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ぼっち探偵・リトル2  作者: oga
リトル救出
9/17

脱獄 前編

 時刻は深夜。

留置所の前。

私と、整形を終えた浮浪者の男は、遠巻きに入り口で待機している警備を見ていた。


「今からあの警備を眠らせて、催眠状態にするわ。 あなたは、警備に付いて行って、制服を貰ってきて」


「……分かった」


 私は、薬指にはまっている指輪をこすって、バクを呼び出した。


「アームズモード」


 バクは、ハリセンとなって私の手に収まった。

そのハリセンを背中に隠し持って、警備に近づく。


「……あ、すいません、ちょっと道を尋ねたいんですが」


「ん? 道、ですか?」


 スパーーン! と思いっきり頭をはたくと、警備員は眠りに落ちた。

このハリセン、はたいた相手を眠りに(いざな)うことができる。

アームズモードを解除すると、今度はバクの催眠を使って、トイレで制服を脱ぐよう命じる。

私はそのまま刑務所に足を踏み入れ、監獄の方へと向かった。


(シュミレーションでは霊獣を使えないから、ぶっつけ本番だけど……)


 やるしかない。


(はあ、心臓がドキドキいってる……)


 一旦、浮浪者の男が合流するのを待つ。

その後、業者の使う裏口に向かい、インターホンで、火災の異常信号を検知して来た、と事前に用意した嘘をついた。


「火災の異常信号ですか…… 分かりました。 お入り下さい」

 

 幸い、中央で監視している従業員は一人しかいないため、この人をハリセンで眠らせ、操る。

マスターキーを持って、電気室に向かってもらい、大元のブレーカーを落としてもらう予定だ。


(セキュリティのカメラに私のことが映ったらマズい。 でも、非常用の電源ですぐに復旧してしまうから、猶予はわずか……)


 ネットの情報によれば、インターバルはおよそ5分、とのことだ。

従業員の後に続き、中央の階段を降り、兄さんのいるB1階に到着した。


「032、の部屋だったわね」


 従業員は電気室へ、私は鍵を取りに、管理室に向かう。

そこにも、巡回の警備が一人いるだけだった。

私は、トラブル対応できたと嘘をついて男に近づき、ハリセンで眠らせた。


「グウ、グウ……」

 

 後は、電気が落ちるのを待つだけだ。

しばらくして、ドン、という音と共に、電気が落ちた。


「……今よ!」


 私は急いで、32番の牢屋に向かい、その番号と対応した鍵を使って、扉を開けた。


「さあ、急いで!」


 浮浪者の男が、制服を兄さんに渡す。

それに着替え、今度は兄さんの囚人服を浮浪者の男が着る。

入れ替わりが終わり、鍵を閉める。

あとは、これを元の位置に戻せば……


「紫苑!」


 その時、突然バクが現れ、私たちの前に立ちはだかった。


「ビースト・モード」

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