性別の壁 5
中学二年生に上がる頃には真理ちゃんとの仲はとても深まっていた。
僕は真理ちゃんと毎日登校して一緒に下校していた。
真理ちゃんと腕を組んで歩いたり真理ちゃんと手を繋いで歩いたり。
そう考えるとこれも一つの恋愛感情があっての事だったのかもしれない。
真理ちゃんは長女で僕は末っ子だった。
真理ちゃんはいつも僕のことを甘やかしてくれて頭を撫でてくれたり膝枕をしてくれたりしていた。
そのひとときがとても幸せで今でも忘れられない。
その間に男の子とも付き合ったりしたこともあった。
だけどズルズルと日数が過ぎていくだけで手すら繋がずに終わってしまった。
その頃の僕は心と離れた代わりに真理ちゃんで心の穴を埋めていたのかもしれない。
真理ちゃんはいつも僕の家まで迎えに来てくれて、遅刻しそうになったら運動が苦手なのに一緒になって走ってくれた。
そんな真理ちゃんを僕はとても愛おしく思っていたのは間違えないと言いきれる。
真理ちゃんは吹奏楽部でフルートを吹いていた。
僕はバスケをしていたから、窓が開いている日は真理ちゃんのフルートの音を聴きながら部活動をしていた。
それだけ真理ちゃんのことが大好きだった。




