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豚肉味の羊肉

作者: 無脳

20XX年

私は遂に豚肉味の羊肉の開発に成功した。

30年前に豚の間で伝染病が広まり、今では絶滅危惧種となった。

豚肉は人間なら誰もが食べる食肉だったため、豚肉販売が禁止された時は世間に大きな波紋を呼んだ。

それから、羊が豚の代用になると睨んだ私は研究に研究を重ねることにより羊の飼育方法を変えることにより羊の肉を限りなく豚肉に近づけることに成功したのだ。

この開発は結果として大成功した。

羊は完全に豚の代用物となったのだ。


そんな私の成功から10年後。


地球の環境悪化により他の星に移り住むという計画は最終フェーズを向かえていた。

私は羊肉の成功のおかげで大富豪となっていたので最優先で新たな星へと移住することができた。

新しい星。

地球とは少し環境が違って気温はやや高めだが、大気中の酸素量やオゾン層の形成、水分の確保など人間が生きていくのに必要な環境は揃っていた。

そんな中、食生活は大きく変化した。

見たことのない色をしたような植物、奇妙な外形の動物。

事前に、地球の動物を用いてこの星の動植物が人間に有害な物、栄養となる物かという調査が行われていたため、そのリストにそって食事を行うこととなった。

だが、この星の食物の味は酷かった。

根本的に人間の舌に合わない味だった。

栄養面においては問題はなかった。


この星に移住してから1年が経ったくらいの頃、事前調査では全くなかった干ばつの日が続いた。それにより、十分な水分を得ることが出来ず苦しい生活が続いたが、もうダメかと思った時になると雨が降った。死にものぐるいで水分を確保した。

そうするとまた次の日からは干ばつ。

そんな日々が続いた。

食事の面でも1年経って、事前調査ではなかった結果が表れた。

地球の時に比べてかなり苦しい生活にはなったが地球に残って絶滅するのを待つよりはずっとましだと思った。


そんなある日、

空に浮かぶ大きな飛行物体。

今までの人生で見たことのない規格外の大きさだった。

着陸した飛行物体から降りてきたのは3メートルくらいの大きさで二足歩行。

顔は醜いが肉体はたくましく強靭だった。

私達は初めて宇宙人に出会ったのだ。

映画なんかでみるように宇宙人によるこの星の侵略が始まるのかと思ったが、宇宙人達は攻撃してくることもなく私達を自分達の宇宙船に誘った。

言葉は通じなかったが、ジェスチャーや絵を使って私達に適している星があるためそこに連れていってくれるとの事であった。

私達は様々な可能性を考えるため一日考えさせて欲しいと伝えた。

話し合いで今の星でも十分に生活はしていけるとの結論が出て

夜を迎えた。

次の日、朝に眼が覚めると目の前は見たことのない景色が広がっていた。

私は、瞬時にここがあの規格外の大きなの宇宙船の中だと察した。

その時、壁の向こう側から悲鳴が聞こえた。

恐る恐る自分がいた部屋から出て隣の部屋を見に行くと、そこで私は容易に信じがたい光景を目にした。

まさに精肉工場だった。

だが、解体されているのは牛や豚ではなく人間だった。

私は思わず声をだしてしまった。

醜い顔がこちらを向いて不敵な笑みを浮かべた。


私は昔の羊肉の成功を収めた時に一緒に働いていたある研究員の言葉を思い出した。

「これって羊にとっては酷なことですよね。住んでた環境も変えられ食事も変えられて、人間の欲望のためにさ。」


笑みを浮かべている顔はどことなく羊に似ていた。


これは報いなのか。

生態系が崩れる原因が人間にあるなら神はなんで人間なんかに他の生物とは違う知能を与えたんだろうか。



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― 新着の感想 ―
[一言]  粗削り。良くも悪くも粗削り。文章表現には伸びしろを感じます。粗削りなのが武器になることもありますし、洗練されていることが絶対的に良いわけではありませんが、表現したいことは全部書いちゃって、…
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