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ぼっち探偵・リトル2  作者: oga
進撃の事件
12/17

潜入

 私は今、都内某所にある、進〇の巨人の作者の住むと言われる高層マンションに来ている。

ファンサイトの情報によれば、作者の殺人予告が相次いだ為、出版社の意向により、ここに越してきた、とのことだ。


「……ご主人、その格好、何ですか?」


 私がマンションを見上げていると、突然ポワロが現れて、質問してきた。


「えっ、分からない?」


 緑の作業着に、つば付き帽子。

手には段ボールを抱えている。


「どっからどう見ても、ヤ〇ト運輸の人でしょ!」


「……」


 ポワロは何か言いたげな顔をこちらによこしてきた。

……犬に訝しがられる位だと、人間相手にはキツいかしら?

 エントランスに入り、ポワロの鼻を使って、インターホンのボタンに付着している作者の匂いを嗅ぎとり、そこから部屋番号を割り出す。


「908号室、と」


 ボタンを押し、しばらく待っていると、相手が応答した。


「はい」


「あ、磯山様のご自宅でしょうか? 荷物のお届けに参りました」


 こんな自動ドア無視して、ポワロに調査させたらいいだろ、と思うかもしれないけど、私から100メートル以上離れることが出来ない為、少なくとも、作者のいるフロアには向かわなければならない。

ところが……


「分かりました。 一旦荷物の内容を改めにそちらに向かいますので」


 ……えっ!

こっち来るの!?


「かなり、警戒してるみたいですね」


 ……そうか。

作者の殺人予告があったくらいだから、荷物も簡単には通過できないんだ。

これから降りてくるのは、アシスタントとか、そういう人かも。


「やばい……」


 中にさえ入れればいいと思っていた私は、荷物の中味なんて用意していない。

どうしようか、と考えていると、背後から別な住民がやって来た。


「ちょっと、いっすか」


 すいません、と私を横に追いやると、ポケットからキーを取り出し、インターホンに付いている鍵穴に差して、ドアを開けた。


(ラッキー!)


 私も急いで中に入り、エレベーターで9階に向かう。

降りる際、入って来た男の人に一瞥されたが、帽子を深めにかぶって視線を切った。

多分、アシスタントだ。


「じゃあ、ポワロ。 私はここで待ってるから、中に入って調査お願い」


「ワン! 分かりました!」


 ポワロが扉に向かって走り出した。

が、なぜか中に入ろうとしない。


「……どうしたの?」


「グルルル……」


 ポワロが扉の前で低くうなり声を上げている。


「ど、どうしたのよ!」


「フーッ、フーッ…… は、入れません」


 ……なんで?


「この部屋、殺気で満ちています」 


 


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