新しい事件
現在、時刻は深夜の3時。
私は、進〇の巨人のシーズン2を、パソコンから違法ダウンロードして見ていた。
友達とラインしてて、暇だなんだけど面白いものない? と聞いたら、進〇の巨人でも見たら? と言われた為だ。
アニメ自体は少し前から始まっており、現在32話まで更新が終わっている。
(えええっ、この人、巨人だったの!?)
私は、コンビニで買いだめしておいたプリンアラモードを口に運びながら、画面にくぎ付けになっていた。
アニメは、エレンをどうにか救出するも、巨人に追い詰められる、という所で終わっており、私は居てもたってもいられず身支度を始めた。
(これは、アニメを待ってる場合じゃない!)
コンビニで漫画を購入。
私はソファに横になって続きを再開した。
読んでいる巻数は、12だ。
(ここであのおっさんが登場するのね。 にくい演出だわ……)
読み進める手が止まず、私は至福の時を感じていた。
テーブルの上には、最新の22巻までが山積みされている。
(しばらくは、退屈しないで済みそうね……)
その時、ワンッ、と私の耳元でポワロが吠えた。
登場に全く気付かなかった私は、うわあっ、と驚いた声を上げ、飛び起きた。
「なな、何なのよ!」
「いきなり申し訳ありません。 事件の匂いがしたため」
じ、事件?
そんなもの、今はどうでもいいのに……
「ポワロ、私が今何してるか、分かるわよね?」
少しキレ気味でポワロに言うと、ポワロの方も言い返してきた。
「ご主人、僕が言うのもなんですが、そんな怠惰な生活を送ってていいんですか?」
……兄さんを見送りしてから1か月。
ほとんどニートみたいな生活を送っていた私は、完全に仕事への意欲を失っていた。
でも、家賃は払わないといけないし……
「……分かったわよ。 で、どこから事件の匂いがするっての?」
「この、漫画本です」
「……えっ」
漫画から事件?
どういうことかしら……
漫画を売っていたコンビニに、食べ物の匂いが付着してた、とかじゃないわよね。
私が問い詰めると、この進〇の巨人の内容に、何かきな臭ささを感じるとのことだった。
「えええ…… じゃあ、作者がこの内容を書くにあたって、何かしてるかもってこと?」
「その通りです」
そんなの追求して大丈夫なのかしら……?
とりあえず、私は作者の住まいを検索し、翌日、向かうことにした。




