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ぼっち探偵・リトル2  作者: oga
進撃の事件
13/17

容疑者

 殺気で満ちてるって、マズいんじゃ……

これからこの中で殺人が起こる可能性がある。

どうやって止めればいいか、と考えていると、不意に声をかけられた。


「あの~、ヤ〇トさんですか?」


「……!」


 この声は、さっきエントランスで通話した男の人だ。

……丁度いいわ。


「あの、お聞きしたいことがあるんですが……」


 私は、この人に事情を話すことにした。

廊下だと邪魔になるので、あまり人通りのない階段に移動する。


「何ですか?」


「これから、磯山先生の仕事場で、殺人が行われる可能性があります」


 これで納得してくれるかしら?


「……何でそんなこと分かるんです?」


 ですよね~。

……どうしよう。

親戚に未来を透視できる占い師がいるとか?

こちらが返答に窮していると、相手は腕を組んで、あー、でもちょっと待てよ、と呟いた。


「どこでそんな情報を手に入れたのかは分かりませんけど、あり得ないことじゃないですね」


 男の人は、話を始めた。

磯山先生には、自分を含めてアシスタントが3人いるらしいが、その内の一人はいつまでたっても芽の出ないベテランだそうだ。

そのベテランアシスタントが、3人だけで飲みに行った際、不満を爆発させたらしい。


「あんな小学生レベルの絵で、ふざけんじゃねぇ! って、キレてたんですよ。 だから、あいつには、少し注意した方がいいかも知れないです」


 なるほど。

動機もあるし、さっきのは、そのアシスタントが発していた殺気、という線が濃厚みたいね。


「……それなら、殺人が起きないようにマークしといて貰えませんか?」


「……分かりました。 えーと、警察の方ですか?」


 さて、何と説明しよう。 

未来探偵・リトル?


「……未来探偵です」


「……」


 とりあえず連絡先を交換し、経過を待つことにした。






 あれから一週間が経過し、事件のことも頭の片隅に追いやられていた頃、突然、スマホから着信が入った。

丁度、人気ラーメン店の列に並んでいる最中だった。


「リトルさん、大変なことになりました!」


 連絡をくれたのは、協力者のアシスタントのドモンさんだ。


「この前話してた、ベテランのアシスタント、あいつ、遺体で発見されたんです!」


 ……ええっ!?

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