード全開だったが、別に必要以上に冷酷になるつもりはないさ。
「人間の国がこの村を囮に何かしようが、俺達にはどうでもいい。あのジャンジャーたちがどういうつもりかは知らないが、俺達の勝手で、助けたければ助ければいい」
「あっ……」
俺はそう言って、愛しい少女の頬を伝う涙を、そっと拭って。
「それに奴の目からも隠れておきたいからな。だから村の外から見張る。もし人間達が本当に恐れているものをそれで仕留められれば、俺達もはれて人間の国に入れおぶっ!?」
と、俺の言葉が何故か不格好に潰されて……あ、え?
「御当主様っ! わ、私っ、信じてましたっ!」
「えっ!? ちょ! 何!?」
何か、突然感極まった様子のミルキ・ヘーラに抱きつかれ。
「あ、あなたがっ! そんな方ではないと! 私を受け入れてくれた、優しいあなただとっ!」
「待て! ミ……シルキィさん! 皆が見てます! だ、抱きつくのは」
「大好きですっ!」
ぎゅーっと、身長差のある俺を屈みながら、その胸で包み込んできたのだ。
ああ、当然ながら村人たちの注目の的だ。ええと、一応俺が彼女の弟子って事になってたんだが……こ、これはギリギリセーフ、なのか? 伝わってくる震えと柔らかさ、そして心温まるような彼女の熱に、俺まで思考能力を奪われながらそう思い……。
というか、その……俺は別に率先してこの村を助けると言ったつもりじゃないぞ? たまたまそうなる時はそうするというくらいで……ああ、自分で言ってて何となく自分がお人よしだというのは分かった気がするが。
えっ、えっ、と喉をならして泣きじゃくる彼女の頭を、そっと撫でる。俺がそうであるように、ミルキ・ヘーラも誰かの心の温かさに触れて、愛おしいと思うのかもしれない。
そう思うと、俺もそんな彼女に温められて……。
「お熱いようで結構だ」
「あ、く、クーナ。ええと、その」
「いつもの調子が戻ったみたいで良かったな」
そんな空気の中で近づいてきたクーナはふうとため息でもつくように、どこか安心したようにそう言って。
「村の奴らが、離れたところにある鍜治場も見てきて欲しいとよ」
「え、か、鍜治場?」
「最近、村に魔法を扱える鍛冶師が来てたってのを忘れてたんだと。今更だが、心配になったから同行してくれってよ」
それは構わないが……魔法を扱える鍛冶師、そうか、この村にもいるのか。
「若いのに腕の立つやつで、人付き合いは悪いが、それで見捨てるほど村の奴らも薄情じゃないみたいだな」
若くて腕の立つ、なんて鍛冶師の評判としては最高じゃないか。村から離れた鍜治場にいて人付き合いが悪いというのもなんか腕利きの職人っぽいしな。
「分かった、行こう」
俺は少し落ち着いた様子のミルキ・ヘーラを離して、その潤んだ瞳に告げる。
「ああ、その……行ってきますね?」
今更師匠と弟子という体裁を続けるべきか迷ったが、村人に一番受け入れられているのはミルキ・ヘーラだ。この順位を変えるべきではないだろう。
それにそんなミルキ・ヘーラに好かれる男、となれば要らぬ嫉妬も買いそうだ。ここからは大人しくして……。
「はい。どうか、気を付けて」
「えっ、シル……」
なんて俺の目論見は、あっさり砕かれることになる。
大勢村人が注目する中、彼女はその柔らかい手で俺の頬を挟み、さらっと俺の唇を……。
「行ってらっしゃい、キーア君」
ああ、その……ここに来てミルキ・ヘーラとぎくしゃくしたままで、さっきまで心を痛めるように涙を流した彼女から一転……晴れ渡る空のような、美しく蕩けるような笑顔でキスされて。
あ、いや、その……あう。
「……お前でも、そんな風に真っ赤になることがあるんだな」
「……」
クーナに言葉を返す余裕もない。
やはりその……ミルキ・ヘーラは、反則だな。
俺は火照る頬を冷ますように、案内されて森の中へ入っていくのだった。
<現在の勢力状況>
部下:古ゴート族82名、レッサーオーク51名、ギガントオーク67名、ワーウルフ21名、ワーダイル60名
従者:ベーオウ
同盟:大魔王ガルーヴェン
従属:なし
備考:第七悪魔商会と契約中、村の護衛に
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