性別の壁 2
僕はその頃まだ携帯なんて持っていなかったから調べれるすべはなく、ただ遊んで気を紛らわせるのが精一杯だった。
男の子に混じって遊んでいる時が一番の幸せ、そんな生活を淡々と送っていた。
そんな中僕は女の子から目をつけられるようになる。
「あの子は男たらしだ」「あの子は男好きだ」「男とばっかり遊んでて気持ち悪い」
僕の中には性別の壁なんてなくて、ただ楽しい人と楽しく遊べたらそれでよかった。
でも、女の子達のその言葉は"普通"の世界では男好きに見えているのかもしれない。
だけどどうしても女の子達みたいに部屋の中でお茶を飲んだり恋バナをしたりなんてしていられなかった。
体を動かして遊んでいたかった。
それは男女関係なくただ遊んでいたかった。
ただ一人僕と遊んでくれる女の子、心は活発でいつも僕の横でニコニコ笑っていてくれた。
心のことが僕は大好きだった。
でもそれは友達として、そう思っていた。
今思えばあの感情は恋愛感情だった気がしなくもない。
心の隣に僕はずっといたかった。
心のことは僕が守ると思っていた。
男子と遊ぶ中、心のことが気になってかっこつけてみたり、心といれる自分に優越感を抱いたりしていた。
だから、心のどんな我儘も聞いていられた。
心、は名前を変えていますが実在人物です。