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ぼっち探偵・リトル2  作者: oga
リトル救出
8/17

脱獄計画 3

 現在、私はHUBと呼ばれる外国人がよく出入りしている酒場にいる。

部屋の隅のテーブルで、目立たないようにジュースを飲んでいると、声をかけられた。


「ritoru002、デスカ?」


 振り向くと、そこにいたのは少しやつれた感じの中国人だ。


「ワンチャン、ね」


 この相手、ヤフー知恵袋で私が探した、運び屋だ。

お互い、知恵袋のiDしか知らない為、こんな変な呼ばれ方をしている。

私はバックから封筒を取り出し、相手に渡した。


「確認して」


 中国人は中の封筒を少しだけ空けて、隙間からお金を確認すると、満足そうにつぶやいた。


「約束ノ50万、確認シタ。 残リハ、当日ウケトルネ」


「500万も払うんだから。 絶対、頼んだわよ」


 約束では、当日までに兄さんのパスポートを偽装して、空港で落ち合うことになっている。

ちなみに、今渡したのは前金だ。


「分カッテイル」


 そういって、男は去っていった。





 次にやってきたのは、ホームレスの集う公園だ。

ここで、兄さんと体格の似ている浮浪者を探さなければならないのだけれど……

兄さんの年齢は25だし、そんな若い人は中々見つからない。

結局、話を聞いてくれそうで尚且つ、年齢が一番若いのは、サラリーマン崩れの36歳の男だった。


「……20年牢屋にいるだけで、8000万か」


 ジャージ姿の、髪の毛ボサボサの男は、腕を組んで考え込んでいる。


「ええ。 その代わり、顔もすべて若草牛尾のそれに変えてもらうわ」


 無免許の整形外科に、1500万で手術してもらえる。

この人も知恵袋で見つけたのだけれど……

正直、知恵袋がこんな裏取引の温床になってるなんて知らなかった。


「分かりました。 20年後にサラリーマンの生涯賃金を貰えるなんて、こんな話はそうそう転がっていないでしょうし、正直な所、元の生活に戻るつもりもありませんので」


 この人、元々はエリートの銀行員だったらしい。

本当かどうか、怪しい所だけど。

でも、仕事で擦り切れて、働くこと自体に嫌気がさしてしまったそうだ。

燃え尽き症候群、ってやつかも。


「じゃあ、今から整形外科の所に行きましょうか」






 こうやって少しずつ準備を重ね、更に一週間後、兄さんの留置所を訪れた。


「これ、兄さんの読みたがってた小説」


 私は、ガラスの隙間から小説を渡した。


「……」


 もちろん、ただの小説ではなく、ここに計画の詳細が書かれている。


「あと、ちょっと興味本位で聞きたいんだけど、兄さんってどういう部屋で暮らしてるの?」


「……4畳くらいの狭い部屋だよ」


「何部屋あるの?」


「100だ」


「兄さんの番号は?」


「……32」 



ヤ〇ー知恵袋で、パスポー偽造できる人はいませんか? と質問しました。

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